27 / 93
本編
泣かないで。
しおりを挟む
私は、エージュの部屋に駆け込んだ。まだ眠っていなかったらしく、呼びかけたらすぐに扉を開いてくれた親友の胸に飛び込んだ――やわらかい。十六歳にして完成された肢体を持っている……!
「どうしたの、アリー」
軽い驚きを含みつつも、優しい声で問いかけられ――私は、はっとしてエージュの胸の谷間から顔を上げた。
「私がミレイでアレクシアになって、でももうリヒト殿下のルートに入りそうなの!」
「……落ち着いて。最初から話して」
扉を閉めて、室内に私に招き入れると、エージュは飲み物の用意をしてくれた。温かな紅茶は、睡眠前にはよくないのかもしれないけど、少しだけブランデーを入れていたから、ナイトキャップになるのかな。よくわからない。そして、エージュがブランデーを常備している理由も、わからない。聞いてはいけない気がする。
「……私の中に、元々のアレクシアがいたの。私達は元々同じ魂……ではないけど、近い存在なんだって。それで、ローランのの咒で解放されたから、別の人生を生きてみたいって輪廻転生の輪に割り込んだの」
「前向きね」
荒唐無稽な話を一言で受け入れ、エージュは私に続きを促した。
「私の名前は美玲――ミレイで。今、リヒト殿下からの好感度が、最高レベルの八割に達してるって……」
「あなたがミレイ……女神かもしれないということ? そして、何故かリヒト殿下との未来を迎えそうになっている状態なのね?」
的確な分析に、私はこくこく頷いた。嫌だ、リヒト殿下は嫌いではないけどシスコン過ぎるし、何より私はローランが好きだ。更に言うなら、リヒト殿下との未来にはあの従兄がくっついてくる。御免です。
「わたくしとしては、歓迎しなくもない展開よ。あなたが、わたくしのお義姉さまになるもの」
「エージュ!?」
見捨てないでと訴えると、エージュは冗談よと笑った。冗談に聞こえる冗談を言ってほしい。
「どこでリヒト殿下に好意を持たれたのか、全然わからないから余計に怖くて」
「見知らぬ相手に、いきなり愛していると言われる恐怖がわかった?」
エージュは、今までこんな恐怖に耐えていたのか……大変だっただろうなあ。
「悲観しなくても、リヒト殿下があなたに好意を抱いたポイントはわかるわよ?」
考えるまでもないと、エージュは言った。
リヒト殿下の性格。シスコン。裏も空気も読まない、猪突猛進系。つまり単純。
「答えは出ているでしょう? わたくしを、庶出の王女――リヒト殿下の妹だと未来視したのはあなた。そして、わたくしがあなたを頼りにしていることは、散々アピールしてきたわ。だから、単純なリヒト殿下は「妹があんなに信頼しているアレクシアは、よい姫だ」と好印象を持った。好意を持っている相手の言動は、すべてよい方向に解釈できるものよ」
神竜王の召喚に成功し、けれど国の為の道具にはしないと国王陛下に言ってのけた無礼も、リヒト殿下にとっては「何と純粋で、自分を飾らない姫なのか。信頼に足る人だ」に変換される。
女神召喚阻止の計画を聞いて、即座に頷かなかったことも「物事を深く考えるからだ。即断即決な自分には、アレクシアのように慎重な人がいてくれた方がいい」になる。
――それは、いい意味での錯覚と誤解ではないだろうか。
「恋に恋する王太子殿下、といったところね。本当に異性を好きになったことがないから、好ましいと感じたあなたへの気持ちを、恋だと思っているのではないかしら」
エージュは、「それでもいいのではない?」と笑った。
「王太子の結婚だもの。恋や相互理解が必要なわけではないわ。リヒト殿下があなたを好ましいと思っていて、あなたもそれに応えるつもりなら、問題はないのよ」
「大ありです。私はローランがいいの」
「あら。ミレイに譲ると言っていたくせに」
ツンツンと、意地悪く突っ込まれて、私は言い返せない。あの時は、それが最善だと思ったんだもの。まさかローラン自身が、前世の恋は前世のものだと割り切っているなんて思わなかったし。
「前世からの恋人というのも、乙女の憧れではあるわね。けれど、前世も現世も来世も、ずっと同じ人を愛し続けられるかと訊かれたら、わたくしは無理だわ」
「そうなの?」
「シュラウス将軍と結婚したいとは思っているけれど、シェーンベルク大公殿下からお申込みがあったら、そちらを取る程度の気持ちだもの」
あ、恋より本なんですね。干物女子だものね、わかります。
「……ねえ、アリー。わたくしの王女としての披露目の日まで、我慢してくれるかしら。リヒト殿下のお気持ちを逸らせるかもしれないわ」
古書や禁書が山ほどあるというローゼンヴァルト宮に思いを馳せていたエージュは、解決策を見つけたらしい。
「それまでは、リヒト殿下には接しないようになさい。神殿の方には、レフィアス様にお会いしに行くのでしょう? 行き帰りには気をつけるのよ」
「シルヴィス辺りに相談するとかは? あの人、リヒト殿下の恋なら全力で叩き潰してくれそうだし」
「そのシルヴィス様の好感度も、五割なんでしょう。下手に好意を深められたらどうするの」
一長一短。あちらを立てればこちらが立たない。私は、シルヴィス頼りは諦めることにした。確かに、ヤンデレ化するクール男子に近づくのは危険だし。
「シュラウス将軍とオリヴィエはシルハークに発ったらしいから、しばらくは会わずに済むでしょうし、好感度とやらも問題ないと思うわ。好感を持っているという程度のようだし」
「リヒト殿下はともかく、シルヴィスにそんなに好かれる理由がわからない」
「簡単よ。リヒト殿下が、あなたを気に入っているからだわ」
リヒトが好きなもの(私)は、自分も好き。話題を共有できるから。でも、好き過ぎるもの(エージュ)は嫌い。リヒトを独占できないから。
そういうことでしょ、とエージュは冷淡に言った。シルヴィスって、価値基準を、全部「リヒト殿下」に置いているんだなあ……。
「さ、不毛な会話はこれくらいにして、もう休みましょう」
ベッドを整え直しながら、エージュが言う。一緒に寝てくれるの? どうして?
疑問を口にした私に、彼女はやれやれと肩を竦めた。
「だってあなた、さっきからずっと泣いているもの」
「え」
「アレクシアがいなくなったことが、そんなに淋しいの?」
「……それは違うと思う」
私は、アレクシアが私の中にいることに気づいてなかったんだもの。いなくなったからって、淋しいと思う理由はない。
だけど――私の頬が、涙に濡れているのは事実だ。
アレクシアはああ言ってくれたけれど、彼女からこの体と家族、すべてを奪ってしまったという後ろめたさがあるのも、否定できない。
「泣き虫な、わたくしのアリー。大丈夫よ。アレクシアは大丈夫。あなたと似た魂なら、わたくしと似た魂の誰かが、アレクシアを好きになるわ」
ベッドの上に座り、私とこつんと額を合わせて、エージュはやわらかく言い聞かせる。さらさらの銀髪が零れ落ちて、シーツの上に銀の光を作った。
「きっと、出逢うわ」
「……エージュ」
「だから泣かないで、わたくしの大好きなアリー」
子守唄のように囁いて、エージュは私に額に口唇を押しあてた。
「どうしたの、アリー」
軽い驚きを含みつつも、優しい声で問いかけられ――私は、はっとしてエージュの胸の谷間から顔を上げた。
「私がミレイでアレクシアになって、でももうリヒト殿下のルートに入りそうなの!」
「……落ち着いて。最初から話して」
扉を閉めて、室内に私に招き入れると、エージュは飲み物の用意をしてくれた。温かな紅茶は、睡眠前にはよくないのかもしれないけど、少しだけブランデーを入れていたから、ナイトキャップになるのかな。よくわからない。そして、エージュがブランデーを常備している理由も、わからない。聞いてはいけない気がする。
「……私の中に、元々のアレクシアがいたの。私達は元々同じ魂……ではないけど、近い存在なんだって。それで、ローランのの咒で解放されたから、別の人生を生きてみたいって輪廻転生の輪に割り込んだの」
「前向きね」
荒唐無稽な話を一言で受け入れ、エージュは私に続きを促した。
「私の名前は美玲――ミレイで。今、リヒト殿下からの好感度が、最高レベルの八割に達してるって……」
「あなたがミレイ……女神かもしれないということ? そして、何故かリヒト殿下との未来を迎えそうになっている状態なのね?」
的確な分析に、私はこくこく頷いた。嫌だ、リヒト殿下は嫌いではないけどシスコン過ぎるし、何より私はローランが好きだ。更に言うなら、リヒト殿下との未来にはあの従兄がくっついてくる。御免です。
「わたくしとしては、歓迎しなくもない展開よ。あなたが、わたくしのお義姉さまになるもの」
「エージュ!?」
見捨てないでと訴えると、エージュは冗談よと笑った。冗談に聞こえる冗談を言ってほしい。
「どこでリヒト殿下に好意を持たれたのか、全然わからないから余計に怖くて」
「見知らぬ相手に、いきなり愛していると言われる恐怖がわかった?」
エージュは、今までこんな恐怖に耐えていたのか……大変だっただろうなあ。
「悲観しなくても、リヒト殿下があなたに好意を抱いたポイントはわかるわよ?」
考えるまでもないと、エージュは言った。
リヒト殿下の性格。シスコン。裏も空気も読まない、猪突猛進系。つまり単純。
「答えは出ているでしょう? わたくしを、庶出の王女――リヒト殿下の妹だと未来視したのはあなた。そして、わたくしがあなたを頼りにしていることは、散々アピールしてきたわ。だから、単純なリヒト殿下は「妹があんなに信頼しているアレクシアは、よい姫だ」と好印象を持った。好意を持っている相手の言動は、すべてよい方向に解釈できるものよ」
神竜王の召喚に成功し、けれど国の為の道具にはしないと国王陛下に言ってのけた無礼も、リヒト殿下にとっては「何と純粋で、自分を飾らない姫なのか。信頼に足る人だ」に変換される。
女神召喚阻止の計画を聞いて、即座に頷かなかったことも「物事を深く考えるからだ。即断即決な自分には、アレクシアのように慎重な人がいてくれた方がいい」になる。
