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番外編~箱庭の姫君と闇の公主と光の王~
人、それをヤンデレと言う。
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案内された部屋に入り、闇華は寝台に座った。沢山の枕を、あちこちに投げつける。心を落ち着かせる為だ。
先程はついカッとなって拒否してしまったが、よく考えれば、未来視の姫をこの国に呼べば、にいさまとは物理的に距離ができる。それなら、呼んでもらえばいい。闇華がこの国で頑張っている間に、にいさまがあの姫と結婚したら意味がない。まあ、そうなっていたとしても、奪い取るだけだが。
「……それより、王女だな」
闇華は思案した。敵意を持たれるくらいなら構わない。しかし、闇華の願いを知られているとしたら困る。にいさまへの思慕という弱味まで握られていることになるからだ。
「……少し、調べるか」
幸いにして、闇華の魔力は高い。大抵のことなら、神問いしなくても、問いかけに魔力を含ませたら知ることができる。
すっと寝台から下りて、椅子に座った。便箋を用意し、筆を取ろうとして――気づく。ここは、シルハークではない。
「……ペン、だったか」
公用語であるヴェルスブルク語は、闇華は完璧に話せる。だが、初めて見る物が何かまでは、咄嗟にはわからない。位置的に、これがペンという物なのだろうと当たりを付け、硬いペン先で文字を綴った。
――そして得た答えは、ひどく闇華を落ち込ませた。
自分の野望は、いとも容易くあの王女に知られている。魔力ではなく、人々の言葉だけで、あの王女は闇華が嫁いだ真の目的まで辿り着いた。
「敵にまわすべきではない、か……」
よく考えなくても、あのにいさまや蓮汎ですら、敵にしたくないと言っていた相手だ。闇華が手玉に取れるわけもない。
ならば、協力を願うしかないが――どうやって? あの王女は、兄であるリヒトの言葉さえ聞かない。父王は隠遁しているし、生母は心を病んで療養中らしい。そして、許嫁だという大公は、彼女の言動に何ら制限をしないという。
答えはひとつしかない。わかっている。未来視の姫を介して、協力を願えばいい。闇華は、別にヴェルスブルクを疲弊させたいわけではない。にいさまが欲しいだけだ。そのことを告げて――
そこまで考えて、闇華は気づいた。協力を乞う手土産が、闇華にはない。あの王女を動かせるだけの対価が、見つからない。
「王女の、願いは? 欲しいものは?」
闇華の問いかけに、魔力は「アレクシア・クリスティン」――未来視の姫の名を繰り返す。
あの王女は、他に何もいらぬのか。
まさかそんなはずはないと、闇華は何度も問いかけた。だが、宝玉を贅沢に使った装飾品も、豪華な衣装も、魔力を秘めた輝石も、シルハーク王家伝来の、老化を遅れさせる不老の妙薬も――何ひとつ、あの王女の心を動かさないという答えしか返らない。
「……許嫁の心もいらぬのか」
その言葉は問いかけではなかったが、闇華の魔力が「是」と応える。では、あの王女は、唯一望むものである未来視の姫と離れている今、何を縁に生きているのだ。
――闇華は、自分の、にいさまへの執着は少し異常だと思ってはいたが。
自分より、あの王女の未来視の姫への愛着の方が、よほど狂っていることに、戦慄した。
正式に婚約の儀を結んだ後は、当然のように披露目が待っている。それらをすべてそつなくこなして、闇華は「未来の王太子妃」としてヴェルスブルクの宮廷に認知された。
その間も闇華を無視していたエルウィージュの真意は、未だにわからない。人目のあるところでは、きちんと兄と会話していたから、よほど注意深い者でなければ、闇華とエルウィージュが一言も交わしていないことに気づけないだろう。
そして闇華は、主だった貴族達の顔と名前を一致させることに、かなり苦労させられている。闇華には、西風の顔立ちのヴェルスブルク人は、なかなか見分けがつかない。
そんな中で、乳姉妹の聖を呼ぶことにリヒトが同意してくれた。聖は、闇華にとっては、腹心というより実の姉妹達以上に近しい存在である。身の回りの世話は、ヴェルスブルクの女官達に任せているが、虚勢を張らずに寛げる存在となれば、聖しかいない。
「闇華様」
聖が、そっと茶器を並べ、呼びかけてくる。銀細工の茶器からは、薫香が漂っている。
「ありがとう、聖」
香りを楽しんだ後、ゆっくりと茶を飲んだ。用意されていた干菓子を摘まむと、ほろほろとした甘さが口の中で溶ける。
「王女殿下との対面ですが、叶えられると思います」
「まことか?」
「はい。王女殿下は無類の書物好きだと伺っておりますので、聖をお呼び下さった際、シルハークの古文書を持参致しました」
「古文書。写しか?」
「大半は写しですが、一部は真物です。解読が終わっていることから、闇華様への贈り物とすると、陛下からお許しはいただいております」
聖は、よく出来た侍女である。控えめだが、為すべきことは指示しなくてもやってくれる。早くに亡くなった乳母の分も、闇華に仕えようとしてくれる。
「にいさまを、困らせてはおるまいな?」
「そのようなことをしていれば、闇華様のお傍には参りません」
「冗談だ。ありがとう、聖」
重ねて礼を言えば、聖は短く切り揃えた髪を少し揺らして、嬉しそうに微笑んだ。そして、闇華に、持ち出してきた古文書の一覧表を差し出す。それを受け取り、さっと一瞥して、闇華は苦笑した。
「……国宝であったものまで入っているな」
「陛下が、構わぬと。――王女殿下の歓心を買う為なら、それでよいとのお言葉でした」
「……聖。にいさまは、どうしてそれほどにあの王女を恐れる? 確かに麗しかった。確かに気性も烈しかった。だが、それはひいおばあさまも同じであったのに」
「蓮汎様のお言葉でよろしければ、お答えできます」
情報源を明かして事前に断る辺り、聖は闇華の好き嫌いをよく理解している。しかし、今は蓮汎への嫉妬めいた嫌悪はどうでもいい。頷くと、聖はすらすらと答えた。
「ヴェルスブルクの膿を出す外科手術を、かの姫が成し遂げたと。それも、国の為ではなく、個人的な理由で。更にその姫は、神の力――神竜王を使役することも可能であると」
「神の力……神竜王? 未来視の姫のことか?」
「おそらくは。王女殿下とは親友だと聞いております」
「王女に乞われれば、未来視の姫が神竜王の力を使うということか……?」
神竜王の力――それがどれほどのものかは、シルハークの王族なら知っている。そして、闇華は知識としてだけでなく、実体験で感じ取った。あれほどに圧倒的な魔力を、容易く使う神竜王と、それを受け入れていた未来視の姫――……
思惟に耽った闇華に、聖は淡々と答える。
「はい。そして、かの姫は、破壊するだけで、再生させる気が全くない。ヴェルスブルクを破壊し尽くさなかったのは、偏に未来視の姫の為。ならば、そのしがらみのないシルハークを完膚なきまでに破壊することは、決して躊躇わぬであろうと」
「ゆえに、にいさまは未来視の姫をシルハークに留め置かれているというわけか?」
「――蓮汎様は、そうお考えでした」
闇華は、小さく笑って聖に言った。
「妾に構わず、真実を申せ」
「……闇華様……」
「それゆえに、あの姫をにいさまの正妃にしたいと、蓮汎は考えているのであろう?」
「……はい」
「だが、そうなれば先代神竜王が牙を剥く。ふむ、蓮汎としても動きが取れぬということか」
「……っ!?」
ぱっと、聖が振り返った。何事かと思ったが、そこには誰もいない。
「聖?」
「不調法を致しました。お許しを」
「よい。……何ぞ、感じたのか?」
「……はい。視線のようなものを……何者かが闖入したのかと思いましたが」
聖は、感覚が鋭い。稀に、シルハークにはそういった者が生まれる。「魔法」に対する直感力が、ひどく研ぎ澄まされているのだ。だから、聖に「こっそりと」魔法をかけられる者はいない。ひいおばあさまが御存命の頃、戯れに試した「漏洩」ですら、聖は気づいて「誰かに覗かれている」と泣き出した。
「そなたがそう感じたということは……誰ぞが、ここを覗いていたということか」
「漏洩や映像のような、はっきりとした感覚ではありませんでしたから……私も、この国に来たばかりで、過敏になっているのやもしれません」
詫びる聖に、闇華は笑った。ここは母国ではない。敵国ではないにせよ、他国だ。過敏なくらいでちょうどいい。
「よい。聖、今日はもう休め。王女との対話は、どうせ明日以降のことだ」
「はい、闇華様」
シルハーク風ではなく、ヴェルスブルク風の礼をして――抜かりない侍女である――聖は退室した。
それを見送った後、闇華は、王女に宛てた手紙を書き始めた。古文書だけでは釣れないかもしれない。だから、未来視の姫――アレクシアは、にいさまの正妃となるのかと、直接的に問いかける文面にした。
闇華の調べたことが事実なら、これが餌だとわかっていても、あの王女は見逃すなどできないし、しない。たった一人と想う、最愛の存在の為だから。
翌朝、起床した闇華は、身支度は聖に任せ、昨夜のうちに書き上げた文を王女に届けよと女官に命じた。
――返事は、思った以上に早かった。彼女は、王宮ではなく、許嫁である大公の宮殿に住んでいるというのに。闇華は、朝食が終わるや否や、聖と共に、ローゼンヴァルト宮とやらに行く馬車に押し込まれた。
次期王太子妃に対しての無礼は許されぬと言った聖に、女官長は「会長が御不在の今、副会長の御命令は絶対なのです」と真顔で言った。
――副会長とは、一体何のことだろう。
先程はついカッとなって拒否してしまったが、よく考えれば、未来視の姫をこの国に呼べば、にいさまとは物理的に距離ができる。それなら、呼んでもらえばいい。闇華がこの国で頑張っている間に、にいさまがあの姫と結婚したら意味がない。まあ、そうなっていたとしても、奪い取るだけだが。
「……それより、王女だな」
闇華は思案した。敵意を持たれるくらいなら構わない。しかし、闇華の願いを知られているとしたら困る。にいさまへの思慕という弱味まで握られていることになるからだ。
「……少し、調べるか」
幸いにして、闇華の魔力は高い。大抵のことなら、神問いしなくても、問いかけに魔力を含ませたら知ることができる。
すっと寝台から下りて、椅子に座った。便箋を用意し、筆を取ろうとして――気づく。ここは、シルハークではない。
「……ペン、だったか」
公用語であるヴェルスブルク語は、闇華は完璧に話せる。だが、初めて見る物が何かまでは、咄嗟にはわからない。位置的に、これがペンという物なのだろうと当たりを付け、硬いペン先で文字を綴った。
――そして得た答えは、ひどく闇華を落ち込ませた。
自分の野望は、いとも容易くあの王女に知られている。魔力ではなく、人々の言葉だけで、あの王女は闇華が嫁いだ真の目的まで辿り着いた。
「敵にまわすべきではない、か……」
よく考えなくても、あのにいさまや蓮汎ですら、敵にしたくないと言っていた相手だ。闇華が手玉に取れるわけもない。
ならば、協力を願うしかないが――どうやって? あの王女は、兄であるリヒトの言葉さえ聞かない。父王は隠遁しているし、生母は心を病んで療養中らしい。そして、許嫁だという大公は、彼女の言動に何ら制限をしないという。
答えはひとつしかない。わかっている。未来視の姫を介して、協力を願えばいい。闇華は、別にヴェルスブルクを疲弊させたいわけではない。にいさまが欲しいだけだ。そのことを告げて――
そこまで考えて、闇華は気づいた。協力を乞う手土産が、闇華にはない。あの王女を動かせるだけの対価が、見つからない。
「王女の、願いは? 欲しいものは?」
闇華の問いかけに、魔力は「アレクシア・クリスティン」――未来視の姫の名を繰り返す。
あの王女は、他に何もいらぬのか。
まさかそんなはずはないと、闇華は何度も問いかけた。だが、宝玉を贅沢に使った装飾品も、豪華な衣装も、魔力を秘めた輝石も、シルハーク王家伝来の、老化を遅れさせる不老の妙薬も――何ひとつ、あの王女の心を動かさないという答えしか返らない。
「……許嫁の心もいらぬのか」
その言葉は問いかけではなかったが、闇華の魔力が「是」と応える。では、あの王女は、唯一望むものである未来視の姫と離れている今、何を縁に生きているのだ。
――闇華は、自分の、にいさまへの執着は少し異常だと思ってはいたが。
自分より、あの王女の未来視の姫への愛着の方が、よほど狂っていることに、戦慄した。
正式に婚約の儀を結んだ後は、当然のように披露目が待っている。それらをすべてそつなくこなして、闇華は「未来の王太子妃」としてヴェルスブルクの宮廷に認知された。
その間も闇華を無視していたエルウィージュの真意は、未だにわからない。人目のあるところでは、きちんと兄と会話していたから、よほど注意深い者でなければ、闇華とエルウィージュが一言も交わしていないことに気づけないだろう。
そして闇華は、主だった貴族達の顔と名前を一致させることに、かなり苦労させられている。闇華には、西風の顔立ちのヴェルスブルク人は、なかなか見分けがつかない。
そんな中で、乳姉妹の聖を呼ぶことにリヒトが同意してくれた。聖は、闇華にとっては、腹心というより実の姉妹達以上に近しい存在である。身の回りの世話は、ヴェルスブルクの女官達に任せているが、虚勢を張らずに寛げる存在となれば、聖しかいない。
「闇華様」
聖が、そっと茶器を並べ、呼びかけてくる。銀細工の茶器からは、薫香が漂っている。
「ありがとう、聖」
香りを楽しんだ後、ゆっくりと茶を飲んだ。用意されていた干菓子を摘まむと、ほろほろとした甘さが口の中で溶ける。
「王女殿下との対面ですが、叶えられると思います」
「まことか?」
「はい。王女殿下は無類の書物好きだと伺っておりますので、聖をお呼び下さった際、シルハークの古文書を持参致しました」
「古文書。写しか?」
「大半は写しですが、一部は真物です。解読が終わっていることから、闇華様への贈り物とすると、陛下からお許しはいただいております」
聖は、よく出来た侍女である。控えめだが、為すべきことは指示しなくてもやってくれる。早くに亡くなった乳母の分も、闇華に仕えようとしてくれる。
「にいさまを、困らせてはおるまいな?」
「そのようなことをしていれば、闇華様のお傍には参りません」
「冗談だ。ありがとう、聖」
重ねて礼を言えば、聖は短く切り揃えた髪を少し揺らして、嬉しそうに微笑んだ。そして、闇華に、持ち出してきた古文書の一覧表を差し出す。それを受け取り、さっと一瞥して、闇華は苦笑した。
「……国宝であったものまで入っているな」
「陛下が、構わぬと。――王女殿下の歓心を買う為なら、それでよいとのお言葉でした」
「……聖。にいさまは、どうしてそれほどにあの王女を恐れる? 確かに麗しかった。確かに気性も烈しかった。だが、それはひいおばあさまも同じであったのに」
「蓮汎様のお言葉でよろしければ、お答えできます」
情報源を明かして事前に断る辺り、聖は闇華の好き嫌いをよく理解している。しかし、今は蓮汎への嫉妬めいた嫌悪はどうでもいい。頷くと、聖はすらすらと答えた。
「ヴェルスブルクの膿を出す外科手術を、かの姫が成し遂げたと。それも、国の為ではなく、個人的な理由で。更にその姫は、神の力――神竜王を使役することも可能であると」
「神の力……神竜王? 未来視の姫のことか?」
「おそらくは。王女殿下とは親友だと聞いております」
「王女に乞われれば、未来視の姫が神竜王の力を使うということか……?」
神竜王の力――それがどれほどのものかは、シルハークの王族なら知っている。そして、闇華は知識としてだけでなく、実体験で感じ取った。あれほどに圧倒的な魔力を、容易く使う神竜王と、それを受け入れていた未来視の姫――……
思惟に耽った闇華に、聖は淡々と答える。
「はい。そして、かの姫は、破壊するだけで、再生させる気が全くない。ヴェルスブルクを破壊し尽くさなかったのは、偏に未来視の姫の為。ならば、そのしがらみのないシルハークを完膚なきまでに破壊することは、決して躊躇わぬであろうと」
「ゆえに、にいさまは未来視の姫をシルハークに留め置かれているというわけか?」
「――蓮汎様は、そうお考えでした」
闇華は、小さく笑って聖に言った。
「妾に構わず、真実を申せ」
「……闇華様……」
「それゆえに、あの姫をにいさまの正妃にしたいと、蓮汎は考えているのであろう?」
「……はい」
「だが、そうなれば先代神竜王が牙を剥く。ふむ、蓮汎としても動きが取れぬということか」
「……っ!?」
ぱっと、聖が振り返った。何事かと思ったが、そこには誰もいない。
「聖?」
「不調法を致しました。お許しを」
「よい。……何ぞ、感じたのか?」
「……はい。視線のようなものを……何者かが闖入したのかと思いましたが」
聖は、感覚が鋭い。稀に、シルハークにはそういった者が生まれる。「魔法」に対する直感力が、ひどく研ぎ澄まされているのだ。だから、聖に「こっそりと」魔法をかけられる者はいない。ひいおばあさまが御存命の頃、戯れに試した「漏洩」ですら、聖は気づいて「誰かに覗かれている」と泣き出した。
「そなたがそう感じたということは……誰ぞが、ここを覗いていたということか」
「漏洩や映像のような、はっきりとした感覚ではありませんでしたから……私も、この国に来たばかりで、過敏になっているのやもしれません」
詫びる聖に、闇華は笑った。ここは母国ではない。敵国ではないにせよ、他国だ。過敏なくらいでちょうどいい。
「よい。聖、今日はもう休め。王女との対話は、どうせ明日以降のことだ」
「はい、闇華様」
シルハーク風ではなく、ヴェルスブルク風の礼をして――抜かりない侍女である――聖は退室した。
それを見送った後、闇華は、王女に宛てた手紙を書き始めた。古文書だけでは釣れないかもしれない。だから、未来視の姫――アレクシアは、にいさまの正妃となるのかと、直接的に問いかける文面にした。
闇華の調べたことが事実なら、これが餌だとわかっていても、あの王女は見逃すなどできないし、しない。たった一人と想う、最愛の存在の為だから。
翌朝、起床した闇華は、身支度は聖に任せ、昨夜のうちに書き上げた文を王女に届けよと女官に命じた。
――返事は、思った以上に早かった。彼女は、王宮ではなく、許嫁である大公の宮殿に住んでいるというのに。闇華は、朝食が終わるや否や、聖と共に、ローゼンヴァルト宮とやらに行く馬車に押し込まれた。
次期王太子妃に対しての無礼は許されぬと言った聖に、女官長は「会長が御不在の今、副会長の御命令は絶対なのです」と真顔で言った。
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