転生したら王族だった

みみっく

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第三章 ‐ 戦争の影

215話 花畑の密談と、乙女の誓い

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「その龍王国が、 “この村の属国になりたい” と願い出て、受理されたんです。
レイニーさまの意思で――ね?」

 セリーナは――少し目を見開いた。

(……あの子が、王女?それも……最強国家の……)
(そんな子が、レイニーくんと一緒に育ってて……毎日、隣に……?)

 チラリと視線を送った先――
 ミアが、ラヴェンナのクッキーをもぐもぐしながら、頬にクリームつけてる。

 ルフィアが優しく拭いてあげて、ミアは照れて「うぅぅぅぅ……」って顔を赤くしてる。

 セリーナの胸が――なんかちょっぴり、もやっとした。

「……負けないんだから……」

 小さく、誰にも聞こえないように呟く。

 その言葉に、隣のアリシアがふふっと笑って、
「いい顔ですわ、セリーナ様」


 紅茶の香りがほんのり漂うサロン――
 ラヴェンナの完璧なティータイム演出の中、セリーナの視線がそっとミアに向けられた。

(あの子が……王女。しかも、レイニーくんと、あんなに仲良しで……)

 ミアは、ふわふわの頬を紅く染めながら、
 ルフィアに「……こ、これは……とてもおいしい……」と小さくもじもじとお礼を言っていた。

 その瞬間――

「うぅぅぅ……」
 思わずセリーナが声を漏らす。

 ミアのふにゃっとした笑顔と、ぴくぴく動く尻尾のダブル攻撃に、王女のプライドがぐらついた!

(な、なんなのその破壊力……!? 負けてない、わたしだって……!)

 と、そこで――

 ミアもまた、こっそりセリーナをチラ見していた。

(セリーナさん……お姫様らしくて……華やかで、可愛い……
うぅぅぅ……わたしも、がんばらなきゃ……)

 ふたりの視線が交差し――目が合った。

「……こ、こんにちは……あの、ミアっていいます」
 ミアがふわっと微笑む。

「わ、わたしは、セリーナ・グリムファング!……王女ですっ!」
 と、なぜか張り合うように自己紹介したセリーナ。

 ミアが「えへへ、同じ……ですね」と小さく笑うと、
 セリーナは少しきょとんとして――頬をぽっと染めた。

「そ、そうね……同じ、王女……ね。だったら……」
 と、セリーナは小さな手を差し出す。

「王女同士、友好同盟を結びましょう。平和と……可愛さのために!」

 ミアは一瞬、ぱちぱちと目を瞬かせて――
「うんっ!」と嬉しそうに、その手をぎゅっと握った。

 ふたりの間に、ふわりとした優しい風が流れる。

 その様子を見ていたアリシアがくすっと笑い、ルミエールが「きゃーっ!尊い~~っ!」と騒ぎ、ラヴェンナが静かに紅茶を注ぎ足した。


 同盟を結んだセリーナとミアは、そっと立ち上がると――
「ちょっと、ふたりで……お散歩でも?」とセリーナがミアに微笑む。
 ミアも、こくりと頷き、「はいっ」と笑った。

 ふたりが向かったのは、村の外れにある小さな花畑。
 ラヴェンナが整備していた秘密の場所で、風が心地よく吹き抜ける静かなスポット。

 そして、花畑の真ん中に腰を下ろすと――

「ねえ、ミア……レイニーくんって……どういう時が一番、かっこいいって思った?」
セリーナが顔をほんのり赤くしながら、問いかけた。

「えっ……えっと、えっとね……」
ミアも、尻尾をぴくぴくさせながら、ふにゃっと笑う。

「この前、助けてくれた時…… “大丈夫だよ” って、頭なでてくれて……」
「わ、わたしも! わたしも、それされたーっ!」
「きゃーっ♡」

 思わずふたりで顔を見合わせて――
「「ふえぇぇぇ……レイニーくんって、ずるいっ!!」」

 顔を真っ赤にして、キャッキャッと笑い合う。
 お互いの話に頷き合って、
「手、大きいよね~」「声、落ち着くよね~」と、完全に “ガールズトーク” モード。

 花が風に揺れて、ふたりのさらさらに輝くの髪がふわっと揺れる。

 遠くから見ていたアリシアが、そっと目を細めた。

「ふふ……王女さまたち、すっかり仲良しね」
 ルミエールはぽやんとしながら「わたしも混ざりたいですぅ……」
 ラヴェンナは紅茶のカップをトレーにのせながら、「あれはもう……戦場ですね」と静かに呟いた。

 そして――
 誰もが知っていた。

「ふたりとも……本気で、レイニーくんが好きなんだな」ってこと。

 セリーナが真剣な眼差しで小指を差し出す。
「レイニーくんのこと……お互い、応援し合おう。王女の誓いよ、ミア!」

 すると、ミアはちょっとだけきょとんとしたあと、にっこり笑って――

「うんっ!」と、元気に小指を絡めてくれる。

 その声に、セリーナは思わず頬をほころばせて、
「ふふ……やっぱり、ミアって可愛いわね」とポツリ。

 ミアはちょっと照れて、しっぽがぴくぴく!

「せ、セリーナこそ……とってもきれいで、かっこいいよぅ……」
「なっ……うぅ……ありがと……!」
 セリーナは照れながらも笑って――

 こうしてふたりの「レイニー守護同盟」が結ばれたのであった🌸✨
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