――それは、いい意味での錯覚と誤解ではないだろうか。
「恋に恋する王太子殿下、といったところね。本当に異性を好きになったことがないから、好ましいと感じたあなたへの気持ちを、恋だと思っているのではないかしら」
エージュは、「それでもいいのではない?」と笑った。
「王太子の結婚だもの。恋や相互理解が必要なわけではないわ。リヒト殿下があなたを好ましいと思っていて、あなたもそれに応えるつもりなら、問題はないのよ」
「大ありです。私はローランがいいの」
「あら。ミレイに譲ると言っていたくせに」
ツンツンと、意地悪く突っ込まれて、私は言い返せない。あの時は、それが最善だと思ったんだもの。まさかローラン自身が、前世の恋は前世のものだと割り切っているなんて思わなかったし。
「前世からの恋人というのも、乙女の憧れではあるわね。けれど、前世も現世も来世も、ずっと同じ人を愛し続けられるかと訊かれたら、わたくしは無理だわ」
「そうなの?」
「シュラウス将軍と結婚したいとは思っているけれど、シェーンベルク大公殿下からお申込みがあったら、そちらを取る程度の気持ちだもの」
あ、恋より本なんですね。干物女子だものね、わかります。
「……ねえ、アリー。わたくしの王女としての披露目の日まで、我慢してくれるかしら。リヒト殿下のお気持ちを逸らせるかもしれないわ」
古書や禁書が山ほどあるというローゼンヴァルト宮に思いを馳せていたエージュは、解決策を見つけたらしい。
「それまでは、リヒト殿下には接しないようになさい。神殿の方には、レフィアス様にお会いしに行くのでしょう? 行き帰りには気をつけるのよ」
「シルヴィス辺りに相談するとかは? あの人、リヒト殿下の恋なら全力で叩き潰してくれそうだし」
「そのシルヴィス様の好感度も、五割なんでしょう。下手に好意を深められたらどうするの」
一長一短。あちらを立てればこちらが立たない。私は、シルヴィス頼りは諦めることにした。確かに、ヤンデレ化するクール男子に近づくのは危険だし。
「シュラウス将軍とオリヴィエはシルハークに発ったらしいから、しばらくは会わずに済むでしょうし、好感度とやらも問題ないと思うわ。好感を持っているという程度のようだし」
「リヒト殿下はともかく、シルヴィスにそんなに好かれる理由がわからない」
「簡単よ。リヒト殿下が、あなたを気に入っているからだわ」
リヒトが好きなもの(私)は、自分も好き。話題を共有できるから。でも、好き過ぎるもの(エージュ)は嫌い。リヒトを独占できないから。
そういうことでしょ、とエージュは冷淡に言った。シルヴィスって、価値基準を、全部「リヒト殿下」に置いているんだなあ……。
「さ、不毛な会話はこれくらいにして、もう休みましょう」
ベッドを整え直しながら、エージュが言う。一緒に寝てくれるの? どうして?
疑問を口にした私に、彼女はやれやれと肩を竦めた。
「だってあなた、さっきからずっと泣いているもの」
「え」
「アレクシアがいなくなったことが、そんなに淋しいの?」
「……それは違うと思う」
私は、アレクシアが私の中にいることに気づいてなかったんだもの。いなくなったからって、淋しいと思う理由はない。
だけど――私の頬が、涙に濡れているのは事実だ。
アレクシアはああ言ってくれたけれど、彼女からこの体と家族、すべてを奪ってしまったという後ろめたさがあるのも、否定できない。
「泣き虫な、わたくしのアリー。大丈夫よ。アレクシアは大丈夫。あなたと似た魂なら、わたくしと似た魂の誰かが、アレクシアを好きになるわ」
ベッドの上に座り、私とこつんと額を合わせて、エージュはやわらかく言い聞かせる。さらさらの銀髪が零れ落ちて、シーツの上に銀の光を作った。
「きっと、出逢うわ」
「……エージュ」
「だから泣かないで、わたくしの大好きなアリー」
子守唄のように囁いて、エージュは私に額に口唇を押しあてた。
10
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる