道楽草

十三岡繁

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福岡修学旅行コース

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 インバウンドの影響で、人が多くなりすぎて物価も上がって、修学旅行で京都にいけない学校が増えているという。京都は確かに歴史があるかもしれない。しかし歴史だけで言うなら福岡の方が遥かに上だと思っている。そこで福岡を修学旅行先にした場合の見学コースを考えてみた。

 まずはスタート地点である。これは板付遺跡で間違いないだろう。縄文時代から弥生時代にまたがった遺跡は、他には聞いた事が無い。日本における稲作の歴史が塗りかえられた場所だ。ここで再現されている竪穴式住居を見てもらった上での……県外には出るが吉野ヶ里遺跡だろう。弥生時代の建築と稲作文化を、たっぷり味わってもらってから、糸島で伊都国歴史博物館に行ってもらう。世界最大の銅鏡や、これでもかと並ぶ国宝の数々で邪馬台国について思いを馳せてもらおう。時代は飛んでしまうが、博物館から近いので、高祖山と怡土城跡も見ておいたほうが良い。高祖山の麓の神社も素晴らしいが、怡土城なんて作ったのは、あの吉備真備だ。

 何か全国的にはメジャーだが、金印ははっきり言って飛ばしてもいい。時間が許せばという事で、一度は見た方が話のタネになるぐらいな感じだろう。それよりも次は水城と大野城、基山である。大野城と基肄城(基山)は日本書紀にも出てくる日本最古の山城である。そこには1500年以上昔の礎石や石積みがごろごろと転がっている。実際に自分の手で、1500年前の人が作った構造物に触れられるのだ。そんなところが他のどこにあるだろうか? 更にどちらも軽登山になるので、アクティビティとしても丁度いい。

 時代は大和朝廷に入ったので、斉明天皇を祀った朝倉の恵蘇八幡宮も行きたいところだ。しかしながらやや距離があるので、ここは割愛されても仕方がない。そうしていよいよ福岡市内に戻って来ての鴻臚館跡と行きたいところだが、途中大宰府で息抜きが必要かもしれない。この場所の『鬼滅の刃』、『呪術廻戦』との関りは、若い世代には説明の必要も無いだろう。
 ただここにある大宰府政庁跡で、道真公の足跡に触れるのであれば、是非『御自作天満宮』にも立ち寄って頂きたい。ここの御神体は道真公が、自分で自分を掘った像である。冗談みたいな話で笑ってしまった。全然誰にも知られていないが、ここはもっと注目されてもいい。将来フィギュアファンの聖地になってもいいくらいだ。

 そうしてやっと鴻臚館へ行こう。福岡城跡とも言えるが、場所が同じなだけで歴史的価値は全く違う。鴻臚館という名称は平安時代からのものだが、元々はは奈良時代以前から続く筑紫館である。ここが当時の日本の外交の窓口だった。世界とはここを通じて繋がっていたのだ。空海や最澄もここら旅立っていった。このあたりぐらいから、やっと京都に残る建造物が福岡の歴史に追い付てくるのではないだろうか?

 現在観光名所と言われている元寇防塁跡等は鎌倉時代という、比較的最近のものなので見なくてもいい。鎌倉時代を言うのであれば首羅山の方が余程見どころが多い。山頂には鎌倉時代の何かしらの像が色々と並んでいる。福岡に住んでいると、鎌倉時代は最近の話だと頭がバグって来る。江戸時代など今とあまり変わりがない。東京等とは土地に染み付いた歴史の深みが全く違う。

 時間がまだあるようなら、そこで初めて博多の寺でも巡ればいいだろう。うどん発祥の地の承天寺やら、日本最大の木造大仏がある東長寺等、京都っぽい観光名所も色々とある。まぁ個人的にはどうでもいい。

 もちろん遊びも学びの一部なので、食べたいものも食べたらいい。食文化に関してははっきり言って福岡は日本最高峰だ。知っている人なら異論はないはずだ。
 中州の屋台は飛ばしていいが、是非長浜ラーメンと牧のうどんは食べて欲しい。粉物好きな高校生ならラーメンやうどんの他、鉄鍋餃子やふきやのお好み焼きなどもお勧めだ。

 日本海側の人間でないと、生でサバを食べる機会も無いだろうから、ゴマサバも食べておいたほうが良い。酒が飲めないので、焼き鳥の文化に触れてもらえないのが残念ではある。
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