虹の月 貝殻の雲

たいよう一花

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Ⅱ 幽閉

21. 夜毎の来訪者(1)

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取り立てて妙案も浮かばないまま、レイの幽閉生活は8日目を迎えていた。

魔力の回復量については本調子とは言えないものの、最初の頃に比べれば回復量は増え、レイは本来の自分を取り戻しつつある。
しかしレイはそれで安心せず、溜まった魔力を脱出に備えて温存し、必要以上に消費しないよう、常に気を配っていた。そのため、毎晩訪れる魔王に対しても大した抵抗はできず、結局は体を与える他、なかった。

意に反して抱かれる屈辱は消えないが、最初の夜のような、生存が脅かされるほどの肉体的苦痛は、あれ以来一度もない。
苦痛どころか――今まで味わったことのない快感を与えられていた。
魔王に抱かれるたびに我を忘れ、恍惚としながら肉欲に溺れてゆく自分が、レイは怖かった。

その夜も、魔王の逞しい体に組み敷かれ、肩に付くほど膝を折り曲げられたレイは、徐々に深く沈んでゆく肉棒に、その身を貫かれていた。

「うっ……く……!」

体内に異物が侵入してくる圧迫感に呻きながら、レイは何となく、昨日までと感触が違うことに気が付いた。

これまで、魔王は<従根>と呼ばれる異様な性器をレイの中に挿入し、外に張り出たもう片方の性器である<主根>を、手でしごいて果てていた。
今夜も同じようにされると思い込んでいたレイは、入れられたのが<従根>ではなく、<主根>の方だと気付いたとき、わずかに不安を感じ、魔王の意図を探るように、その眼を覗き込んだ。
すぐさまその視線に気付いた魔王が、「どうした……? 痛むのか?」と、問いかけてくる。

<主根>を半分ほど埋め込み、更に深く沈めようとしていた魔王は、レイの戸惑いを感じ、動きを止めた。
レイの体を慣らすために使っていた強い淫薬を、今夜は使っていない。替わりに効果は半減するものの、比較的安全な薬を用意し、充分に塗り込んでから体を繋げていた。
――レイの股の間から、元気にち上がっているものを見る限り、苦痛を与えているとは思えなかったが、魔王はレイの頬を撫でながら、もう一度優しく、問いかけた。

「どうした? ……<主根>では、不満か?<従根>の方が良いか?」

レイが顔を真っ赤にして、慌てて否定する。

「違うっ! ただ……いつもと違うから……」

「ああ……」

レイの当惑を理解した魔王が、小さく微笑んだ。

「ずっとあのような不自然な形で、おまえを抱くと思っていたのか? いや……あれは、おまえの体を慣らすための……言わば準備運動だ」

そう言い終わると、魔王は動きを再開し、ゆっくりとレイの中を押し進んだ。

「はっ……! ぁあっ! う、くっ……!」

いきり勃たった剛直が、抉り込むように深く侵入してくる。
痛みはなかったが、内臓を押しのけ突き進むその圧迫感に、レイは初めて貫かれたときの恐怖を思い出し、鳥肌を立てた。

「うあぁっ! ……はっ、もっ……やめろ! それ以上、入れるなっ……」

レイは両腕を突っ張って、魔王の胸を押し返した。しかし以前のように術で拘束されているわけでもないのに、その分厚い胸板はびくともしない。
魔王はレイの両手首を掴み、たやすくシーツの上に押し付けると、自身の指をレイの指に絡み合わせた。

あっさりと抵抗を封じられ、レイは反射的に魔導術を使うために<気>を集めようとしたが、すぐに思い直した。攻撃の術を使ったところで、精霊とやらに守られている魔王に効果はない。無駄に魔力を消費するだけだ。
あきらめと虚しさが、心中に渦巻く。

「くっ……!」

男の身でありながら、男に貫かれ、なすすべもなく組み敷かれている自分が情けなく、レイはぎりぎりと奥歯を噛みしめた。
その様子からレイの胸中を汲み取った魔王は、何とかレイをなだめようと、優しく囁いた。

「レイ……暴れるな。つらいなら、これ以上深く入れはしない。だが今夜は……本来の形で、おまえを抱きたいのだ」

レイは眉をひそめた。

(本来の……形?)

その言葉の意味をはかりかねて、レイが疑問を口にする前に、半分以上埋め込まれていた魔王の逸物が、ゆっくりと引き抜かれた。

「……うああっ!」

体中を甘い痺れが駈け抜け、レイがびくんと跳ね上がる。

魔王は自身の欲望を完全には引き抜かず、先端部分を中に残して動きを止めると、もう一度ゆっくりと、レイの中にその身を沈ませていった。
堪らず、レイが掠れた嬌声を上げる。

「あっ……ああっ! やっ……はっ!」
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