転生したら王族だった

みみっく

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第三章 ‐ 戦争の影

200話 ギャップ萌えと、最強の甘え技

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 そのとき――

「ふふ……見事ですわね、レイニーくん。」

 ひらりと日傘を傾けながら、アリシアが優雅に登場した。

「わがままで困ったお姫様も、あなたの前では猫みたいにおとなしいんですもの。」

「にゃっ!? こ、こらアリシアっ! わたしは猫ではありませんわよっ!」

「ふふ……でも、今のあなたはすごく……可愛いですわ。」

 そう言ってにこりと笑うアリシア。
 それ、褒めてるようでちょっと煽ってない!?

「で、でも、ちゃんとレイニー様の言うこと聞いただけですわっ!」

「はいはい、よくできました~♪」

 俺はつい、セリーナの頭をポンポンしてしまった。
 その瞬間、ちょっとだけ頬が赤くなったの、見逃してないぞー?

 アリシアはその様子を見て、小さくため息をつきながら――

「……やっぱり、あなたには敵いませんわね。」

 って、何その不思議な目線!? え、ちょっと照れてるの!? なんか俺、照れる!!

 というわけで、今日の王都はちょっぴり騒がしくて、でもどこかほんわかしてる――
 ……そんな一日になりそうな、予感がするんだっ♪


 ――その後、王都のにぎやかな広場へやってきた。

 金のティアラが揺れるたび、誰もが振り返る。――もちろん、その中心にはセリーナ王女様。

 だけど今、そのセリーナが……俺の袖を、ぎゅっ……て握ってるんだけど?。

「レイニー様……」

「ん? どしたの、セリーナ?」

「……今日は、わたしのために時間をくださって……ありがとうですわ……」

 ふと見上げた彼女の黄金の瞳が、いつもみたいにわがままでギラギラしてるんじゃなくて、なんか……ぽや~っと潤んでて、すごく柔らかい。

「へっ!? え、な、なにっ!? どしたの急に!? 顔、近くないっ!?」

「ふふっ♪ だって、レイニー様ってば……さっき、わたしのこと『可愛い』って言いましたでしょ?」

「あ、いや、それはっ……つい、口がすべって――」

「じゃあ、責任……取ってくださらないとですわ♡」

 うわああああああ!? なにその破壊力っ!?!?
 すっごい笑顔っ!! 距離ゼロっ!? なんか甘い匂いするっ! あ、だめ!顔赤くなる!!

 しかも、ちょっと拗ねたように――

「今日、わたしだけに優しくしてくださいね……? わたし、末っ子ですから、甘やかされるのが当然なんですの♪」

 そう言って、指先で俺の袖をつまんでぶんぶん振ってる……って、なにこの最強の甘え技っ!!

 や、やばい……これは……ギャップ反則すぎるぞぉぉぉっ!?

そのとき――

「……レイニーくん」

 アリシアが、ちょっと苦笑しながらやってきた。手には封蝋された手紙。

「申し訳ありません、少し家の用事で戻らねばならないようです。執事が迎えに来ましたので……」

「え、そ、そうなの? じゃあ、俺が送って――」

「いいえ。あなたは“王女様”をお守りしなければなりませんもの。……ふふ、まるで騎士様みたいですね?」

 にこっと微笑んで、アリシアは控えめに頭を下げ、使用人とともに歩いていった。

 ……まさか、気を使ってくれたのか?アリシアって、やっぱり大人だなぁ……。

 そう思った瞬間、今度はセリーナが、ふにゃ~っと笑って――

「……やったぁ、二人きりですわねっ♡」

「や、やったって、おいおいっ!? そんな満面の笑みで……!」

「レイニー様、手、繋ぎましょ? わたし、転びやすいんですの♪ ……あと、甘えたいですの♡」

「うぐっ……あ、あまあま攻撃すぎる……!! 俺、完全に負けてるぅぅ……!」

 俺の手をぐいっと取って、ちっちゃな手でぎゅって握ってくるセリーナ。
 なんていうかもう……王女様って、こんなに無敵で可愛くてずるい存在だったのかぁ~!?!?

 その後の王都デート、俺はずーっと顔が熱くて、護衛たちから「がんばれレイニー……」って憐れまれてたよぉ~っ!

 王都の石畳の路地裏、午後の日差しがほんのりとオレンジ色に染まってて……
 俺たち、なんとな~く人混みを抜けて静かな小道に入ってた。

 セリーナは手を繋いだまま、足をぴとっ、って寄せてくる。

「レイニー様ぁ……ちょっとだけ、しゃがんでいただけます?」

「えっ? え、えぇと? しゃがむって……こ、こう?」

「はいっ♪ そのまま動かないでくださいね~」

 ――って、きゅっ!!

「ほえっ!? せ、セリーナっ!?!?!?」

 しゃがんだ俺の首に、後ろから両手がふわっと回されて、
 ほっぺが……耳が……あったかい感触で……ぴとってくっついてる……!?

「……えへへ、レイニー様の首、細くていい香りですわ~♡」

「ぎゃああああ!?!? な、なにしてんのっ!?!?!?!?」

「だってぇ~、好きな人の匂いって落ち着きますの♪ あと、こうしてると、心がぽかぽかして……」

 そ、そんな満足そうな顔で言わないでぇぇぇぇっっ!?
 近衛も衛兵も、みんな目をそらしてるし!? 誰か助けて~っ!!

「も、もぉおおっ! 離れてよぉおお!!」

「やです♡ わたし、今日はレイニー様にぎゅーってしたい気分なんですの♡」

「ぎゅーって……って、それ、俺がするやつぅぅぅぅぅっ!!」
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