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70話:血煙る狩場
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~~メリル視点~~
まるで散歩にでも出かけているかのように、のんびりとした足取りで樹冠脚竜の群れの中心へ向かうアゼル君の後ろ姿を見守りながら、私はいつでも助けに入れるように魔術の用意をする。
彼には手を出さないと欲しいと言われていましたが、あの数が相手では万が一ということも考えられる。カイルとエマも同じ考えなのか、二人もそれぞれの武器に手を添えている。
「リアナ、いちおう覚悟はしておいて」
遠ざかっていくアゼル君の背中を見やりながら、フィリア様は唐突にそう言いました。
「覚悟?」
「うん。多分いまから、とんでもないことすると思う。具体的に何をするかは私もわからないけど……なんだかアゼル、覚悟を決めたような顔してたから」
あの夜と同じ――と、なにやら不思議なことを言いました。
それ以上のことは言う様子はなく、私は注意を戦場に向け直しました。
樹冠脚竜のランクは単体でDランク。
このDというランクがどれほどの危険度かと言うと、戦闘の訓練をある程度積んだ人でなければ対処できないレベルです。逆を言えば、訓練を積んでいないような人――それこそ、剣を握ったばかりの新人が一対一で戦った場合では負ける可能性があるということです。
その中でも樹冠脚竜は単純な強さはさることながら、群れと連携して狩りをするほどの知能の高さを持つ、とても厄介な魔物です。
同じDランクの冒険者でもこの数が相手ではパーティーで連携しながら戦わなければ危険です。ましてや、先日冒険者登録をしたばかりのFランクの新人がひとりで相手をするなんてありえない。
本来であればベテランの私たちが止めるべき事ですが、それでもカイルやエマが何も言わずに送り出したのは、やはりこの前のロスウェル村での体験が原因でしょう。
私がどこかで病原体を貰ったために休まざるを得なかったロスウェル村の依頼。
その仕事から帰ってきた二人は、土産話としてそこで出会った人たちのことを色々話してくれましたが、その中でも異彩を放っていた話の一つがアゼル君に関しての話でした。
固有魔術の使い手で、魔物との経験が豊富な狩人。嘘か真か、そこに現れたAランク喰血哭を拘束してみせ、挙句村の兵士と共に戦い勝利して見せたという。
彼が居たおかげで生きて帰ってこられたと二人は言っていましたし、少なくとも助けられたのは事実なのでしょう。それに関しては私も深く感謝しています。
ですが……所詮二人から聞いただけで、私自身はその強さを目にしていない。まるっきり信じていない訳ではないのですが、少し大げさなのではないかという疑念があった。
そんな理由からいつか挨拶をしてみたいと思っていたわけですが、その噂の少年に昨日ついに会うことができました。
しかし、初めて目にしたアゼル君は……正直に言ってしまうと、話で聞いていた以上に冷たい印象を受けました。
私を見るその目は、細めることはしなかったものの強い疑念に染まっていました。いえ……むしろ、疑わし気に細めてくれた方がまだ印象は良かったかもしれません。
目を開いたまま私の上から下、手先から足の動きまで観察する様はまるで、犯罪者の取り調べをする衛兵か、そうでなければ警戒心を露わにする獣か何かでした。
予め二人から、初対面の人に対しては非常に警戒心が強く気難しい性格をしていると聞いていなければ、何故そんな目をされるのかわからず混乱していたでしょう。
幸いすぐにその目つきをすることは止めてくれましたし、少し話をしてみると多少言葉が乱暴なだけで、そこまで性格が悪いというわけではないことがわかりました。
一緒に居たフィリア様もロスウェル子爵の御令嬢ということで少し緊張していましたが、実際に会ってみるとこちらはこちらで聞いていた話以上に愛嬌があり親しみやすい人でした。
そんな一癖も二癖もあるようなアゼル君なわけですが、果たしてAランクの魔物を拘束したというその固有魔術とはいかほどのものなのでしょうか。見るのが少し楽しみでもあります。
「……囲まれたわね。大丈夫なのよね?」
そうこう考えている内に、アゼル君は樹冠脚竜の包囲網の中心に行ってしまったようです。彼の背後には既に樹冠脚竜が回り込んでいますが、魔物の真っ只中に身を置いてもなお彼は剣も身も構えるような様子は見られない。
そんな様子にリアナさんは心配の声を漏らしましたが、私も同じ気持ちです。
彼のその余裕は件の固有魔術にあるのでしょうけど……果たして、本当の特性とはいったい何なのでしょうか?
そんなことを頭の片隅で考えていると、アゼル君の正面に立つ樹冠脚竜が乱暴に角を振るう。
危ないと感じ咄嗟に魔術で助けようと杖を握る手に力を込めた。
「――――え?」
しかし私の心配は、次の瞬間には跡形もなく消えました。
気が付けば樹冠脚竜の頭は首から離れ、僅かに回転しながら宙を舞っていました。
彼の手にはいつの間にか鞘から抜き放たれた剣が握られており、その赤黒い刀身から一目でその剣が普通の物ではないことがわかる。
そこまで確認してようやく、私は彼が剣を抜いて樹冠脚竜の首を刎ねたのだと理解した。
「うそっ……」
エマの小さな驚きが耳に入る。きっと私と同様、剣を抜く瞬間を捉えられなかったのでしょう。同時に、何をしたのかを知り更に驚く。
アゼル君は警戒しているはずの樹冠脚竜に何の気もなしに近付いて、そして樹冠脚竜だけでなく私たちまでも視認できないほどの速さで、鞘から剣を抜くと同時に断首の一太刀を入れたのです。いつでも助けられるようにと、十全に警戒をしていたCランク冒険者の目にも留まらない速さで、です。
「身体強化? それともあれも固有魔術によるもの?」
この時点で私は初めて彼の実力の高さを実感することができました。
しかし真に驚愕するのはその後の光景でした。
「え……なん、で?」
いえ……戦慄、と表現すべきでしたね。
アゼル君は振り上げた剣をそのまま上段まで運び、既に頭を失い後はただ地に崩れゆくだけの身体に向かって振り下ろしました。
普通の剣では刀身の関係で不可能なはずですが、彼が振り下ろした後には樹冠脚竜の身体は、魚を開くが如く縦に両断されその内側は外に晒されました。
はっきり言って、理解ができない。
首を断たれた時点で樹冠脚竜は死んでいたのだから、次に剣を向けるべきは別の個体であるべきです。
しかしアゼル君はそうはせず、無駄に死体を痛めつけてしまいました。
それは初めて剣を握った新人冒険者が、相手が絶命しているのに気付かず無為に剣を振るってしまうような一種の錯乱状態にも似ていましたが、あのような見事な一太刀を振るったアゼル君がそんな素人じみたことをするはずはありません。
であるならばその行動は意図的なものであると考えられますが、だからこそ無駄な行動をした意図が理解できない。
案の定、その無駄な一手のせいで相手に反撃の隙を与えてしまったようです。
「――キシャアァァ!」
左前方にいた樹冠脚竜が仲間が殺されたことを一拍置いて気付き、怒ったようにその角を振り上げる。
樹冠脚竜の角は頭蓋から伸びた強力な武器であり、そこには樹冠脚竜が持つ火属性の魔力がたっぷりと込められている。
この角を用いた頭突きは人間の腹をやすやすと貫く威力があり、魔術による防御も鎧などの防具もない状態では危険です。
「グゥッ⁉ ググ……ギィ……」
しかしアゼル君は躱すでも逃げるわけでもなく、迎え撃つような形で剣を樹冠脚竜の眉間に突き立て、膂力だけでその突進を完全に受け止めてみせた。
剣が突き立てられた瞬間、くぐもった声と共に樹冠脚竜の身体から急速に力が抜けていき、一匹目と同様にその場に崩れ落ちた。
「……凄まじい技量だな。Dランク魔物とは言え、俺でもあんな風にできるかわからないぞ?」
カイルは唸るようにその腕前を称賛した。
樹冠脚竜に限らず火属性の魔力を持った魔物は力が強い傾向にありますが、それを完全に抑え込むとなると魔力が魔術による身体強化が必要です。
カイルでも難しいと言うそれを二十にも満たないあの歳で完璧にこなすなんて……いったいどれほどの鍛錬を積めばできるようになるのでしょうか。
ここで、アゼル君の背後に回っていた樹冠脚竜が走り出す。角を前へ突き出したまま、音もなくされど凄まじい速度で突進する樹冠脚竜に対しアゼル君は――一切見向きもせずにしゃがみ込み、今しがた倒した樹冠脚竜の死体にまた何かをしていました。
「危ない!」
背後から樹冠脚竜が迫っているのに気付いていないのでしょうか。思わず声を上げてしまい、これには流石にリアナさんも含めたCランク冒険者組の全員が助けに入ろうと身を乗り出しました。
しかし、樹冠脚竜の背中から鋭利な棘が飛び出たことで、その先の一歩を留めさせました。
驚きで目を凝らすと、屈んだ状態のままのアゼル君の背中から一本の長槍が伸びており、それが樹冠脚竜の腹から貫いてその身体を僅かに宙に浮かせていました。
さらに言うと、その槍は外套の下から突き破っているのではなく、初めからそのようにデザインであるかのように外套に直接生えているようで――
「【血織刃:七死樹刀】」
アゼル君が小さく呟いたその瞬間、槍に貫かれた樹冠脚竜の身体からいくつもの刃が芽を出した。
それらはまるで、成長する木のように急速に伸びていき――
「なっ!」
「これは……」
「うぅ……」
「っ………」
「ま、さか……」
成長しきった樹の枝に花が咲くが如く、樹冠脚竜の身体は破裂したかのように、無数の肉片に切り刻まれ、その辺り一帯に血の雨を降らせた。
その壮絶な光景に、私は思わず口元を抑える。他の人も顔を強張らせたり青ざめたりしています。唯一アゼル君をよく知るフィリア様だけが、顔を青ざめながらも何かに思い至ったのか目を驚愕に見開いていました。
そんな彼女の様子に気付いたリアナさんが、その疑問を解消するべく口を開く。
「ねえ、フィリア。なんでアゼルはあんな……」
しかし、リアナさんの言葉はそれ以上は続きませんでした。
私たちの視線の先にいるアゼル君が、血の雨が降る中ゆっくりと立ち上がる。その片手で握られていた剣の柄は今度は、両手でしっかりと握られており、その刀身には眉間を貫かれた樹冠脚竜の死体が付いたままでした。
その身体からは先ほど背中で弾けた樹冠脚竜と同様、無数の刃が芽を覗かせており――
「おいおい、マジかよあいつ⁉」
カイルの驚愕に応えるように、アゼル君はその手に握った剣を樹冠脚竜ごと振るう。
先と同じように樹冠脚竜はまたも細かく切り刻まれ、しかし先ほどよりも遠い範囲まで血肉が飛び散り、地面やまだ生きている樹冠脚竜の身体にかかる。
そして露わになったのは、左右に生えた切っ先に無数の細い枝が伸びた六本の枝刃。中央に伸びる元の剣先を含めると計七本の刃が生えた異形の刀身。
明らかに元の形状よりも長く、そして歪に変形したその刀身に私は固唾を飲み込もうとして……しかし失敗しました。
先ほどから死体に何かをしていると思ってはいましたが、まさか剣に固定して振り回すなんて……魔物一体を振り回す豪快さは驚くものがありますが、やはり死体を切り刻む意図がわかりません。
「さて、こんなもんかね」
その時、アゼル君がこちらに視線を向けました。おそらく私たちの様子を窺ったのでしょうが、その瞳を見た時私の背筋に冷たいものが走りました。この惨状を作り出しておきながら、その瞳からは何の感情も読み取ることはできなかったからです。
そしてそれは樹冠脚竜も同じようだったようで、彼らは怯んだように後ずさりました。
「悪いが、逃がさんよ」
彼がそう言うと、強烈な異臭が鼻を突く。同時に、視線が不自然なまでにアゼル君へと吸い寄せられ、また異様なまでの空腹感を覚えた。
「な、なんで……」
その明らかな異常に私は混乱する。一瞬前までは空腹どころか吐き気を感じていたというのに何故……。
周りを見れば皆も似たような症状を感じたようで、口元やお腹に手を当てていました。
まるで涎を拭うように。はたまた鳴った腹の虫を隠すように。
この症状は魔物である樹冠脚竜も同じように感じたようで、不利を悟って逃げ腰だったはずの樹冠脚竜たちが、突如として戦意を取り戻し狩りの姿勢へと戻ったのです。
「狩りをしたばかりで腹がいっぱいかと思ったが……なんだ、存外効くじゃないか。デザートは別腹、みたいなものか?」
その呟きが耳に届いた時、私はほぼ直感的に選んだ魔術を使用した。
「――【臭香の封域】!」
結界が私たちを囲むと周囲に漂っていた異臭が消え、それと同時に私たちの空腹感も治まった。
【臭香の封域】――水属性中級魔術であり、ここに来る前に使用した【香消】の範囲版とも言える魔術です。
普段は野営地から出た匂いを外敵から隠すために使っているのですが……やはりあの突然の空腹感は、あの臭いが原因だったようですね。
おそらく臭いを媒介にした術式なのでしょうが、まさか魔物だけでなく人の意識にまで干渉するとは……ともすれば禁忌級に該当しますよ、これ。
私が密かに冷や汗をかいている間にも、戦闘はどんどんと複雑化していく。
今度は複数の樹冠脚竜がアゼル君を取り囲み、四方から攻撃を仕掛ける。樹冠脚竜もアゼル君を脅威だと理解したのか無闇に近寄ろうとはせず、正面に立った個体が牽制しつつ背後に回った個体が隙を狙って攻撃する戦い方に変わった。
「【絡繰蜘蛛】【鎌首】」
それに対してアゼル君のとった対応は、またも常軌を逸した。
樹剣の輪郭がグニャリと歪み、瞬きの間に巨大な鎌へと姿を変える。同時にアゼル君の背中からは剣と同じ鎌のような形の脚が六本生えた。
まるで巨大な蜘蛛が人になったような姿になったアゼル君が動き出す。それはもはや、人間が行う戦いだとは思えなかった。
手に握った鎌を振るえば前方の樹冠脚竜の首が纏めて落ち、背中から生えた六の蜘蛛脚が意志を持つかのように後方の樹冠脚竜を斬り刻む。
決死の覚悟で突撃してくる個体には大槌に変形させた剣で叩き潰し、左右から強襲する個体には背中の脚を槍にして貫き、また戦斧にして真っ二つに裂く。
運良く攻撃を避けたり、走り回って距離を取ろうとする個体もいましたが、アゼル君は腰のポーチから赤色の包帯を取り出すと、それは鞭のようにしなり樹冠脚竜を拘束し、動きが止まった隙に手に持った大鎌で首を刎ね、その斬首の余韻で鎌を赤い弓矢に変形し遠方の個体を射抜く。
ここまでくると樹冠脚竜の何体かはまた戦意を衰えさせてたたらを踏みますが、そうやって動きを止めた個体は地面から突如生えた刃によって脚貫かれました。
脚を負傷した樹冠脚竜はそのまま地面に倒れ込み、そのまま地獄と化した刃の原に身体を貫かれて、苦しむ間も僅かに絶命する。
そうやって一体、また一体……時には同時に三体と、次々と死体が積み上がり、辺り一帯が真っ赤に染まっていく。
そうやって倒されていく樹冠脚竜の数が増えていくにつれ、魔術師である私はあることに気付きました。
いくつかの死体や地面の至る所にアゼル君の魔力が浸透している。もっと詳しく言えば、魔力が浸透しているのは決まって大量の血液が付着したところで、それそこからしか刃は生えてきていない。
「まさか……血液、なんですか?」
その呟きに応えるかのように、いくつもの血溜まりが盛り上がった。
踝にも届かないような小さく柔らかだった草葉が、強靭な鎖となって樹冠脚竜を捕らえ、触れれば朽ちるような枯れ枝が、命を刺し貫く無数の刃へ変化する。それ以外にもアゼル君は、腰のポーチから血に染まった布を取り出してはそれを鞭や縄のように扱ったりする。
「アレが……アイツの、固有魔術なの?」
「そうよ。これが、アゼルが隠したがった固有魔術の発動条件……」
リアナさんとフィリア様の会話がどこか遠くに聞こえる。
変形する剣に、六の触手が生えた外套、刃と化す血に濡れた草木と、空腹を煽る異臭……その豊富すぎる攻撃手段を以て、アゼル君は二十匹もいる魔物の群れに難なく対応する。
幾多もの死体を積み上げ、返り血を拭うこともせず、それどころか進んで血を浴びるその姿はまるで、あの伝説に語られる――
「血塗れ、夜王……」
無意識に自身の口から零れたあのおとぎ話の魔王の名前を聞いた時、私はようやく彼という人間を理解できたような気がした。
まるで散歩にでも出かけているかのように、のんびりとした足取りで樹冠脚竜の群れの中心へ向かうアゼル君の後ろ姿を見守りながら、私はいつでも助けに入れるように魔術の用意をする。
彼には手を出さないと欲しいと言われていましたが、あの数が相手では万が一ということも考えられる。カイルとエマも同じ考えなのか、二人もそれぞれの武器に手を添えている。
「リアナ、いちおう覚悟はしておいて」
遠ざかっていくアゼル君の背中を見やりながら、フィリア様は唐突にそう言いました。
「覚悟?」
「うん。多分いまから、とんでもないことすると思う。具体的に何をするかは私もわからないけど……なんだかアゼル、覚悟を決めたような顔してたから」
あの夜と同じ――と、なにやら不思議なことを言いました。
それ以上のことは言う様子はなく、私は注意を戦場に向け直しました。
樹冠脚竜のランクは単体でDランク。
このDというランクがどれほどの危険度かと言うと、戦闘の訓練をある程度積んだ人でなければ対処できないレベルです。逆を言えば、訓練を積んでいないような人――それこそ、剣を握ったばかりの新人が一対一で戦った場合では負ける可能性があるということです。
その中でも樹冠脚竜は単純な強さはさることながら、群れと連携して狩りをするほどの知能の高さを持つ、とても厄介な魔物です。
同じDランクの冒険者でもこの数が相手ではパーティーで連携しながら戦わなければ危険です。ましてや、先日冒険者登録をしたばかりのFランクの新人がひとりで相手をするなんてありえない。
本来であればベテランの私たちが止めるべき事ですが、それでもカイルやエマが何も言わずに送り出したのは、やはりこの前のロスウェル村での体験が原因でしょう。
私がどこかで病原体を貰ったために休まざるを得なかったロスウェル村の依頼。
その仕事から帰ってきた二人は、土産話としてそこで出会った人たちのことを色々話してくれましたが、その中でも異彩を放っていた話の一つがアゼル君に関しての話でした。
固有魔術の使い手で、魔物との経験が豊富な狩人。嘘か真か、そこに現れたAランク喰血哭を拘束してみせ、挙句村の兵士と共に戦い勝利して見せたという。
彼が居たおかげで生きて帰ってこられたと二人は言っていましたし、少なくとも助けられたのは事実なのでしょう。それに関しては私も深く感謝しています。
ですが……所詮二人から聞いただけで、私自身はその強さを目にしていない。まるっきり信じていない訳ではないのですが、少し大げさなのではないかという疑念があった。
そんな理由からいつか挨拶をしてみたいと思っていたわけですが、その噂の少年に昨日ついに会うことができました。
しかし、初めて目にしたアゼル君は……正直に言ってしまうと、話で聞いていた以上に冷たい印象を受けました。
私を見るその目は、細めることはしなかったものの強い疑念に染まっていました。いえ……むしろ、疑わし気に細めてくれた方がまだ印象は良かったかもしれません。
目を開いたまま私の上から下、手先から足の動きまで観察する様はまるで、犯罪者の取り調べをする衛兵か、そうでなければ警戒心を露わにする獣か何かでした。
予め二人から、初対面の人に対しては非常に警戒心が強く気難しい性格をしていると聞いていなければ、何故そんな目をされるのかわからず混乱していたでしょう。
幸いすぐにその目つきをすることは止めてくれましたし、少し話をしてみると多少言葉が乱暴なだけで、そこまで性格が悪いというわけではないことがわかりました。
一緒に居たフィリア様もロスウェル子爵の御令嬢ということで少し緊張していましたが、実際に会ってみるとこちらはこちらで聞いていた話以上に愛嬌があり親しみやすい人でした。
そんな一癖も二癖もあるようなアゼル君なわけですが、果たしてAランクの魔物を拘束したというその固有魔術とはいかほどのものなのでしょうか。見るのが少し楽しみでもあります。
「……囲まれたわね。大丈夫なのよね?」
そうこう考えている内に、アゼル君は樹冠脚竜の包囲網の中心に行ってしまったようです。彼の背後には既に樹冠脚竜が回り込んでいますが、魔物の真っ只中に身を置いてもなお彼は剣も身も構えるような様子は見られない。
そんな様子にリアナさんは心配の声を漏らしましたが、私も同じ気持ちです。
彼のその余裕は件の固有魔術にあるのでしょうけど……果たして、本当の特性とはいったい何なのでしょうか?
そんなことを頭の片隅で考えていると、アゼル君の正面に立つ樹冠脚竜が乱暴に角を振るう。
危ないと感じ咄嗟に魔術で助けようと杖を握る手に力を込めた。
「――――え?」
しかし私の心配は、次の瞬間には跡形もなく消えました。
気が付けば樹冠脚竜の頭は首から離れ、僅かに回転しながら宙を舞っていました。
彼の手にはいつの間にか鞘から抜き放たれた剣が握られており、その赤黒い刀身から一目でその剣が普通の物ではないことがわかる。
そこまで確認してようやく、私は彼が剣を抜いて樹冠脚竜の首を刎ねたのだと理解した。
「うそっ……」
エマの小さな驚きが耳に入る。きっと私と同様、剣を抜く瞬間を捉えられなかったのでしょう。同時に、何をしたのかを知り更に驚く。
アゼル君は警戒しているはずの樹冠脚竜に何の気もなしに近付いて、そして樹冠脚竜だけでなく私たちまでも視認できないほどの速さで、鞘から剣を抜くと同時に断首の一太刀を入れたのです。いつでも助けられるようにと、十全に警戒をしていたCランク冒険者の目にも留まらない速さで、です。
「身体強化? それともあれも固有魔術によるもの?」
この時点で私は初めて彼の実力の高さを実感することができました。
しかし真に驚愕するのはその後の光景でした。
「え……なん、で?」
いえ……戦慄、と表現すべきでしたね。
アゼル君は振り上げた剣をそのまま上段まで運び、既に頭を失い後はただ地に崩れゆくだけの身体に向かって振り下ろしました。
普通の剣では刀身の関係で不可能なはずですが、彼が振り下ろした後には樹冠脚竜の身体は、魚を開くが如く縦に両断されその内側は外に晒されました。
はっきり言って、理解ができない。
首を断たれた時点で樹冠脚竜は死んでいたのだから、次に剣を向けるべきは別の個体であるべきです。
しかしアゼル君はそうはせず、無駄に死体を痛めつけてしまいました。
それは初めて剣を握った新人冒険者が、相手が絶命しているのに気付かず無為に剣を振るってしまうような一種の錯乱状態にも似ていましたが、あのような見事な一太刀を振るったアゼル君がそんな素人じみたことをするはずはありません。
であるならばその行動は意図的なものであると考えられますが、だからこそ無駄な行動をした意図が理解できない。
案の定、その無駄な一手のせいで相手に反撃の隙を与えてしまったようです。
「――キシャアァァ!」
左前方にいた樹冠脚竜が仲間が殺されたことを一拍置いて気付き、怒ったようにその角を振り上げる。
樹冠脚竜の角は頭蓋から伸びた強力な武器であり、そこには樹冠脚竜が持つ火属性の魔力がたっぷりと込められている。
この角を用いた頭突きは人間の腹をやすやすと貫く威力があり、魔術による防御も鎧などの防具もない状態では危険です。
「グゥッ⁉ ググ……ギィ……」
しかしアゼル君は躱すでも逃げるわけでもなく、迎え撃つような形で剣を樹冠脚竜の眉間に突き立て、膂力だけでその突進を完全に受け止めてみせた。
剣が突き立てられた瞬間、くぐもった声と共に樹冠脚竜の身体から急速に力が抜けていき、一匹目と同様にその場に崩れ落ちた。
「……凄まじい技量だな。Dランク魔物とは言え、俺でもあんな風にできるかわからないぞ?」
カイルは唸るようにその腕前を称賛した。
樹冠脚竜に限らず火属性の魔力を持った魔物は力が強い傾向にありますが、それを完全に抑え込むとなると魔力が魔術による身体強化が必要です。
カイルでも難しいと言うそれを二十にも満たないあの歳で完璧にこなすなんて……いったいどれほどの鍛錬を積めばできるようになるのでしょうか。
ここで、アゼル君の背後に回っていた樹冠脚竜が走り出す。角を前へ突き出したまま、音もなくされど凄まじい速度で突進する樹冠脚竜に対しアゼル君は――一切見向きもせずにしゃがみ込み、今しがた倒した樹冠脚竜の死体にまた何かをしていました。
「危ない!」
背後から樹冠脚竜が迫っているのに気付いていないのでしょうか。思わず声を上げてしまい、これには流石にリアナさんも含めたCランク冒険者組の全員が助けに入ろうと身を乗り出しました。
しかし、樹冠脚竜の背中から鋭利な棘が飛び出たことで、その先の一歩を留めさせました。
驚きで目を凝らすと、屈んだ状態のままのアゼル君の背中から一本の長槍が伸びており、それが樹冠脚竜の腹から貫いてその身体を僅かに宙に浮かせていました。
さらに言うと、その槍は外套の下から突き破っているのではなく、初めからそのようにデザインであるかのように外套に直接生えているようで――
「【血織刃:七死樹刀】」
アゼル君が小さく呟いたその瞬間、槍に貫かれた樹冠脚竜の身体からいくつもの刃が芽を出した。
それらはまるで、成長する木のように急速に伸びていき――
「なっ!」
「これは……」
「うぅ……」
「っ………」
「ま、さか……」
成長しきった樹の枝に花が咲くが如く、樹冠脚竜の身体は破裂したかのように、無数の肉片に切り刻まれ、その辺り一帯に血の雨を降らせた。
その壮絶な光景に、私は思わず口元を抑える。他の人も顔を強張らせたり青ざめたりしています。唯一アゼル君をよく知るフィリア様だけが、顔を青ざめながらも何かに思い至ったのか目を驚愕に見開いていました。
そんな彼女の様子に気付いたリアナさんが、その疑問を解消するべく口を開く。
「ねえ、フィリア。なんでアゼルはあんな……」
しかし、リアナさんの言葉はそれ以上は続きませんでした。
私たちの視線の先にいるアゼル君が、血の雨が降る中ゆっくりと立ち上がる。その片手で握られていた剣の柄は今度は、両手でしっかりと握られており、その刀身には眉間を貫かれた樹冠脚竜の死体が付いたままでした。
その身体からは先ほど背中で弾けた樹冠脚竜と同様、無数の刃が芽を覗かせており――
「おいおい、マジかよあいつ⁉」
カイルの驚愕に応えるように、アゼル君はその手に握った剣を樹冠脚竜ごと振るう。
先と同じように樹冠脚竜はまたも細かく切り刻まれ、しかし先ほどよりも遠い範囲まで血肉が飛び散り、地面やまだ生きている樹冠脚竜の身体にかかる。
そして露わになったのは、左右に生えた切っ先に無数の細い枝が伸びた六本の枝刃。中央に伸びる元の剣先を含めると計七本の刃が生えた異形の刀身。
明らかに元の形状よりも長く、そして歪に変形したその刀身に私は固唾を飲み込もうとして……しかし失敗しました。
先ほどから死体に何かをしていると思ってはいましたが、まさか剣に固定して振り回すなんて……魔物一体を振り回す豪快さは驚くものがありますが、やはり死体を切り刻む意図がわかりません。
「さて、こんなもんかね」
その時、アゼル君がこちらに視線を向けました。おそらく私たちの様子を窺ったのでしょうが、その瞳を見た時私の背筋に冷たいものが走りました。この惨状を作り出しておきながら、その瞳からは何の感情も読み取ることはできなかったからです。
そしてそれは樹冠脚竜も同じようだったようで、彼らは怯んだように後ずさりました。
「悪いが、逃がさんよ」
彼がそう言うと、強烈な異臭が鼻を突く。同時に、視線が不自然なまでにアゼル君へと吸い寄せられ、また異様なまでの空腹感を覚えた。
「な、なんで……」
その明らかな異常に私は混乱する。一瞬前までは空腹どころか吐き気を感じていたというのに何故……。
周りを見れば皆も似たような症状を感じたようで、口元やお腹に手を当てていました。
まるで涎を拭うように。はたまた鳴った腹の虫を隠すように。
この症状は魔物である樹冠脚竜も同じように感じたようで、不利を悟って逃げ腰だったはずの樹冠脚竜たちが、突如として戦意を取り戻し狩りの姿勢へと戻ったのです。
「狩りをしたばかりで腹がいっぱいかと思ったが……なんだ、存外効くじゃないか。デザートは別腹、みたいなものか?」
その呟きが耳に届いた時、私はほぼ直感的に選んだ魔術を使用した。
「――【臭香の封域】!」
結界が私たちを囲むと周囲に漂っていた異臭が消え、それと同時に私たちの空腹感も治まった。
【臭香の封域】――水属性中級魔術であり、ここに来る前に使用した【香消】の範囲版とも言える魔術です。
普段は野営地から出た匂いを外敵から隠すために使っているのですが……やはりあの突然の空腹感は、あの臭いが原因だったようですね。
おそらく臭いを媒介にした術式なのでしょうが、まさか魔物だけでなく人の意識にまで干渉するとは……ともすれば禁忌級に該当しますよ、これ。
私が密かに冷や汗をかいている間にも、戦闘はどんどんと複雑化していく。
今度は複数の樹冠脚竜がアゼル君を取り囲み、四方から攻撃を仕掛ける。樹冠脚竜もアゼル君を脅威だと理解したのか無闇に近寄ろうとはせず、正面に立った個体が牽制しつつ背後に回った個体が隙を狙って攻撃する戦い方に変わった。
「【絡繰蜘蛛】【鎌首】」
それに対してアゼル君のとった対応は、またも常軌を逸した。
樹剣の輪郭がグニャリと歪み、瞬きの間に巨大な鎌へと姿を変える。同時にアゼル君の背中からは剣と同じ鎌のような形の脚が六本生えた。
まるで巨大な蜘蛛が人になったような姿になったアゼル君が動き出す。それはもはや、人間が行う戦いだとは思えなかった。
手に握った鎌を振るえば前方の樹冠脚竜の首が纏めて落ち、背中から生えた六の蜘蛛脚が意志を持つかのように後方の樹冠脚竜を斬り刻む。
決死の覚悟で突撃してくる個体には大槌に変形させた剣で叩き潰し、左右から強襲する個体には背中の脚を槍にして貫き、また戦斧にして真っ二つに裂く。
運良く攻撃を避けたり、走り回って距離を取ろうとする個体もいましたが、アゼル君は腰のポーチから赤色の包帯を取り出すと、それは鞭のようにしなり樹冠脚竜を拘束し、動きが止まった隙に手に持った大鎌で首を刎ね、その斬首の余韻で鎌を赤い弓矢に変形し遠方の個体を射抜く。
ここまでくると樹冠脚竜の何体かはまた戦意を衰えさせてたたらを踏みますが、そうやって動きを止めた個体は地面から突如生えた刃によって脚貫かれました。
脚を負傷した樹冠脚竜はそのまま地面に倒れ込み、そのまま地獄と化した刃の原に身体を貫かれて、苦しむ間も僅かに絶命する。
そうやって一体、また一体……時には同時に三体と、次々と死体が積み上がり、辺り一帯が真っ赤に染まっていく。
そうやって倒されていく樹冠脚竜の数が増えていくにつれ、魔術師である私はあることに気付きました。
いくつかの死体や地面の至る所にアゼル君の魔力が浸透している。もっと詳しく言えば、魔力が浸透しているのは決まって大量の血液が付着したところで、それそこからしか刃は生えてきていない。
「まさか……血液、なんですか?」
その呟きに応えるかのように、いくつもの血溜まりが盛り上がった。
踝にも届かないような小さく柔らかだった草葉が、強靭な鎖となって樹冠脚竜を捕らえ、触れれば朽ちるような枯れ枝が、命を刺し貫く無数の刃へ変化する。それ以外にもアゼル君は、腰のポーチから血に染まった布を取り出してはそれを鞭や縄のように扱ったりする。
「アレが……アイツの、固有魔術なの?」
「そうよ。これが、アゼルが隠したがった固有魔術の発動条件……」
リアナさんとフィリア様の会話がどこか遠くに聞こえる。
変形する剣に、六の触手が生えた外套、刃と化す血に濡れた草木と、空腹を煽る異臭……その豊富すぎる攻撃手段を以て、アゼル君は二十匹もいる魔物の群れに難なく対応する。
幾多もの死体を積み上げ、返り血を拭うこともせず、それどころか進んで血を浴びるその姿はまるで、あの伝説に語られる――
「血塗れ、夜王……」
無意識に自身の口から零れたあのおとぎ話の魔王の名前を聞いた時、私はようやく彼という人間を理解できたような気がした。
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