では、復讐するか

らがまふぃん

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14 真相1

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「キミの望みを、家の名に誓う。だから私は偽りの身分を捨て、にいる」
スウィーディーの心臓は、早鐘のようだった。

自分のために身分を明かし、自分のためにすべてをかける。
コノアが、いいえ、ノヴァが、あたしのためだけに!

「の、ノヴァ、ごめんなさい。私、私のためにすべてを捨てる覚悟でいてくれたあなたに、酷いことを」
勘違いで罵声を浴びせてしまったことに、スウィーディーは涙を浮かべた。そんなスウィーディーに、
「泣くな」
そうノヴァは声をかけた。スウィーディーは、酷いことを言ってしまった自分を慰めてくれることに一瞬驚き、すぐに嬉しそうに笑った。
だが。

「キミの涙に価値はない」

続いた言葉に、スウィーディーは笑顔のまま固まった。
会場中も、一瞬静まり返る。そして、どういうことかと動揺するみんなに、ノヴァは片方の手のひらを向けて、話を聞くよう促す。

「そもそも私がこの学園にやって来た理由は、スウィーディー・オプト伯爵嬢を見極めるためだ」

貴族だというのに、貴族の常識を持ち合わせていない子女。そんな人間が王族に近付いて来たら、警戒をするのは当然だ。目的は何か、背後関係はどうなっている、接近をしてきた時期は何かと関係があるのか。
これまで以上に国内の、世界中の情報に目を光らせ、情勢も見極め、正体を探っていることを知られないように動き。
「オプト嬢の言動から、何が狙いなのかを探るため、私が直接関わることにした」
朗々と語られる内容に、会場中が耳を傾ける。
「オプト嬢にも言ったが、私は自分の目で見て感じたことしか信じない。私の目で見たオプト嬢は」
一旦言葉を区切り、スウィーディーに視線を向けた。

「詐欺師のようだ」

ザワリと空気が揺れた。
「貴族として常識のない振る舞いをしているのは、偽りだ。キミは、貴族としての振る舞いをきちんと理解している。孤立するために、わざと常識外れの行動をしているんだ」
ノヴァの言葉に、会場が、何故そんなことを、とざわめく。

「常識外れであるから、孤立していてもおかしくない。嫌がらせを受けていてもおかしくない。陰で嗤われていても、理不尽な目に遭っても、陥れられても、おかしくない。
そういう状況下にいれば、色々なトラブルに見舞われても、おかしくはないのだ。

だとしても、誰もわからない」

彼女を嫌う誰かがやったのだろう。

そう嗤われるだけ。
「こうしてキミは、トラブルに遭いやすい立場を手に入れた。だから従兄上あにうえたちの前で、わざと困っている状況を作り上げても、問題はなかった。

従兄上たちに、従兄上に、近付くためだけに、キミはそう行動した」

リスランに近付けるなら、どんな手段も厭わない。
そのために、スウィーディーは、動いた。

「キミの流す涙も偽物。何度かキミの涙を特殊なハンカチに吸わせ、成分を分析した。流す涙は感情によって、実は違う。キミの涙を分析した結果、どんな感情の時に流したものでも、成分が一致した。どういうことか、わかるな」
つまりスウィーディーは、感情に関係なく、自在に涙を操れる。

スウィーディーは俯いている。どんな表情をしているかわからない。けれど、ノヴァは構うことなく続ける。

「人に誤解を与える言動も多い」
元気いっぱいに話をしているようにして、実際は周囲に聞かせている。誤解をしてもらうために。
ノヴァは、こんな声を聞いた。

“はい。あの雑貨屋さん、可愛いものいっぱいでしたよね。また行きたいです”

これだけ聞くと、話をしている人と一緒に行ったように思える。前後の会話があまり聞こえないので、誤解を招くのだ。
しかし、ノヴァは耳が良かった。



*つづく*
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