30 / 309
妄想編
30話【daily work】岡林 幸太郎:医局(藍原編)
しおりを挟む
午後の外来の最後のほうで、気管支喘息の女の子が緊急入院になって、発作が快方に向かうまで張り付いていたら、夜の8時になってしまった。
「ふう、今日もお疲れさま。佐田さん、挿管にならなくてよかったわね」
「そうですね。この分なら、夜のお呼び出しもなさそうですしね」
岡林くんとふたりで医局に戻る。途中の自販機で、二人分のコーヒーを買う。医局はもうみんな帰ったあとで、真っ暗だ。とりあえず電気をつけて、3人掛けのソファに座る。
「はあ、やっと座れた! 岡林くん、よくがんばったわね。はい、コーヒー」
「ありがとうございます」
岡林くんは爽やかな笑顔で受け取ると、あたしの隣に腰を下ろした。ふたりで一息つく。
「今日は、水曜日よね……。あたし、金曜日の夕方から学会で福岡に行っちゃうけど、大丈夫かしら」
「佐田さんですか? 大丈夫ですよ。明日一日落ち着いていれば、週末に先生を困らせるようなことにはならないと思います」
「そうよね。土日のお留守番、よろしくね。困ったことがあったら、電話はいつでもくれていいから」
うん、やっぱり岡林くんは頼りになる。土曜午前の口頭発表に向けて、金曜の夜には福岡に着きたい。それで、岡林くんには申し訳ないけど、土曜日の一泊分は、観光。ちょっと羽を伸ばして帰る予定。
「病棟は任せてください。……でも……」
「でも?」
岡林くんが、ふと言葉を区切ると、あたしのほうを向いてはにかんだ笑顔を見せた。
「週末先生に会えないのは、俺が、ちょっと寂しいかな」
「え。週末会わなくったって、平日毎日会ってるじゃない」
「そういう意味じゃなくて」
岡林くんが、じーっとあたしを見つめてくる。……そういえば、あたしがうっかり電話で寝落ちして以来、こんなふうにふたりきりになるのは、初めてかも……。
途端に、ドキドキしてくる。あのときあたし、なんかだるさと眠たさで、気持ちよくなりながら、いろいろ妄想しちゃって……気がついたら、寝てたのよね……。起きたときには朝で……もちろん電話は切れてて……。翌日岡林くんに、変なこと口走ってなかったか聞いたんだけど、岡林くんはニコニコして「いえ、何も~」っていうだけで。……う、うっかり、妄想の声が外に出てたりしてなかったかしら!? っていうか、岡林くんの声自体、どこまでが現実でどこからが妄想だったのか、定かじゃないのよ……! ままままさか、この爽やかイケメンの岡林くんが、あんなテレホンセックスまがいのことを仕掛けてくるとは思えないんだけど! あれはすべて、あたしの妄想の産物だと思いたい! ……いや、それはそれでどうかとは思うけど……でも! あたし、岡林くんと、リアルにエロい関係には、まだなってないわよね……!?
「……あ、あの」
岡林くんと目があったままの沈黙に耐えられなくなって、何かしゃべろうとしてみる。
「……あたし、本当に、電話のとき、変なこと、いってなかったわよね……?」
岡林くんはニコニコしている。
「はい。そりゃもう、かわいい寝息をたてて、気持ちよさそうに寝てました」
「お、岡林くんも、何が変わったこととか、いってなかったわよね……?」
岡林くんの目が宙へ向けられる。
「変わったこと……? いったかなあ。例えば、どんなことですか?」
「そっ、それは……」
そっ、そんなの、いえるわけないじゃない! ち、乳首つまめだとか、下のほう触りたいだとか、俺イキそうだとか、そんなこといってましたか、なんて、聞けるわけないでしょーが!!
ああっ、あのときの妄想を思い出して、恥ずかしくなってくる。もうまともに岡林くんの顔を見ていられなくなって、顔を背けたら、岡林くんがクスッと笑った。
「……先生、どうしたの? 耳まで真っ赤。……なんか、赤くなるようなこと、考えてたんですか……?」
「い、いえいえいえ、そんなことはけっして……」
ああダメ、絶対あたし今、挙動不審だわ。こ、こんなところであたしの妄想癖を見破られるわけにはいかない……! これはあたしが、墓場まで持っていく秘密なんだからっ。
コトリ、と、岡林くんが缶コーヒーをテーブルに置く音がした。おそるおそる振り向くと……岡林くんの顔が、目の前にあった。びっくりして固まるあたしの耳元に岡林くんが顔を寄せる。
「……電話でいえなかったこと、今、いってもいいですか……?」
うわ……っ。岡林くんの声が耳にかかっただけで、背中のほうがゾクゾクする……。なにこれ、あたし、おかしくない?
肩をすぼめて動けないあたしに、岡林くんが笑いながら囁いた。
「先生、耳、弱いよね……あのレストランのときも、そうだった」
「よ、弱いってなに、別にそんなことはないわよ……っ」
「ふふ、弱いよ。藍原先生……耳、感じやすいんでしょ?」
ちょっと、これはまずい展開だわ! こんなところでスイッチ入っちゃったら、もうどうなっちゃうか……! なんとか、阻止しないと……!
「こらこら、先輩をからかうのはやめなさい」
なんとか体を押し戻そうとしたけど、岡林くん、びくともしない。それどころか……突然! あたしの耳に――
「ひゃあっ!?」
へ、変な声が出ちゃったじゃない! なに今の、なんか耳が、急に熱くなって――う、うそ、岡林くん、
「な、何やって……」
「……先生の耳、食べちゃった」
うそでしょ。岡林くんが、あ、あたしの左耳を、口にくわえて、熱い舌で、耳の裏を――!!
「あっ、やっ、な、なにして……っ」
ちょっと待って、完全に頭が混乱してる。左耳から、得体の知れない熱が広がって、全身の力を奪い取っていく。あたしは岡林くんに押し倒されるように、ソファに仰向けになった。
「……先生。先生の声、聞かせて」
「え、ちょっと……あっ、は……あっ」
やだ、岡林くんがあたしの耳の裏を舐めるたびに、変な声が出る。ちょっと待って、これ、現実? 妄想じゃなくて? そんなはずはない、でも、妄想みたいに、コントロールが効かない……――
「ダメだってば、岡林くんっ、……んあっ、あん……ッ」
岡林くんの舌が、耳から首筋に下りてきて……ああ、どうしよう、体が勝手にビクビクと反応する。やだ、あたし、これじゃあただの淫乱みたいじゃない。違うのよ、こんなのは違う。そうじゃなくて――
「……っ、お、岡林くん、待って――ちょっと、待って……ッ」
岡林くんの唇が首筋から離れ、あたしの唇を奪おうと顔が近づいてきた。あたしがあわてて手のひらで唇を隠そうとしたら――
バタン!!
急に、医局のドアが開いた!! 反射的に、岡林くんがあたしの体の上から跳ね起きる。
うっひゃあ、だ、誰!? た、助かったような、まずいような……っ。
あたしも跳ね起きて、白衣の裾を整え、震える手で飲みかけの缶コーヒーに手を伸ばす。幸い、医局の入口からソファのあたしたちのところは死角になる。その人が姿を現すころには、岡林くんは自分の荷物を持って立ち上がるところで、あたしはソファに座って缶コーヒーに口をつけたところだった。
「あら、遅くまでごくろうさま」
現れたのは、西園寺先生だった。
「せっ、先生こそ、お疲れ様です! 遅いですね!」
そう返事をする。やばい、声が上ずった。絶対おかしい、あたし。
「緊急入院が入ったからね。ああ、あなたたちの患者だっけ。佐田明奈ちゃん。落ち着いたみたいでよかったわね」
「あ、はい、それであたしたちも今まで残っていて……」
それを合図のようにして、岡林くんがそそくさと医局を出ていく。
「あっ、じゃあ先生、お先に失礼します」
「あっ、はいはい、お疲れ様でした」
自然を装って声をかけたけど……うう、心臓がバクバク、汗じっとりよ。ば、バレたかしら……?
「ふう、今日もお疲れさま。佐田さん、挿管にならなくてよかったわね」
「そうですね。この分なら、夜のお呼び出しもなさそうですしね」
岡林くんとふたりで医局に戻る。途中の自販機で、二人分のコーヒーを買う。医局はもうみんな帰ったあとで、真っ暗だ。とりあえず電気をつけて、3人掛けのソファに座る。
「はあ、やっと座れた! 岡林くん、よくがんばったわね。はい、コーヒー」
「ありがとうございます」
岡林くんは爽やかな笑顔で受け取ると、あたしの隣に腰を下ろした。ふたりで一息つく。
「今日は、水曜日よね……。あたし、金曜日の夕方から学会で福岡に行っちゃうけど、大丈夫かしら」
「佐田さんですか? 大丈夫ですよ。明日一日落ち着いていれば、週末に先生を困らせるようなことにはならないと思います」
「そうよね。土日のお留守番、よろしくね。困ったことがあったら、電話はいつでもくれていいから」
うん、やっぱり岡林くんは頼りになる。土曜午前の口頭発表に向けて、金曜の夜には福岡に着きたい。それで、岡林くんには申し訳ないけど、土曜日の一泊分は、観光。ちょっと羽を伸ばして帰る予定。
「病棟は任せてください。……でも……」
「でも?」
岡林くんが、ふと言葉を区切ると、あたしのほうを向いてはにかんだ笑顔を見せた。
「週末先生に会えないのは、俺が、ちょっと寂しいかな」
「え。週末会わなくったって、平日毎日会ってるじゃない」
「そういう意味じゃなくて」
岡林くんが、じーっとあたしを見つめてくる。……そういえば、あたしがうっかり電話で寝落ちして以来、こんなふうにふたりきりになるのは、初めてかも……。
途端に、ドキドキしてくる。あのときあたし、なんかだるさと眠たさで、気持ちよくなりながら、いろいろ妄想しちゃって……気がついたら、寝てたのよね……。起きたときには朝で……もちろん電話は切れてて……。翌日岡林くんに、変なこと口走ってなかったか聞いたんだけど、岡林くんはニコニコして「いえ、何も~」っていうだけで。……う、うっかり、妄想の声が外に出てたりしてなかったかしら!? っていうか、岡林くんの声自体、どこまでが現実でどこからが妄想だったのか、定かじゃないのよ……! ままままさか、この爽やかイケメンの岡林くんが、あんなテレホンセックスまがいのことを仕掛けてくるとは思えないんだけど! あれはすべて、あたしの妄想の産物だと思いたい! ……いや、それはそれでどうかとは思うけど……でも! あたし、岡林くんと、リアルにエロい関係には、まだなってないわよね……!?
「……あ、あの」
岡林くんと目があったままの沈黙に耐えられなくなって、何かしゃべろうとしてみる。
「……あたし、本当に、電話のとき、変なこと、いってなかったわよね……?」
岡林くんはニコニコしている。
「はい。そりゃもう、かわいい寝息をたてて、気持ちよさそうに寝てました」
「お、岡林くんも、何が変わったこととか、いってなかったわよね……?」
岡林くんの目が宙へ向けられる。
「変わったこと……? いったかなあ。例えば、どんなことですか?」
「そっ、それは……」
そっ、そんなの、いえるわけないじゃない! ち、乳首つまめだとか、下のほう触りたいだとか、俺イキそうだとか、そんなこといってましたか、なんて、聞けるわけないでしょーが!!
ああっ、あのときの妄想を思い出して、恥ずかしくなってくる。もうまともに岡林くんの顔を見ていられなくなって、顔を背けたら、岡林くんがクスッと笑った。
「……先生、どうしたの? 耳まで真っ赤。……なんか、赤くなるようなこと、考えてたんですか……?」
「い、いえいえいえ、そんなことはけっして……」
ああダメ、絶対あたし今、挙動不審だわ。こ、こんなところであたしの妄想癖を見破られるわけにはいかない……! これはあたしが、墓場まで持っていく秘密なんだからっ。
コトリ、と、岡林くんが缶コーヒーをテーブルに置く音がした。おそるおそる振り向くと……岡林くんの顔が、目の前にあった。びっくりして固まるあたしの耳元に岡林くんが顔を寄せる。
「……電話でいえなかったこと、今、いってもいいですか……?」
うわ……っ。岡林くんの声が耳にかかっただけで、背中のほうがゾクゾクする……。なにこれ、あたし、おかしくない?
肩をすぼめて動けないあたしに、岡林くんが笑いながら囁いた。
「先生、耳、弱いよね……あのレストランのときも、そうだった」
「よ、弱いってなに、別にそんなことはないわよ……っ」
「ふふ、弱いよ。藍原先生……耳、感じやすいんでしょ?」
ちょっと、これはまずい展開だわ! こんなところでスイッチ入っちゃったら、もうどうなっちゃうか……! なんとか、阻止しないと……!
「こらこら、先輩をからかうのはやめなさい」
なんとか体を押し戻そうとしたけど、岡林くん、びくともしない。それどころか……突然! あたしの耳に――
「ひゃあっ!?」
へ、変な声が出ちゃったじゃない! なに今の、なんか耳が、急に熱くなって――う、うそ、岡林くん、
「な、何やって……」
「……先生の耳、食べちゃった」
うそでしょ。岡林くんが、あ、あたしの左耳を、口にくわえて、熱い舌で、耳の裏を――!!
「あっ、やっ、な、なにして……っ」
ちょっと待って、完全に頭が混乱してる。左耳から、得体の知れない熱が広がって、全身の力を奪い取っていく。あたしは岡林くんに押し倒されるように、ソファに仰向けになった。
「……先生。先生の声、聞かせて」
「え、ちょっと……あっ、は……あっ」
やだ、岡林くんがあたしの耳の裏を舐めるたびに、変な声が出る。ちょっと待って、これ、現実? 妄想じゃなくて? そんなはずはない、でも、妄想みたいに、コントロールが効かない……――
「ダメだってば、岡林くんっ、……んあっ、あん……ッ」
岡林くんの舌が、耳から首筋に下りてきて……ああ、どうしよう、体が勝手にビクビクと反応する。やだ、あたし、これじゃあただの淫乱みたいじゃない。違うのよ、こんなのは違う。そうじゃなくて――
「……っ、お、岡林くん、待って――ちょっと、待って……ッ」
岡林くんの唇が首筋から離れ、あたしの唇を奪おうと顔が近づいてきた。あたしがあわてて手のひらで唇を隠そうとしたら――
バタン!!
急に、医局のドアが開いた!! 反射的に、岡林くんがあたしの体の上から跳ね起きる。
うっひゃあ、だ、誰!? た、助かったような、まずいような……っ。
あたしも跳ね起きて、白衣の裾を整え、震える手で飲みかけの缶コーヒーに手を伸ばす。幸い、医局の入口からソファのあたしたちのところは死角になる。その人が姿を現すころには、岡林くんは自分の荷物を持って立ち上がるところで、あたしはソファに座って缶コーヒーに口をつけたところだった。
「あら、遅くまでごくろうさま」
現れたのは、西園寺先生だった。
「せっ、先生こそ、お疲れ様です! 遅いですね!」
そう返事をする。やばい、声が上ずった。絶対おかしい、あたし。
「緊急入院が入ったからね。ああ、あなたたちの患者だっけ。佐田明奈ちゃん。落ち着いたみたいでよかったわね」
「あ、はい、それであたしたちも今まで残っていて……」
それを合図のようにして、岡林くんがそそくさと医局を出ていく。
「あっ、じゃあ先生、お先に失礼します」
「あっ、はいはい、お疲れ様でした」
自然を装って声をかけたけど……うう、心臓がバクバク、汗じっとりよ。ば、バレたかしら……?
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる