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本編
反撃準備開始。
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エージュの部屋から、リヒト殿下の部屋に場所移動しました。シスコンを発揮したリヒト殿下が「エージュの部屋に、男など入れられるか!」とキレかけたからだ。アトゥール殿下は婚約者だからいいんじゃないの?というツッコミはしない。
「――つまり、私の姫。あなたは、アレクシア姫が売国奴とされることのないようにしたい、と」
アトゥール殿下が、その場にいた男性陣を代表するように問いかけた。「私の姫」発言に、カインとオリヴィエがぴくっと反応したけど、アトゥール殿下は頓着しない。
「ええ。一万にも満たぬ軍でシルハークを退けた、その褒賞が売国奴の汚名ではあんまりでしょう」
エージュの言葉に、リヒト殿下はうんうんと頷いている。……エージュへのシスコン愛からのものだと思いたい。私への好感度は関係ないと信じたい。
「兵達の殆どが戦闘に参加していないことは、本人達の口から洩れましょう。となれば、シルハークを退けたのは神竜王陛下だと知れ渡る」
結果、神竜王の名は高まり、その召喚者である私も崇敬される。逆に、シルハークに比べれば弱小なハユルスにすら完勝できず、半端な和睦を結んだ王軍の名は堕ちる。――王の権威が、失墜する。
「アレクシアはシルハークの王と話し合い、相互協力したのだろう。それを非難など」
「そういう事実は、この際無視される。シルハークが我が国に協力してくれた事実は伏せられ、アレクシア姫がシルハークに協力したことだけが、喧伝される」
リヒト殿下の楽観的な言葉を、シルヴィスが苦りきった声で否定した。アトゥール殿下が、その通りと頷いた。
「屈服させたのではなく、和睦の申し入れですからな。その申し入れを、なかったことにすらできる」
カインが呟き、オリヴィエが被せた。
「神竜王陛下が竜型になって出陣なさったのに、シルハーク軍を全滅させていない。それを利用される可能性もあります」
次々に紡がれる不吉な予想に、私は身を固くした。ローランは蒼白になっている――駄目、自分を責めないで。
「ローランは悪くない」
私は、ローランにだけ聞こえるように囁いた。だけど、と言いたげな瞳は、今は蒼と翠に揺れ動いている。
「悪くないの。ちゃんと対策しなかった私が悪いんだから」
――人間の世界の、まして政治に関わることなんて、ローランは知るはずもない。甘言や讒言を弄して誰かを陥れるなんて、彼ら神竜にはあり得ないのだから。
「――父上の御様子からして、アレクシア姫を「敵国の王と通じた」とするつもりだろう。一時兵を退かせておいて、その後で攻めてくる手はずだと」
「シルヴィ。それは妄言だ。シルハークは攻めてこないのだから――」
「だから、攻められる前に攻めるのですよ、王太子殿下」
アトゥール殿下は、不遜なほどの口調だった。
「無論、実際に攻めずともいい。その前に、正式に和平が成立したとすればいいだけですから。――書類上は、宣戦の日付と和平成立の日付を少し弄るだけでいい」
それで、形としては整う。実際の順番がどうであっても。
「……私への断罪は、いつになりますか?」
私は、アトゥール殿下に問うた。この中で、一番客観的かつ冷静なのは、アトゥール殿下だ。リヒト殿下は私への好感度が八割、シルヴィスは五割。私贔屓の判断になる。カインとオリヴィエは、エージュの手前、厳しいことは言えない。そしてエージュは、私に残酷な未来は認めない。
「あなたは、公爵家の跡取り姫です。即座に断罪ということはない。まずは、ラウエンシュタイン公に、やんわりとあなたの幽閉を命じるでしょうね。そして、民の反応を見ながら、貴族達に「ラウエンシュタインの姫は国を売ろうとした」と――」
「させません」
きつい声で遮り、エージュはアトゥール殿下を睨みつけた。
「アリーに、十万を超すシルハーク軍に対峙させておきながら、退かせたら今度は売国奴扱い? そんなこと、わたくしは絶対に認めない」
今までの「たおやかで儚げで淑やかな美少女」の仮面をかなぐり捨てて、エージュはリヒト殿下に向き直った。
「兄上様」
「はい」
妹の気迫に威圧されたのか、居住まいを正して返答するリヒト殿下が何だかおかしいけど、今は笑ってる場合じゃない。
「今すぐ、王太子令を発して下さい。わたくしを異母妹と認め、明日、披露目をすると」
王太子令。それは、王太子殿下が摂政宮の場合は、勅令として扱われる。
「エージュ?」
「国王陛下の認知は、内々とはいえ、下りています。披露目によき日を選ぼうとしたらシルハークの侵攻があって、先延ばしになっていたもの。シルハークと和平が成立するなら、先に披露目をしても問題ないはずです。そうですわね、アトゥール殿下?」
きょとんとしているリヒト殿下に、エージュは淡々と告げ、アトゥール殿下を見遣った。アトゥール殿下は、笑いを噛み殺している。
「ええ、私の姫。その通りです。それも、日付を弄れば済むことですね」
「その席で、わたくしはあなたとの婚約を発表します」
カインとオリヴィエの絶望の表情は、幸いにして私には見えなかった。……ごめんなさい、あなた達の失恋は、確実に私のせいだ……。
「そうなりましたら、殿下は、わたくしに納采を下さらねばなりませんわね?」
「ええ、私の姫。――察するに、我がシェーンベルク大公家が、今後永久に、宰相職を放棄することでしょうか?」
「な」
シルヴィスがうろたえる。ナルバエス大公が宰相職を世襲制にしたがっているのは周知だ。けれどできないのは――それが、本来はシェーンベルク大公家に与えられた名誉だから。
「それでは、わたくしへの納采にはなりません。――わたくしに、アリーを下さいませ」
「エージュ?」
「あなたを、わたくしのもの――王女にしてシェーンベルク大公妃のものにすればいいのよ」
「いや、ものにすると言われても」
「アレクシアは渡さない」
ぎゅうっと私を抱き締めたローランは、威嚇しているつもりだろうけど、お気に入りの玩具を取られそうになった幼児にしか見えないのがつらい。
「ローゼンヴァルト宮の、神苑――初代大公殿下が、神や精霊達と過ごしたとされる場所。あそこには、許された者しか入れない。国王陛下でも、入れない」
「……私の姫。婚約と同時に、我が宮に他の者を囲うとおっしゃいますか」
「わたくしの唯一絶対の存在は、アリーです。婚約をお願いする時も、わたくし、そう申し上げましたわね? その上で、殿下はお受けになったはずですけれど」
さらりと、とんでもない会話がされている。エージュの婚約に絶望していたらしいカインとオリヴィエが、顔を見合わせていた。……うん。だって、どう聞いてもエージュとアトゥール殿下の間には、恋も愛もないもの。
「エージュ。私、そこまでしてもらわなくても」
「お黙りなさい。少し目を離したら、シルハークの国王まで誑し込んで。あなたみたいな人、わたくしが捕まえておかないと、不安と嫉妬で仕方ないわ」
その言葉のおかげで、リヒト殿下・カイン・オリヴィエからの嫉妬で私がどうしようもない状態ですが、それはいいのか。
「神竜王陛下。大丈夫ですわ。アリーと御一緒にお迎えしますから」
「ありがとう、王の姫」
最後の頼みの綱……と思う前に、ローランはあっさり懐柔されてしまった。
「あ、あの、私、ラウエンシュタイン家の一人娘だし」
「公には、私から事の次第をお話ししておきましょう。心配なさることはない、リヒト殿下のご即位までのことですよ」
待って。リヒト殿下の即位って何年先なの。
「わ、私、もうすぐサフィール・ルーチェ学園に入学……」
「登下校はわたくしと一緒よ」
「あそこ、全寮制じゃなかった!?」
「王族と、それに連なる者は通学だ。寮生活などでいらぬ面倒があるからな」
私の「ゲームと違う!」な言葉に、シルヴィスがあっさり首を振った。……知らなかった……だから、リヒト殿下とシルヴィスは寮パートがなくて、放課後になったらすぐに消えてたのか……。そっち方向に妄想してた腐女子の皆さん、これが設定資料集にもなかった事実です。
「さ、兄上様。お早く王太子令を。……エージュのお願いは、聞いていただけませんか?」
「そんなことはない! だが、父上のお許しなく……」
「妹にねだられて、つい浮かれてやってしまった、反省しています。それで通るだろう。実際、本当のことでもあるわけだし」
シルヴィスがさらさらと言い訳を用意してくれたことで、リヒト殿下は「それもそうだな」と納得した。……こんなに人を信じやすいままで大丈夫なのかしら……。
「では、父上より先に王太子令を……シルヴィ?」
「もうできた。先程、大叔父上――大神官様にお送りしたから、すぐに発令される」
リヒト殿下が直接発令するより、レフィアス様に発令していただく方が早く拡散されるし、信憑性も高いのだと、シルヴィスが説明してくれた。
――そして、その判断は正しかったと私達が知るのは、ほんの少し後のことだ。
シルヴィスからの王太子令を、レフィアス様が発令した直後――私を幽閉するよう命じられたお父様が、私の部屋に駆け込んできた。
お父様には、空間越しにアトゥール殿下が説明してくれた。その命令はすぐに取り消されるだろうということも。
その言葉通り、時間を置かずに国王陛下の勅使が来て――先程の命はなかったことに、とだけ言い置いていった。
「――つまり、私の姫。あなたは、アレクシア姫が売国奴とされることのないようにしたい、と」
アトゥール殿下が、その場にいた男性陣を代表するように問いかけた。「私の姫」発言に、カインとオリヴィエがぴくっと反応したけど、アトゥール殿下は頓着しない。
「ええ。一万にも満たぬ軍でシルハークを退けた、その褒賞が売国奴の汚名ではあんまりでしょう」
エージュの言葉に、リヒト殿下はうんうんと頷いている。……エージュへのシスコン愛からのものだと思いたい。私への好感度は関係ないと信じたい。
「兵達の殆どが戦闘に参加していないことは、本人達の口から洩れましょう。となれば、シルハークを退けたのは神竜王陛下だと知れ渡る」
結果、神竜王の名は高まり、その召喚者である私も崇敬される。逆に、シルハークに比べれば弱小なハユルスにすら完勝できず、半端な和睦を結んだ王軍の名は堕ちる。――王の権威が、失墜する。
「アレクシアはシルハークの王と話し合い、相互協力したのだろう。それを非難など」
「そういう事実は、この際無視される。シルハークが我が国に協力してくれた事実は伏せられ、アレクシア姫がシルハークに協力したことだけが、喧伝される」
リヒト殿下の楽観的な言葉を、シルヴィスが苦りきった声で否定した。アトゥール殿下が、その通りと頷いた。
「屈服させたのではなく、和睦の申し入れですからな。その申し入れを、なかったことにすらできる」
カインが呟き、オリヴィエが被せた。
「神竜王陛下が竜型になって出陣なさったのに、シルハーク軍を全滅させていない。それを利用される可能性もあります」
次々に紡がれる不吉な予想に、私は身を固くした。ローランは蒼白になっている――駄目、自分を責めないで。
「ローランは悪くない」
私は、ローランにだけ聞こえるように囁いた。だけど、と言いたげな瞳は、今は蒼と翠に揺れ動いている。
「悪くないの。ちゃんと対策しなかった私が悪いんだから」
――人間の世界の、まして政治に関わることなんて、ローランは知るはずもない。甘言や讒言を弄して誰かを陥れるなんて、彼ら神竜にはあり得ないのだから。
「――父上の御様子からして、アレクシア姫を「敵国の王と通じた」とするつもりだろう。一時兵を退かせておいて、その後で攻めてくる手はずだと」
「シルヴィ。それは妄言だ。シルハークは攻めてこないのだから――」
「だから、攻められる前に攻めるのですよ、王太子殿下」
アトゥール殿下は、不遜なほどの口調だった。
「無論、実際に攻めずともいい。その前に、正式に和平が成立したとすればいいだけですから。――書類上は、宣戦の日付と和平成立の日付を少し弄るだけでいい」
それで、形としては整う。実際の順番がどうであっても。
「……私への断罪は、いつになりますか?」
私は、アトゥール殿下に問うた。この中で、一番客観的かつ冷静なのは、アトゥール殿下だ。リヒト殿下は私への好感度が八割、シルヴィスは五割。私贔屓の判断になる。カインとオリヴィエは、エージュの手前、厳しいことは言えない。そしてエージュは、私に残酷な未来は認めない。
「あなたは、公爵家の跡取り姫です。即座に断罪ということはない。まずは、ラウエンシュタイン公に、やんわりとあなたの幽閉を命じるでしょうね。そして、民の反応を見ながら、貴族達に「ラウエンシュタインの姫は国を売ろうとした」と――」
「させません」
きつい声で遮り、エージュはアトゥール殿下を睨みつけた。
「アリーに、十万を超すシルハーク軍に対峙させておきながら、退かせたら今度は売国奴扱い? そんなこと、わたくしは絶対に認めない」
今までの「たおやかで儚げで淑やかな美少女」の仮面をかなぐり捨てて、エージュはリヒト殿下に向き直った。
「兄上様」
「はい」
妹の気迫に威圧されたのか、居住まいを正して返答するリヒト殿下が何だかおかしいけど、今は笑ってる場合じゃない。
「今すぐ、王太子令を発して下さい。わたくしを異母妹と認め、明日、披露目をすると」
王太子令。それは、王太子殿下が摂政宮の場合は、勅令として扱われる。
「エージュ?」
「国王陛下の認知は、内々とはいえ、下りています。披露目によき日を選ぼうとしたらシルハークの侵攻があって、先延ばしになっていたもの。シルハークと和平が成立するなら、先に披露目をしても問題ないはずです。そうですわね、アトゥール殿下?」
きょとんとしているリヒト殿下に、エージュは淡々と告げ、アトゥール殿下を見遣った。アトゥール殿下は、笑いを噛み殺している。
「ええ、私の姫。その通りです。それも、日付を弄れば済むことですね」
「その席で、わたくしはあなたとの婚約を発表します」
カインとオリヴィエの絶望の表情は、幸いにして私には見えなかった。……ごめんなさい、あなた達の失恋は、確実に私のせいだ……。
「そうなりましたら、殿下は、わたくしに納采を下さらねばなりませんわね?」
「ええ、私の姫。――察するに、我がシェーンベルク大公家が、今後永久に、宰相職を放棄することでしょうか?」
「な」
シルヴィスがうろたえる。ナルバエス大公が宰相職を世襲制にしたがっているのは周知だ。けれどできないのは――それが、本来はシェーンベルク大公家に与えられた名誉だから。
「それでは、わたくしへの納采にはなりません。――わたくしに、アリーを下さいませ」
「エージュ?」
「あなたを、わたくしのもの――王女にしてシェーンベルク大公妃のものにすればいいのよ」
「いや、ものにすると言われても」
「アレクシアは渡さない」
ぎゅうっと私を抱き締めたローランは、威嚇しているつもりだろうけど、お気に入りの玩具を取られそうになった幼児にしか見えないのがつらい。
「ローゼンヴァルト宮の、神苑――初代大公殿下が、神や精霊達と過ごしたとされる場所。あそこには、許された者しか入れない。国王陛下でも、入れない」
「……私の姫。婚約と同時に、我が宮に他の者を囲うとおっしゃいますか」
「わたくしの唯一絶対の存在は、アリーです。婚約をお願いする時も、わたくし、そう申し上げましたわね? その上で、殿下はお受けになったはずですけれど」
さらりと、とんでもない会話がされている。エージュの婚約に絶望していたらしいカインとオリヴィエが、顔を見合わせていた。……うん。だって、どう聞いてもエージュとアトゥール殿下の間には、恋も愛もないもの。
「エージュ。私、そこまでしてもらわなくても」
「お黙りなさい。少し目を離したら、シルハークの国王まで誑し込んで。あなたみたいな人、わたくしが捕まえておかないと、不安と嫉妬で仕方ないわ」
その言葉のおかげで、リヒト殿下・カイン・オリヴィエからの嫉妬で私がどうしようもない状態ですが、それはいいのか。
「神竜王陛下。大丈夫ですわ。アリーと御一緒にお迎えしますから」
「ありがとう、王の姫」
最後の頼みの綱……と思う前に、ローランはあっさり懐柔されてしまった。
「あ、あの、私、ラウエンシュタイン家の一人娘だし」
「公には、私から事の次第をお話ししておきましょう。心配なさることはない、リヒト殿下のご即位までのことですよ」
待って。リヒト殿下の即位って何年先なの。
「わ、私、もうすぐサフィール・ルーチェ学園に入学……」
「登下校はわたくしと一緒よ」
「あそこ、全寮制じゃなかった!?」
「王族と、それに連なる者は通学だ。寮生活などでいらぬ面倒があるからな」
私の「ゲームと違う!」な言葉に、シルヴィスがあっさり首を振った。……知らなかった……だから、リヒト殿下とシルヴィスは寮パートがなくて、放課後になったらすぐに消えてたのか……。そっち方向に妄想してた腐女子の皆さん、これが設定資料集にもなかった事実です。
「さ、兄上様。お早く王太子令を。……エージュのお願いは、聞いていただけませんか?」
「そんなことはない! だが、父上のお許しなく……」
「妹にねだられて、つい浮かれてやってしまった、反省しています。それで通るだろう。実際、本当のことでもあるわけだし」
シルヴィスがさらさらと言い訳を用意してくれたことで、リヒト殿下は「それもそうだな」と納得した。……こんなに人を信じやすいままで大丈夫なのかしら……。
「では、父上より先に王太子令を……シルヴィ?」
「もうできた。先程、大叔父上――大神官様にお送りしたから、すぐに発令される」
リヒト殿下が直接発令するより、レフィアス様に発令していただく方が早く拡散されるし、信憑性も高いのだと、シルヴィスが説明してくれた。
――そして、その判断は正しかったと私達が知るのは、ほんの少し後のことだ。
シルヴィスからの王太子令を、レフィアス様が発令した直後――私を幽閉するよう命じられたお父様が、私の部屋に駆け込んできた。
お父様には、空間越しにアトゥール殿下が説明してくれた。その命令はすぐに取り消されるだろうということも。
その言葉通り、時間を置かずに国王陛下の勅使が来て――先程の命はなかったことに、とだけ言い置いていった。
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