142 / 223
第三章 ‐ 戦争の影
142話 きっかけ_10
しおりを挟む
は!? なに言ってるんだ……俺。リオンの言う通り、動揺してるのかもしれない。この話は……危険だ。早く切り替えないと。
「別の話にしよ! ね? 明日だけど、どうする? 練習するの? 休む? 仕事だってあるだろうしさ。」俺は無理やり話題を変更した。
「レイニーくんさえ良ければ……明日もお願いしたいな。」リオンも意識したのか、目を逸らしながら頬を赤く染めて呟くように言ってきた。
「分かった。明日も同じ時間に約束しようか。」
「うん。やくそくなー!」リオンは嬉しそうに笑顔で返事をした。その笑顔がなんとも純粋で、少しだけ心が和らぐ。
リオンが言った通り、肉は香草のおかげで臭みが消え、塩味がしっかり効いている。焼き鳥の塩味のような濃厚な肉汁が溢れ出し、思わず唸るほど美味しかった。
数日間通い続けたことで、リオンとはさらに仲良くなり、以前感じていた気まずさはすっかり消えていた。冗談を言い合ったり、気軽に会話できる関係になり、練習もスムーズに進むようになった。
「レイニーくん。おれ、強くなったんじゃない?」リオンは得意げににひひ♪ と笑い、魔物を倒せるようになったことで自信を見せてきた。その様子に俺は少し微笑む。確かに慣れた冒険者が倒せる程度の魔物を片付けられるようになったのだから、冒険者と名乗っても問題ないくらいの強さにはなっている。
ただ、ここでそれを素直に伝えると、調子に乗って大ケガをしそうな性格だというのは理解している。だからこそ、褒めると同時にしっかり注意も必要だ。
「そりゃー剣の訓練をしてるからなー。成長してくれないと困るってー。でも、油断すると大ケガするぞ!」俺は軽い調子で言いつつも、リオンにしっかり伝わるように注意を促した。
「なんだよー。やっぱり、レイニーくんは厳しいなぁー。でも、褒められたーえへへっ♪」と、言いながら後ろから抱きしめられた。
「ちょ、ちょっとー胸が当たってるってばぁ」ふにゅふにゅぅっとした感触が、背中に伝わってきた。また、気まずくなるじゃんっ。
「えへへ。気にするなよー! 格好は男っぽくなっただろ?」リオンは初日の練習の帰り際に、分離と統合のスキルと具現化スキルで作り直した服を誇らしげに見せてきた。
気にするなって……ムリでしょ。可愛い女の子だって知ってるんだしさぁ……。でも、リオンが気にしないなら、それで良いか。
「はいはい。気にしませんよー。」俺は軽くカラ返事をして誤魔化した。「そう言えば、髪飾りは使わないの?」ふと思い出して聞いてみた。
「はぁ? この格好で……? 似合わないだろー。」リオンは嫌な顔をして言い返してきた。
「ん……似合うんじゃない?」俺はさらっと返した。ボーイッシュな女の子って感じだし、顔が可愛いからワンポイントで髪飾りをつければ、さらに魅力的になると思う。
「はぁ? ウソだぁー!! 絶対笑うだろっ……。」リオンは少しムキになりながら言ったが、次の瞬間、挑発するように頬を赤く染めながら続けた。「ん……そこまで言うなら、じゃあ~髪飾り付けたらキスしてもらおうかな~♪ へへーん。できないだろー!?」
その挑発的な態度に、少し期待しているのが見え隠れしていて、思わず心の中で「反則だろ」と呟いてしまった。
いや、普通に可愛いと思うし……キスをして良いなら嬉しいけど? 逆に良いのか……俺で?
上着の内ポケットから髪飾りを出し、恥ずかしそうに付けようとするが、慣れていないせいで苦戦していた。
「やっぱり、付けてないから慣れてないんだね」俺が近づき髪飾りを付けてあげると、だんだんと顔が赤くなって俯いてしまった。
「……うぅぅ……どお? 似合ってるのか? なあー?」目をうるませて見つめられた。こんな近くで、そんな表情をされたら……抱きしめたくなるじゃん。
ぎゅぅっと抱きしめると、胸の柔らかな感触と最近気にしているのかいい香りがしてきた。出会った頃は、少し汗臭い臭いだったんだけど。その変化が嬉しかったりもした。俺を意識してくれてるんだろうなーとか勝手に思っていた。
「いい匂いだね……リーナ」つい……ホントの名を口にしてしまった。
「それ、遠回しに似合ってるって言ってくれてるのか……?」リーナも抱きしめ返してくれた。
「まぁ……似合ってるって言ってるじゃん」少し背の高いリーナを見上げると目があった。
「ん……! 約束の……キス……しろよ……んっ」キレイな桃色の唇を窄めて可愛く突き出した。
頬じゃなくて……唇なんだ?
「リーナ、慣れてるの? そんなに簡単にさぁ」
「はっ!? おれが、こんな事するわけねーじゃん! 相手いねーし……レイニーくんだけに決まってるだろー! やくそくだからなー……それとも、イヤだった? ……なら、ムリにしなくてもいいんだけどなぁ……」抱きしめていた腕の力が抜けた。
「そうじゃなくて、他の人にリーナを取られたくないなーって思って……」正直、リーナを他の男に取られるのが嫌になるくらいに想っていた。
「別の話にしよ! ね? 明日だけど、どうする? 練習するの? 休む? 仕事だってあるだろうしさ。」俺は無理やり話題を変更した。
「レイニーくんさえ良ければ……明日もお願いしたいな。」リオンも意識したのか、目を逸らしながら頬を赤く染めて呟くように言ってきた。
「分かった。明日も同じ時間に約束しようか。」
「うん。やくそくなー!」リオンは嬉しそうに笑顔で返事をした。その笑顔がなんとも純粋で、少しだけ心が和らぐ。
リオンが言った通り、肉は香草のおかげで臭みが消え、塩味がしっかり効いている。焼き鳥の塩味のような濃厚な肉汁が溢れ出し、思わず唸るほど美味しかった。
数日間通い続けたことで、リオンとはさらに仲良くなり、以前感じていた気まずさはすっかり消えていた。冗談を言い合ったり、気軽に会話できる関係になり、練習もスムーズに進むようになった。
「レイニーくん。おれ、強くなったんじゃない?」リオンは得意げににひひ♪ と笑い、魔物を倒せるようになったことで自信を見せてきた。その様子に俺は少し微笑む。確かに慣れた冒険者が倒せる程度の魔物を片付けられるようになったのだから、冒険者と名乗っても問題ないくらいの強さにはなっている。
ただ、ここでそれを素直に伝えると、調子に乗って大ケガをしそうな性格だというのは理解している。だからこそ、褒めると同時にしっかり注意も必要だ。
「そりゃー剣の訓練をしてるからなー。成長してくれないと困るってー。でも、油断すると大ケガするぞ!」俺は軽い調子で言いつつも、リオンにしっかり伝わるように注意を促した。
「なんだよー。やっぱり、レイニーくんは厳しいなぁー。でも、褒められたーえへへっ♪」と、言いながら後ろから抱きしめられた。
「ちょ、ちょっとー胸が当たってるってばぁ」ふにゅふにゅぅっとした感触が、背中に伝わってきた。また、気まずくなるじゃんっ。
「えへへ。気にするなよー! 格好は男っぽくなっただろ?」リオンは初日の練習の帰り際に、分離と統合のスキルと具現化スキルで作り直した服を誇らしげに見せてきた。
気にするなって……ムリでしょ。可愛い女の子だって知ってるんだしさぁ……。でも、リオンが気にしないなら、それで良いか。
「はいはい。気にしませんよー。」俺は軽くカラ返事をして誤魔化した。「そう言えば、髪飾りは使わないの?」ふと思い出して聞いてみた。
「はぁ? この格好で……? 似合わないだろー。」リオンは嫌な顔をして言い返してきた。
「ん……似合うんじゃない?」俺はさらっと返した。ボーイッシュな女の子って感じだし、顔が可愛いからワンポイントで髪飾りをつければ、さらに魅力的になると思う。
「はぁ? ウソだぁー!! 絶対笑うだろっ……。」リオンは少しムキになりながら言ったが、次の瞬間、挑発するように頬を赤く染めながら続けた。「ん……そこまで言うなら、じゃあ~髪飾り付けたらキスしてもらおうかな~♪ へへーん。できないだろー!?」
その挑発的な態度に、少し期待しているのが見え隠れしていて、思わず心の中で「反則だろ」と呟いてしまった。
いや、普通に可愛いと思うし……キスをして良いなら嬉しいけど? 逆に良いのか……俺で?
上着の内ポケットから髪飾りを出し、恥ずかしそうに付けようとするが、慣れていないせいで苦戦していた。
「やっぱり、付けてないから慣れてないんだね」俺が近づき髪飾りを付けてあげると、だんだんと顔が赤くなって俯いてしまった。
「……うぅぅ……どお? 似合ってるのか? なあー?」目をうるませて見つめられた。こんな近くで、そんな表情をされたら……抱きしめたくなるじゃん。
ぎゅぅっと抱きしめると、胸の柔らかな感触と最近気にしているのかいい香りがしてきた。出会った頃は、少し汗臭い臭いだったんだけど。その変化が嬉しかったりもした。俺を意識してくれてるんだろうなーとか勝手に思っていた。
「いい匂いだね……リーナ」つい……ホントの名を口にしてしまった。
「それ、遠回しに似合ってるって言ってくれてるのか……?」リーナも抱きしめ返してくれた。
「まぁ……似合ってるって言ってるじゃん」少し背の高いリーナを見上げると目があった。
「ん……! 約束の……キス……しろよ……んっ」キレイな桃色の唇を窄めて可愛く突き出した。
頬じゃなくて……唇なんだ?
「リーナ、慣れてるの? そんなに簡単にさぁ」
「はっ!? おれが、こんな事するわけねーじゃん! 相手いねーし……レイニーくんだけに決まってるだろー! やくそくだからなー……それとも、イヤだった? ……なら、ムリにしなくてもいいんだけどなぁ……」抱きしめていた腕の力が抜けた。
「そうじゃなくて、他の人にリーナを取られたくないなーって思って……」正直、リーナを他の男に取られるのが嫌になるくらいに想っていた。
5
あなたにおすすめの小説
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
小さな貴族は色々最強!?
谷 優
ファンタジー
神様の手違いによって、別の世界の人間として生まれた清水 尊。
本来存在しない世界の異物を排除しようと見えざる者の手が働き、不運にも9歳という若さで息を引き取った。
神様はお詫びとして、記憶を持ったままの転生、そして加護を授けることを約束した。
その結果、異世界の貴族、侯爵家ウィリアム・ヴェスターとして生まれ変ることに。
転生先は優しい両親と、ちょっぴり愛の強い兄のいるとっても幸せな家庭であった。
魔法属性検査の日、ウィリアムは自分の属性に驚愕して__。
ウィリアムは、もふもふな友達と共に神様から貰った加護で皆を癒していく。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
スキル買います
モモん
ファンタジー
「お前との婚約を破棄する!」
ローズ聖国の国立学園第139期卒業記念パーティーの日、第3王子シュナル=ローズレアは婚約者であるレイミ・ベルナール子爵家息女に宣言した。
見習い聖女であるレイミは、実は対価と引き換えにスキルを買い取ることのできる特殊な能力を有していた。
婚約破棄を受け入れる事を対価に、王子と聖女から特殊なスキルを受け取ったレイミは、そのまま姿を消した。
レイミと王妃の一族には、数年前から続く確執があり、いずれ王子と聖女のスキル消失が判明すれば、原因がレイミとの婚約破棄にあると疑われるのは明白だ。
そして、レイミを鑑定すれば消えたスキルをレイミがもっている事は明確になってしまうからだ。
かくして、子爵令嬢の逃走劇が幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる