転生したら王族だった

みみっく

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第二章 ‐ 迫害と対立と交流と絆

107話 アリシアとの出会い_3

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「そして、防犯面でも不安があります。村は無秩序の森の近くに位置しており、森から魔物が出没することがあり、住民たちは常に恐怖と隣り合わせの生活を送っているのではないですかね。

 これらの問題を解決するためには、普通は村全体で協力し、王国や外部の支援を受けながら改善を図る必要がありますよ」アリシアが、俺の腕に抱き着きながらテーブルを見つめて教えてくれた。

「なるほどね。水は魔石に水魔法を付与しているから、水の問題は大丈夫。魔力供給も同じく魔石で対応できてるよ。医療も魔法でケガや病気を治せる仲間がいるから問題ないよ。学校かぁ……学校は確かに問題だよねぇ」と言いつつ、俺はアリシアを見てニヤッと笑った。アリシアはその視線に気づき目を逸らした。

「え? 私は、忙しいので……む、無理ですよぉ」アリシアが目を逸らしながら拒否してきた。

 でも、この村には子供は……うん。いっぱいいるけど、見た目だけで実際の歳は知らないや。多分ドラゴンだし、知識量は普通の人間よりはあるんじゃないかなぁ……?

「そうだ、農業も良いかもね。おもしろそう! 後で、詳しく指導をお願いしまーす♪」

「え? 農業も専門家じゃないので……でも、私も興味があるのでレイニーくんも一緒に頑張ってみよ?ねっ?」

「うん。アリシアが来てくれて助かるなぁ~。あ、防犯面は完璧だから心配しないで!というか、不審者が森に侵入しても辿り着けないだろうし、村へ侵入しても見てわかるでしょ? ヘルハウンドにデスナイトとかシャドウアサシンがいるからね。空にはヘルフレイムワイバーンも巡回して見張ってくれてるしさぁ」

「えぇ……それは完璧ですね……無秩序の森の魔物も入ってこない?」

「うん。結界があるしね。入ってきたとしても瞬殺じゃないかなぁ……ドラゴンもいるしさっ♪ ね? ミア」

「うん! まかせてっ。わたしが倒すっ」ドラゴンが人間に擬態をしたミアが、俺の膝の上に寝転がりながら胸の前で力強くこぶしを握った。

「王国に外部の協力か~。それは、必要ないね。村ってだけで王国に属してないし、財政も困ってないしなぁ。財源は必要かな?」

「えぇ……っと、普通は必要なんですけど。インフラの整備と維持費、道路整備、医療機関と教育、防犯対策による治安の向上に必要なんですけど……必要なさそうですね」うふふ……とアリシアが可愛く微笑んだ。

「えぇ~、なんで笑ってるの? ひどーい」むぅ~と頬を膨らませてアリシアを見つめた。

「いえ。私も必要ないと思いまして。道路整備もインフラの維持費も必要ないので……すごいなぁと思いました」

 なんだか褒められたような気がして、アリシアと顔を見合わせて二人で微笑み合った。
 

 ——その後、夕食時に豪華な食事が用意され、アリシアは目を輝かせていた。

「森での食事をイメージしていたので……質素なパンと山菜のスープだと思っていました」とアリシアが申し訳なさそうに言ってきた。レイニーも同じことを思っていたので笑ってしまった。

「あはは、俺も同じことを思ってたー。無秩序の森の魔物は、けっこう美味しい肉が獲れるんだよ」

「えっ!? こ、これ魔物の肉なんですか!?」とアリシアが驚いた表情で固まっていた。

「うん。ビックリするかもしれないけど、美味しいでしょ? まぁ……SとかAランクの冒険者でも狩るのは厳しいと思うけどね」

 テーブルの中央には、大きなワイバーンのローストが堂々と鎮座していた。その肉はジューシーで、皮はパリパリとした食感が特徴的。香ばしい香りが漂い、視覚と嗅覚を刺激して食欲をそそった。付け合わせには、色鮮やかな野菜のグリルやハーブをふんだんに使ったソースが添えられており、見た目にも美しい盛り付けだった。
 
「ちなみにですけど、なんのお肉?」とアリシアが尋ねた。

「今日のは、無秩序の森の魔物のワイバーンのお肉だよ。俺が倒したんだ~えへへ……♪」と自慢げに笑った。

 ミアも話に入ってきた。「そうそう、わたしでも倒せなかったのに……レイニーくん、簡単に倒しちゃうんだもん。強すぎぃ~」

 ミアがワイバーンにちょっかいを出して襲われていたんだよなぁ。そのおかげで魔石に食材が手に入って良かった♪この無秩序の森のワイバーンは意外と知能が高く、襲われた相手を憶えていて、テリトリーに入ると気配に気づいて追い出そうとしてくるみたい。現にミアを排除しようと襲い掛かってきたしなぁ。

「普通のワイバーンもかなり強いと聞きますけど?」とアリシアは驚いた表情でレイニーを見つめて言った。

「そうなんだ。じゃあ、まぐれだったのかなぁ~あはは……」と食事を続けながらごまかした。

「普通のワイバーンの素材も高値で取引されてると聞きますし、この村の特産品として売り出せば良いのではないでしょうか?そのお金で野菜を買ったり、教師を雇ったりすればどうでしょう?」とアリシアが考え始めた。

 特産品かぁ……ん~捨てる骨、牙、鱗、爪、血、翼を売るのか。俺は冒険者じゃないし、冒険者なら当たり前のことだったなぁ……アニメやゲームなら素材集めだよな。すっかり害獣駆除な感じで倒してお終いにしていて、倒したんだから肉を食べてみようとか思っただけなんだけどね。

 俺が素材集めしてもなぁ……売る宛がないし、俺が直接素材を店に売りに行ったら大騒ぎだしね。でも村の特産品なら騒がれずに済むかもね。
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