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番外編~箱庭の姫君と闇の公主と光の王~
色なんてそんなもの。
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この国で最高位とそれに次ぐ身分の淑女としてふさわしからぬ言動を続ける二人を黙らせて、リヒトはシルヴィス、アトゥールを呼ぶことにした。別に、女性陣に押されっ放しなのがつらいわけではない。
そして二人に、エルウィージュが語ったあらましを説明する。
――銀髪の大公二人は、揃って溜息で応えた。
「前例がないにも程がある……まず一人を選んで、その子にだけ帝王教育する。色素で選ばれたのか器量で選ばれたのか、わからないようにする。そこまではいい。だが、リヒト」
「最も色彩の薄い子が、私とエルウィージュの子であった場合、如何なさる。正嫡の王子王女を退けて、王妹を母に持つとはいえ、臣下である大公家の子が王位に就くなど……」
「……そこは、私も思ったのだが」
「そして、おまえの息子は、黒髪だからという理由で、最初から「候補」にすら上がれない。本来なら、正嫡の第一王子たるその子が王位に就くべきなのに」
「長幼の別で、王位継承権を決めることにも、それなりに意味はあるのですよ、王太子殿下。無暗な王位継承争いを起こさないという意味が」
シルヴィスとアトゥールに、両方から説教されている。提案者のエルウィージュは、発言を封じられているのをいいことに、ブランデーを煽っていた。アレクシアが「もっとペース落として!」と窘めているが、ふんわりと華やかに笑うだけである。
闇華は、彼女付の侍女である聖が持ってきた干菓子を、ローランに勧めていた。懐柔だろうと、リヒトは思っている。
「だが、臣下は反対するだろう。黒髪の王を認めない。アンファを妃にすることに反対していた者は、それ見たことかと――黒髪の王妃だからだと、アンファが悪いかのように責める」
「……あの。私の知識でよければ、ですけど……」
挙手したのは、アレクシアだった。何故手を挙げるのか。発言の許可を求めているのだとはわかったので、リヒトは頷いた。
「構わない」
「ローランの視た未来どおりになったとして……黒髪の王子様と、白金髪の王女様が、双子で生まれたとします」
「ああ。そこが問題だ」
「……それが、あまり問題ではなくなります。ローランの異能を使えば」
「私? 私は、人の世にはあまり関わりたくない。アレクシア以外には」
「ありがとう。でも、私にも責任があることなの。協力してほしいと思うのは、駄目かしら?」
「駄目ではない。アレクシアの望みなら、私は叶えたい。……公主、その菓子は私のだ」
すっと干菓子を引き上げようとした闇華を制したローランは、綺麗な花型の干菓子を一口齧って、ほぅ、と満足そうな息を漏らした。
「アレクシア。話が見えないぞ」
「ええと……その。不意に思い出したんです。だから、リヒト様。さっきの……王となる子も、ならない子も、同じく愛するというお言葉は、守って下さいますか」
「誓う」
一切の躊躇いなく頷いたリヒトに、アレクシアはほっとしたように微笑んだ。その微笑みに、リヒトが少し顔を赤くしたのを見て、闇華はちょっとだけイラッとした。エルウィージュは露骨に苛立って、ブランデーをガンガン飲んでいる。にいさまより「うわばみ」かもしれない。
「それなら、お話しできます。私の知っている別の世界にですね、髪の色を変えられる道具があります」
「な……」
「もちろん、定期的に調整は必要です。でも、その道具を使えば、黒髪も銀髪になれます。エージュやアトゥール殿下みたいな、きらきらした綺麗な銀髪ではないですけど。白っぽいというか」
「それは白髪ではないのか」
「違います。違うはずです。髪の色を抜いて、それから銀や金に染め直すことができるんです」
「……銀髪崇拝者達が泡を吹いて倒れそうな話ですね」
正真正銘「銀髪」で生まれたアトゥールは、皮肉な笑いを抑えきれない。
シルヴィスも、同じ気持ちらしい。ただ、彼は白金髪の従弟への配慮なのか、黙っている。
「本当は、瞳も……赤ちゃんの時は無理ですけど、ある程度の歳になったら、カラーコンタクトというもので、色を変えられます。今日は蒼、明日は翡翠。そんなことも可能ですし――それこそ、銀にすることも可能です」
「……とんでもないな……」
「でも、それは専門の知識を持った方に診ていただいてからでないと使えないので、この世界では無理かなあと」
そこで、今度はエルウィージュが挙手した。発言の許可と、魔法の解除を求めてのものだ。リヒトはローランに依頼した。
「神竜王陛下。エルウィージュにかけた魔法を」
「うん。……はい、王の姫。もう話せる」
「ありがとうございます、陛下。ついでに兄上様も」
ローランには優しく笑いかけ、兄には素っ気なく礼を言ったエルウィージュは、二人の大公を見遣った。
「シルヴィスは、アリーの言葉で、何を得られました?」
「髪の色を好きに変えられる。アトゥール殿下ではないが、銀髪狂いの連中にはたまらないだろうな」
「殿下は?」
「……瞳の色も変えられる。自由自在に。だがその使用には専門的な知識が必要だから、この世界に道具を移すことはできない。――ならば、この世界に育てればいい。この世界に適した方法で、専門的に使える者を」
「……魔法の、新しい使い方か!」
アトゥールの言葉で、リヒトは瞠目した。
魔法は、この世界では身近だ。擬態の魔法は、威力の差はあれ、いくつかある。しかし、髪や瞳の色を変えるという発想は、この国――色素の薄さで格式を競うヴェルスブルクには、なかった。
「そうすれば、王家はもちろん、高位貴族も――下位貴族との婚姻、果ては平民との婚姻も考えるでしょうね。新しい血を入れることで、生まれる子の数は増えることは、歴史が語っています。それを無視して限られた家系で婚姻を続けてきたのは、淡い色の髪と瞳を次代に繋ぐ為ですもの」
エルウィージュはそう言って、淑やかに微笑んだ。
「アリー。あなたの発想はいつも優しいわ。わたくしには思いつかない」
「私は知ってただけ。エージュには話してなかったから、思いつかなくて当たり前。だからそれで私を褒めるのはなし」
「大好きよ、アリー。愛してるわ」
「うん」
親友の巻き毛をくるっと指に絡め、エルウィージュは機嫌よく笑った。
「神竜王陛下。アンファ様の魔法も解いてさしあげて下さいな。後で、チョコレートラスクを差し上げますから」
「わかった」
沈黙を解呪された闇華は、「妾にかけられた魔法は、菓子以下か」とちょっと切なかった。だが、相手は先代とはいえ神竜王だ。その圧倒的な魔力を、闇華達の体に負担がかからないよう、細心の配慮をしてくれたことは、わかっていた。
「お気遣い、ありがとうございます。先代様」
「いい。公主はさっき干菓子をくれたから」
――先代様の最優先はアレクシアで間違いないが、その次は、実は菓子なのではなかろうか。
「兄上様。アリーの提案どおりなら」
「ああ。本当にふさわしい子を、王位に就けられる。……それより先に、髪の色を変えられると、示してやった方が早いかな」
「ならば、妾が黒髪から金髪にでも変わりましょうか」
「駄目、アンファは黒髪が綺麗だからそれは駄目」
「アリーが反対なのでわたくしも嫌です」
「ならば、誰を――あ」
闇華以外の全員が思い出した。
茶褐色の髪と黒い瞳の、「聖剣将軍」ことカイン・シュラウスを。
そして二人に、エルウィージュが語ったあらましを説明する。
――銀髪の大公二人は、揃って溜息で応えた。
「前例がないにも程がある……まず一人を選んで、その子にだけ帝王教育する。色素で選ばれたのか器量で選ばれたのか、わからないようにする。そこまではいい。だが、リヒト」
「最も色彩の薄い子が、私とエルウィージュの子であった場合、如何なさる。正嫡の王子王女を退けて、王妹を母に持つとはいえ、臣下である大公家の子が王位に就くなど……」
「……そこは、私も思ったのだが」
「そして、おまえの息子は、黒髪だからという理由で、最初から「候補」にすら上がれない。本来なら、正嫡の第一王子たるその子が王位に就くべきなのに」
「長幼の別で、王位継承権を決めることにも、それなりに意味はあるのですよ、王太子殿下。無暗な王位継承争いを起こさないという意味が」
シルヴィスとアトゥールに、両方から説教されている。提案者のエルウィージュは、発言を封じられているのをいいことに、ブランデーを煽っていた。アレクシアが「もっとペース落として!」と窘めているが、ふんわりと華やかに笑うだけである。
闇華は、彼女付の侍女である聖が持ってきた干菓子を、ローランに勧めていた。懐柔だろうと、リヒトは思っている。
「だが、臣下は反対するだろう。黒髪の王を認めない。アンファを妃にすることに反対していた者は、それ見たことかと――黒髪の王妃だからだと、アンファが悪いかのように責める」
「……あの。私の知識でよければ、ですけど……」
挙手したのは、アレクシアだった。何故手を挙げるのか。発言の許可を求めているのだとはわかったので、リヒトは頷いた。
「構わない」
「ローランの視た未来どおりになったとして……黒髪の王子様と、白金髪の王女様が、双子で生まれたとします」
「ああ。そこが問題だ」
「……それが、あまり問題ではなくなります。ローランの異能を使えば」
「私? 私は、人の世にはあまり関わりたくない。アレクシア以外には」
「ありがとう。でも、私にも責任があることなの。協力してほしいと思うのは、駄目かしら?」
「駄目ではない。アレクシアの望みなら、私は叶えたい。……公主、その菓子は私のだ」
すっと干菓子を引き上げようとした闇華を制したローランは、綺麗な花型の干菓子を一口齧って、ほぅ、と満足そうな息を漏らした。
「アレクシア。話が見えないぞ」
「ええと……その。不意に思い出したんです。だから、リヒト様。さっきの……王となる子も、ならない子も、同じく愛するというお言葉は、守って下さいますか」
「誓う」
一切の躊躇いなく頷いたリヒトに、アレクシアはほっとしたように微笑んだ。その微笑みに、リヒトが少し顔を赤くしたのを見て、闇華はちょっとだけイラッとした。エルウィージュは露骨に苛立って、ブランデーをガンガン飲んでいる。にいさまより「うわばみ」かもしれない。
「それなら、お話しできます。私の知っている別の世界にですね、髪の色を変えられる道具があります」
「な……」
「もちろん、定期的に調整は必要です。でも、その道具を使えば、黒髪も銀髪になれます。エージュやアトゥール殿下みたいな、きらきらした綺麗な銀髪ではないですけど。白っぽいというか」
「それは白髪ではないのか」
「違います。違うはずです。髪の色を抜いて、それから銀や金に染め直すことができるんです」
「……銀髪崇拝者達が泡を吹いて倒れそうな話ですね」
正真正銘「銀髪」で生まれたアトゥールは、皮肉な笑いを抑えきれない。
シルヴィスも、同じ気持ちらしい。ただ、彼は白金髪の従弟への配慮なのか、黙っている。
「本当は、瞳も……赤ちゃんの時は無理ですけど、ある程度の歳になったら、カラーコンタクトというもので、色を変えられます。今日は蒼、明日は翡翠。そんなことも可能ですし――それこそ、銀にすることも可能です」
「……とんでもないな……」
「でも、それは専門の知識を持った方に診ていただいてからでないと使えないので、この世界では無理かなあと」
そこで、今度はエルウィージュが挙手した。発言の許可と、魔法の解除を求めてのものだ。リヒトはローランに依頼した。
「神竜王陛下。エルウィージュにかけた魔法を」
「うん。……はい、王の姫。もう話せる」
「ありがとうございます、陛下。ついでに兄上様も」
ローランには優しく笑いかけ、兄には素っ気なく礼を言ったエルウィージュは、二人の大公を見遣った。
「シルヴィスは、アリーの言葉で、何を得られました?」
「髪の色を好きに変えられる。アトゥール殿下ではないが、銀髪狂いの連中にはたまらないだろうな」
「殿下は?」
「……瞳の色も変えられる。自由自在に。だがその使用には専門的な知識が必要だから、この世界に道具を移すことはできない。――ならば、この世界に育てればいい。この世界に適した方法で、専門的に使える者を」
「……魔法の、新しい使い方か!」
アトゥールの言葉で、リヒトは瞠目した。
魔法は、この世界では身近だ。擬態の魔法は、威力の差はあれ、いくつかある。しかし、髪や瞳の色を変えるという発想は、この国――色素の薄さで格式を競うヴェルスブルクには、なかった。
「そうすれば、王家はもちろん、高位貴族も――下位貴族との婚姻、果ては平民との婚姻も考えるでしょうね。新しい血を入れることで、生まれる子の数は増えることは、歴史が語っています。それを無視して限られた家系で婚姻を続けてきたのは、淡い色の髪と瞳を次代に繋ぐ為ですもの」
エルウィージュはそう言って、淑やかに微笑んだ。
「アリー。あなたの発想はいつも優しいわ。わたくしには思いつかない」
「私は知ってただけ。エージュには話してなかったから、思いつかなくて当たり前。だからそれで私を褒めるのはなし」
「大好きよ、アリー。愛してるわ」
「うん」
親友の巻き毛をくるっと指に絡め、エルウィージュは機嫌よく笑った。
「神竜王陛下。アンファ様の魔法も解いてさしあげて下さいな。後で、チョコレートラスクを差し上げますから」
「わかった」
沈黙を解呪された闇華は、「妾にかけられた魔法は、菓子以下か」とちょっと切なかった。だが、相手は先代とはいえ神竜王だ。その圧倒的な魔力を、闇華達の体に負担がかからないよう、細心の配慮をしてくれたことは、わかっていた。
「お気遣い、ありがとうございます。先代様」
「いい。公主はさっき干菓子をくれたから」
――先代様の最優先はアレクシアで間違いないが、その次は、実は菓子なのではなかろうか。
「兄上様。アリーの提案どおりなら」
「ああ。本当にふさわしい子を、王位に就けられる。……それより先に、髪の色を変えられると、示してやった方が早いかな」
「ならば、妾が黒髪から金髪にでも変わりましょうか」
「駄目、アンファは黒髪が綺麗だからそれは駄目」
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