道楽草

十三岡繁

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生命

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  全ての物質は分子からできている。ちょっと単位として大きい場合もあるので、もっと言えば原子からできている。それは人間の体であっても同じだ。将来もし超高精度のスキャナーと3Dプリンターができたとして、ある人間の体の原子構成を全てスキャンできたとする。そうして3Dプリンターで再構成できたとしよう。するとそこにできたものは元の人物と全く同じもので、同じ記憶と意識を持って、同じように生命活動ができるのだろうか?

 私はその分野の専門家ではないので、まったく根拠もなく直感で考えることしかできないが、その直感が言っている。それは否だ。普通の人間にはご臨終というものがある。仮死状態というのは訳が分からないのでおいておくとして、一旦死んでしまった人間は生き返らない。これはとても不思議である。物質としては殆ど変化していないのに、生きている状態と死んでいる状態に分けられるのだ。その境界線はどこにあるのだろうか?

 宇宙を構成しているのが物質だけだと考えるからいけないのだろうか? 物質と同じくらい重要な宇宙の構成要素としてエネルギーがある。天才アインシュタインによって、物質とエネルギーには互換性がああることが分かった。しかしこれは相当にバランスが悪い。ほんの小さな砂粒みたいな物質でも、エネルギーに変換するととん
でもない量になる。あの一秒間に地球を7.5回転できるという光速の二乗に比例するというのだから凄まじい。

 話は逸れたが、人間が生物として存在するには、物質のほかになんかしらのエネルギーが必要であると考えた方が、直感的にはしっくり来る。先ほどの物資とエネルギーの話で考えると、それは肉体という物質に比べてとんでもなく微弱なものかもしれないが、それがないと生命は生命とはなりえないのではないだろうか? そうしてそれはとても微弱であるがゆえに、検出するのはとんでもなく難しいのではないだろうか?

 人はそれを魂とか霊とか、そんな風に呼んできた。そんな気がするが、あくまでこれも直観である。ただ直感は正解であることが多いようにも思う。
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