乙女ゲームに転生したので、推しの悲恋EDを回避します〜愛され令嬢は逆ハーはお断りです!

神城葵

文字の大きさ
39 / 93
本編

出来すぎなのよ。

しおりを挟む
 シルハーク軍を退けて、和平の交渉は政治家の仕事だとばかりに、私達は王都に戻った。
「役に立たなかった」と凹んでいるローランを励まし、カインやオリヴィエ、アトゥール殿下に国王陛下への報告をお願いして(仮想敵と認識されているなら近づきたくない)、私はやっと屋敷に帰り着いた。普段はロベルト達が出迎えてくれるけれど、今日ばかりはお父様とお母様の姿がある。
 お母様は、泣きながら私を抱き締めた。お父様は、ローランにお礼を言ってるけど、ローランはどう答えていいかわからないらしく、私のコートの後ろリボンをきゅっと握る。

「お父様、お母様。心配かけてごめんなさい」

 お母様は言葉にならないようで、ずっと泣いている。見かねたお父様が、今日はゆっくり休みなさいと言ってくれたので、お母様をぎゅっと抱き締めてから、私は自分の部屋に向かった。

「アレクシア」
「何?」
「私は、役に立たなかった。……もう、いらない?」
「どうしてそうなるの」

 螺旋階段をゆっくり昇っていると、ローランがおずおず問いかけてきた。その内容に私が呆れると、彼は怯えたように長身を竦ませた。

「ごめんなさい、驚いただけよ。怒ってないわ。だから怖がらないで」
「召喚主を守れないものなど……」
「あなたと私は、召喚契約で繋がっているのではないと思っていたけれど、それは私の思い上がり?」
「……違う。私は、召喚されたからではなく、アレクシアだから守りたいと思う」

 でも、できなかったからと、しょんぼりしているローランの頭を撫でた。私の方が一段上にいるのに、それでも手を伸ばさないと届かないわ……。

「守ってくれたわ」
「シルハークを退けたのは、アレクシアとシルハークの王だ」

 これ以上は、部屋に入らないと話せない。使用人達の行き来は今はないけれど、つい漏れ聞こえたら洒落にならない。

「ローラン」

 手を引いて、私の部屋に滑り込む。同時に、防音の魔法を唱えた。
 よくわかっていないローランは、素直に私についてきてくれた。来客用の椅子に座らせて、彼の好きな甘いものがないかと探したら、チョコレート菓子とクッキーが用意されていた。リリーナの仕事ね、ありがとう。

「チョコレートよ。好きでしょ?」
「好きだけれど」

 飲み物がないので、チョコレートを勧めた。後でお茶を持ってきてもらうように頼んで、その時にクッキーをいただこうかな。

「シルハークが退いてくれたのは、その理由を作れたからよ。リーシュもレンファンも、軍を退きたいと思っていた。それができなかったのは、桜華公主がいたから」

 ――新王即位で国内もバタついている時に遠征なんて、馬鹿としか言えません。

 言い切ったレンファンは、「それをこの馬鹿王は」とリーシュに冷たい視線を向けていた。とはいえ、リーシュにその時の記憶はないので、あまり責めてはいなかったけど。

「その桜華公主を完全に人にしてくれたのは、あなたよ。あなたのおかげで、リーシュは軍を退かせる口実ができたの」
「……それも、アレクシアとシルハークの王がそう算段したからだ。私は、ただ、秘術を完成させただけで」
「その、秘術を完成させることが、私達にはできなかったの。あなたにしか、できなかったのよ」

 竜型の時はあんなにも威風堂々としているのに、ローランは基本的に自信が薄い。

「……人型に戻れぬくらいに、魔力を解放することもできずに捕えられた」
「そのおかげで、余計な戦いをせずに、シルハークと和平交渉できることになったわ。ローラン。私、結果がすべてだと言う気はないけど、失敗だけではなく、その先にあるものもちゃんと見て。自分を、認めてあげて」
「…………」

 俯いて、チョコレートの焼き菓子をもそもそと食べているローランの瞳は見えない。

「できなかったことを考えるのも大切だし、そういうローランだから好きなんだけど……ねえ。私、あなたの天幕に行けたのは、あなたが「変化」の魔法を見抜いてくれると信じていたからよ?」
「それは……私は、真実視の力があるから……」
「そのこと、私は知らなかったわ」

 あ、と呟いてローランは顔を上げた。――もう、また口の周りがチョコだらけ。
 ハンカチで拭ってあげると、ごしごしと手の甲で擦る。

「駄目よ、チョコが広がっちゃうでしょ。大人しくなさい」

 私の言葉にこくんと頷く様は、小さな子供みたいでとても可愛い。

「ごめんなさい。真実視のこと、アレクシアに言っていなかった。話したつもりになっていた」
「いいの」

 私がそう言うと、ローランは指を折って数え出した。

「……あと、遠方視とおみ過去視かこみ、それから異界移いかいうつしもできる」
「遠方視と過去視は何となくわかるけど、異界移って?」
「異なる世界のモノを、ここに移せる。召喚とは違って、意志のないモノを。ただ、私がそれについて知らないと移せない」
「いろんなことができるのね」
「神竜だから」

 少しだけ微笑んだローランの髪を、私はできるだけ優しく梳いた。

「そのこと、エージュ以外には秘密よ、ローラン」
「うん。王の姫はアレクシアの為に何でもするけれど、王は違う。自分の為に、アレクシアに何でもさせるつもりだ」

 国王陛下と宰相閣下は、シルハークの侵攻撃退と引き換えに、ローランと私を共倒れさせたかった。だけど、そうはならずに、私達は無事に帰ってきた。――どう出るだろう?
 エージュに会って、相談したい。

 だけど、エージュは既にこの屋敷にはいない。私達が前線に出ている間に、王宮からお召しがあって、内々にではあるけれど「王女」として迎えられた。シルハークとの和平が正式に成立したら、その後はエージュのお披露目だろう。

「……王の姫に、会いたい?」

 ローランは、窺うように私に問いかけてきた。何もできなかったという無力感からは、脱してくれつつあるらしい。

「うん。会いたい」
「アレクシアは、本当に王の姫が好きだ」

 そこに微かな嫉妬を感じて、私は笑った。ローランを好きという気持ちと、エージュへの気持ちは違う。似てはいるけれど、これは恋じゃない。

「そうね。ローランもエージュも、特別だもの」
「遠方視で、王の姫の様子を見る。私が空間を繋げば、会わせてあげられると思う」
「……覗く前に、エージュに声だけ届けられる?」
「やったことはないけれど」
「試してみて。着替えていたりしたら困るもの」

 想像したのか、かあっと真っ赤になったローランも、ちゃんと男の人なんだなあと思いました。
 そして、ローランが神竜の言葉で韻を踏んだ旋律を紡ぐ。空間がぼやけて、私の部屋ではない場所が写る。……壁?

「とりあえず、繋いだ。……王の姫。聞こえる?」
「……神竜王陛下?」

 どうなっているの?と言いたげなエージュの声がして、私は思わず身を乗り出した。

「エージュ! 今、お話しできる?」
「アリー!?」

 私の名を呼ぶと、続けて「できるわ!」とエージュが叫び――空間が、エージュの姿を映した。さらさらの銀髪、薄い水色の瞳、真白の肌。光より美しい女神の姿は、私の親友のものだ。

「エージュ」
「どうなっているの? 神竜王陛下の魔法?」
「ローランの特殊技能みたい。遠方が視えるんですって。だから、繋いでもらったの。……エージュ、そこには誰もいない?」
「ええ。少し待って、防音の魔法を紡ぐから」

 そう答えると、エージュは防音魔法を発動させた。ローランが頷いたので、効果は問題ないはずだ。

「シルハークを退かせたのはあなただと、カイン達が言っていたようだけれど。……何をやらかしたの?」

 ひどい言われようです。

「私は、王命を果たしただけで」
「シルハークの王を誑し込んでいた」
「まあ」
「ローラン!?」
「シルハークの王は、アレクシアに好意を持っている。だから私は間違っていないし嘘もついていない」

 拗ねた口調でそう言うと、ローランは私にくっついてきた。お気に入りの、私の巻き毛をくるくると指に絡めている。

「アリーったら。シルハーク王から婚姻の申し込みが来たらどうするの」
「来ません。リーシュは、子供には手を出さないって言ったもの」
「……あら。名前で呼ぶ仲なのね」

 意味深に呟いて、エージュはにっこり笑った。悪役的な笑みで。

「アリー。女の子はね、いつまでも女の子ではないの。すぐに、簡単に、女になるのよ」

 私に向けて言いながら、何故か視線はローランに注がれている。ぴくっと震えたローランは、私の巻き毛では足りないのか、私の頭ごと抱え込もうとする。体勢的に苦しいけど、ローランに抱き締められるという僥倖は拒めない。

「……エージュ。ローランをからかうのはやめて」
「あながち、冗談でもないのだけど。とりあえず、何をどうやったのか、話してちょうだい」

 私は、エージュに一連の流れを説明した。時折エージュから確認のような質問が挟まれるので、都度都度思い出しながら答え終わった時。
 エージュは、深く息をついた。

「……エージュ?」
「シュラウス将軍は無理として……アトゥール殿下辺りが、上手く説明してくれることを願うわ」

 恨めしそうに、願うように、エージュはもう一度溜息を零す。

「……私、何か失敗した?」
「いいえ。失敗はしていないわ。……ある意味、失敗だけれど。成功しすぎているのよ」
「王の姫?」
「――神竜王陛下のご助力はあったとはいえ、あなた個人がシルハークを退かせたことになっていると、わかっていないの?」
「え?」
「わかっていないのね……。護衛もなしで敵陣に赴いて、相手を退却させた。ええ、それは事実よ。――でもね、アリー。あなたの行動は、結果的に救国の英雄と祭り上げられるか、敵と内通したと捏造されるか、どちらかになるということよ」

 早急に対策を取らなくてはいけないと、エージュはひどく真剣な顔で言い、リヒト殿下とシルヴィス、カイン、オリヴィエ、そしてアトゥール殿下をここに同席させることを提案し――ローランは固い表情で頷いた。

 ――私、そこまで、国王陛下に疎まれているの……?

「違うわ、アリー。恐れられているのよ」

 私の心を読んだように告げたエージュの声も、ひどく緊張していた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?

六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」 前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。 ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを! その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。 「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」 「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」 (…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?) 自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。 あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか! 絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。 それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。 「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」 氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。 冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。 「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」 その日から私の運命は激変! 「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」 皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!? その頃、王宮では――。 「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」 「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」 などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。 悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。

桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。 戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。 『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。 ※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。 時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。 一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。 番外編の方が本編よりも長いです。 気がついたら10万文字を超えていました。 随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...