道楽草

十三岡繁

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常識

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 知らない世界を想像するときには、どうしても自分の常識に縛られてしまう。だから数字で示してもらうと助かる部分もある。

 例えば江戸の町の男女の人口比は、長らく2:1ぐらいだったそうだ。新しく作られた町なので、当初は全国から労働力として男ばかりが集まったというのは分からなくもない。最初の頃は2:1どころか4:1ぐらいだったらしい。

 現在の東京で男女比が4:1だったらと思うと、中高男子校だった私が言うのも何だが結構げんなりしてしまう。江戸も終盤に差し掛かる頃には1:1に近くなってはいたそうだ。しかしそれだけ男ばかりが江戸に集まってきたという事は、近郊の村なんかは女性の方が完全に多かったはずだ。

 江戸時代の農村部では、貞操観念は緩くて誰と誰の子供のような特定は難しかったらしい。男の方が数が不足しているのだから、当然そう言う流れになっていくのだろう。逆に子供は特定の個人のものという感じでは無くて、村全体の子供という感じだったようだ。にわかには想像しがたいが、背景の事情を考えてみると分からなくもない。

 ちなみに農村部はかなり閉鎖的だったようで、そのまま世代を経ていくと血がどんどん濃くなって、遺伝子的には良くないことが起きるだろう。人々はそれを体験的に理解していたようで、外部から旅人などが訪れると『マレビト』のような形で歓迎されたらしい。それは外部から子種…遺伝子を得る為にも重要だったのだろう。歓迎された旅人は村長みたいな人の所に宿泊して、夜は村長の女房や娘が夜伽の相手をする事もあったという。更に体力の続く限り村中の女性の相手をさせられたのかもしれない。

 うらやましい…いや、とんでもない話だなと思うかもしれないが、古くは縄文時代もそんな感じであったらしい。当時の集落は10~20人ぐらいの血縁関係者でつくられていたようで、当然その中で閉じての生殖行為は問題を起こしたことだろう。そこで定期的に集まって今でいう乱交の様な事が行われていたようだ。何分記録が残っていないので推測の域は出ない。

 女性を模した土偶というのは結構メジャーな存在だが、逆にもちろん男性を示す遺物もある。こちらは露骨すぎてあまりテレビなどでも紹介されないが、石棒と言って男性器を模している。土偶の女性は全体像なのに、男性は男根だけが象徴という所が何とも悲しい感じはする。
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