転生したら王族だった

みみっく

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第三章 ‐ 戦争の影

214話 恋の告白と、新たなライバルの登場

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 ラヴェンナに抱えられたまま、レイニーは屋敷に連れ戻されていった。
 その背を見送るセリーナの表情は、ぷくーっと怒ったまま赤くなっていた。

「うぅ……あんな堂々と抱き上げるなんて……ずるいっ……」

 そのとき、ふわりと風に乗って降り立ったのは――
 ルミエールだった。

「んふふ~ん♪ セリーナさま、お元気ですかぁ?」

 花のような笑顔で、擬人化したルミエールがひらひら手を振る。

「えっ? あっ……ルミエール?」

「ふふんっ♪ 今日はとっておきの場所へ、ご案内しちゃいますっ!」

 キラッとウィンクして、ルミエールが指差した先は――

 立ち入り禁止区域とされていた、かつて廃村の領主が住んでいた古びた屋敷。

「えっ……あそこ、レイニーくんが“危険だから絶対に入っちゃダメ”って……」

「そーですよ~? でも、セリーナさまには特別に、許可が出たんですっ♪
 ラヴェンナさんと主さまが相談して、 “もう危険はない” って判断したんですって」

「えっ、許可……!? わたしに!?」

 セリーナが目を見開いて驚くと、ルミエールは嬉しそうに手を引いた。

「うんっ! セリーナさまって、レイニーさまの “大事な人” ですから♡」

「……っ……っ!!」

 またしても真っ赤になって、セリーナは口を手で押さえる。

「わ、わ、わたし……そ、そんなっ……だ、だいじ……ふぁっ、ふぁあああっっ……!!」

 パニックのセリーナをよそに、ルミエールはくすくすと笑って、
「いきましょっ♡」と、彼女の手を引いて廃屋へと導いた――。 


 場所は、ラヴェンナの準備した屋敷のサロン。
 月明かりが差し込む窓辺で、ふかふかのクッションとお茶菓子がずらり。

 集まったのは――

 フリルエプロン姿のルミエール(テンションMAX)

 薬草の香りを纏ったルフィア

 カップ片手に微笑むアリシア

 ストレートな視線のセリーナ

 そして、ふてくされた顔で座っているミア。

「ふふふ、今日は語ってもらいますわよ……セリーナさん♪」

アリシアがくいっとカップを持ち上げ、ルミエールがぴょんと跳ねる。

「セリーナさまぁ~っ♡ レイニーさまと、何があったんですかぁ~!?!?
抱きしめられた!? キス!? 添い寝!?お姫様抱っこっ!?」

「な、ななななっ……っ///!!」

セリーナが一気に湯気を噴きそうになって、テーブルに突っ伏した!

「ちがっ、違うってばぁ~っ! そんなのじゃ……あ、あったけど……っ!!」

「――あったのね?」

 アリシアのスナイパー級の視線。
 ルミエールのぱちぱち拍手。

「ふふふ~♪やっぱりセリーナさま、レイニーさまに特別なんですねぇ~♡
あ、でもミアちゃんの方が古株ですもんね? ねっ? どぉ?」

 そこで、視線が集まった先――

 ソファに座ったミアが、くるりとそっぽを向いて。

「……べつに……ミアなんか、どーせ “いちばん最初に一緒にいた” だけですからー……」

 頬を――ぷくーっと! かわいく膨らませた!!

「ミアぁぁっ! かわいいぃぃっ!!」

ルミエールが思わず抱きつく!

「はなしてーっ!ミア、すねてなんかいませんっ!」

ぷんぷんと小さな拳をふりふり。尻尾がぴこぴこ動いてる!

 セリーナは思わず見惚れて、
「……ミアちゃんって、ほんと、かわいすぎる……」とぽそっと呟く。

「んっ……」

 その一言に、ミアの耳がぴくっと動いて、
「べっ、別に……かわいくなんかないですからっ……」と
 さらに顔を真っ赤にしてうつむいた。

 ――そんな、夜の女子会は笑いとときめきに包まれて進んでいくのでした♡


 サロンの空気はあたたかく、ラヴェンナが持ってきた漆黒のトレイに、美しく並んだお菓子たちが湯気の立つ紅茶と共に置かれた。

「……蜂蜜と月桂樹の実を練り込んだ、夜の菓子です」

 彼女は静かに一言だけ告げると、そっとミアのカップに紅茶を注いでいく。

「ラヴェンナさんって……なんか、すごいですね……」

 セリーナが思わず呟くと、ルミエールがぱっと目を輝かせて、
「でしょでしょ!?ラヴェンナさまの女子力っていうか、魔女力っていうか……完璧っ!!」

 その横で――ミアの尻尾がぴくっ……ぴくっ……
 甘い香りのお菓子にうっとりしつつ、でも、どこか気を張った表情。

 ふわりとした雰囲気の中、アリシアが一歩近づいて、
 セリーナの隣で、そっと囁いた。

「……ミアさんは、その……龍王国の王女様ですからね?」

「えっ……?」

 セリーナがカップを持つ手を止めた。

「セリーナ様と、同じ “王女様”。しかも、龍王国は古代より続く力の国家。
財力も、軍事力も、比べ物にならない規模です。……あ、でも――」

 アリシアはほんの少しだけ、口元に意味深な微笑を浮かべる。
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