道楽草

十三岡繁

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米の価格高騰

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 このところ時事ネタばかりを書いているような気がする。ここは創作の場だから、現実社会の話は程々にして、もっと脳に気持ちのいい物を書いていきたいとは思っている。しかしエッセイとなれば、どうしても現実社会への疑問が多くて書きたくなってしまう。

 米の値段が高い。去年に比べて倍ぐらいになっているのでないだろうか? 様々な理由が複雑に絡まっているのかもしれないが、一番不思議なのは在庫量だ。米は果物と違って世界中から輸入をするわけでもないし、野菜と違って温室で育てて収穫時期をずらしたりも出来ない。秋の収穫が終わった時点で全国民の1年分の消費量がどこかに在庫されているはずなのだ。

 物の価格は需要と供給量の関係で決まるというのが経済の原則だ。米は収穫の時期が終わってから暫く経った今、在庫はかなりのものがあるはずだ。というか年間で最大に近い在庫量になってなくてはいけない。現在価格が上がっているので、普通であればその在庫が一気に外に出て来るはずだ。そうなると需要を先食いしてしまって夏以降の米不足が懸念される……それならば理解の範疇である。

 しかし現実はそうなっていない。これはどういうことなのだろうか? 供給量を平均化するために、ある期間内にこれ以上売ってはいけないというような規制があったりするんだろうか? もしそんな規制はなくて、現在の在庫量が単に需要を満たすだけの供給ができない位しかなく、価格が上がっているというならばかなり怖い。在庫が尽きたところで、価格が高いどころかどこにも無くなってしまうという事だ。

 温度や湿度などの管理もあるので、場所はもちろん在庫をするにもコストがかかるだろう。それを考えても市場に出してこないというのはどういう事なのだろうか? 遂に政府の備蓄米が供給されることになった。だれかが売り渋りをしているならば、高値でさばける今のうちに市場に出て来るはずだし、私もそうなると思っていた。多分政府もそう思っていただろう。しかし実際は備蓄米の放出が決まっても価格が下がらなかった。これは本当に怖い事だ。もしかしたら本当に在庫が少ないのかもしれない。

 そうして米の価格がこれ以上上がると米食離れが起こるだろう。既に小麦粉や他の穀物がかなりの量、日本人の主食の一部として入り込んできている。これが加速すると、もう米の価格が元に戻っても需要が戻らなくなってしまう。個人的には縄文時代が好きだが、稲作が入って来てからの文化はもう日本のメインストリームになってしまっている。米は社会のベースになってきたと言ってもいいだろう。大名も規模を石数で格付けされていた。そのベースがひっくり返るというのはかなり怖い。
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