転生したら王族だった

みみっく

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第三章 ‐ 戦争の影

143話 きっかけ_11

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「えへへ。そうなのかー! 安心しろって! 皆は、おれを男だと思ってるし、女だと分かっても言い寄ってくると思うかぁー?」変な自信をもって聞いてきたが、かなり魅力的に見えてるのは……俺だけなのか!?

「ん……ちゅぱ」と、不意打ちでキスをした。

「ちょっと、不意打ちとか……ダメだろー! なぁ……もう一回だけ。なっ!? んぅ……」リーナが腰を少しかがめて、可愛いキス待ちの表情をしてきた。その仕草に思わずドキッとしながらも、どう返すべきか迷っていると――

 ガサガサ……と茂みから音がした。

「ちぇー! せっかく良いところだったのによーっ。むぅ……さいあくぅー。」リーナはムスッとした顔で文句を言いながら、俺の服を掴んで引っ張る。その仕草がまた可愛らしくて、思わず頬にちゅっとキスをした。

「わっ。ま、また……不意打ちかよー。」リーナは文句を言いながらも、顔は満面の笑みで嬉しそうだ。その表情に、こちらもつい笑みがこぼれる。

「今回も、リオンなら余裕だと思うよ。ご褒美にキスしても良いんだけどなー。」と軽く冗談を交えて言ってみた。普通なら逆のセリフだと思うけど……俺は女の子っぽいし、リオンは男の子っぽいから、まあ良いよね。

「え!? ほんと? わっ、おれガンバる!」半分冗談で言ったつもりだったのに、リーナはノリノリで返事をしてきた。その反応に少し驚きつつも、もしかして俺からのキスを本気で望んでいるのかと思うと、胸が少しざわつく。

 ずっと一人だったから……愛情に餓えているのかもしれないなぁ。そんなことを考えながら、リーナの笑顔を見て、少しだけ心が温かくなるのを感じた。

「あ、うん。がんばれ~応援してるよっ♪」俺は調子に乗って、女の子っぽく可愛く声をかけてみた。

「お、おぅ……任せておけってー!」リーナは帯剣していた剣を抜き、構えた。そのタイミングでウサギ型の魔物が襲いかかってきた。この魔物は非常に素早く、頭に鋭い角が生えていて突き刺してくる厄介な相手だ。

 魔物は突き刺す勢いでリーナに襲いかかってきたが、リーナはギリギリのところでそれを躱し、身を捻りながら翳した剣を振り下ろし、魔物を叩き落とした。魔物が地面に倒れ込むと、リーナは一瞬安堵の表情を見せたが、すぐに再び戦闘態勢に入った。

 そう、この魔物は群れで襲ってくることが多い厄介な相手。油断すると囲まれ、逃げ場を失う可能性がある。リーナの表情には緊張感が漂い、次の動きに備えている姿勢が見て取れた。

「俺も手伝うかー。あと6匹は潜んでる気配がするから。」木に寄り掛かって見ているだけでは暇だし、少し動きたくなった。

「え!? あと6匹もいるの……それ、ムリムリ……。一度に数匹が襲いかかってきたら対応できないし……。」リーナは驚きに目を見開き、小さく呟いた。その様子から緊張が伝わってくる。腰を落とし、いつでも反応できる態勢を整える姿勢は、少しずつ戦士らしくなっている証拠だ。

 俺は普通に歩きながら、リーナと魔物の潜む草むらの間に立った。

「レイニーくん!? そんな近くじゃ……反応できないだろ! もっと後方に来なよ。」リーナが心配そうな顔で声をかけてきた。その表情には、自分に対する信頼と不安の入り混じった感情が伺える。

 無秩序の森にいる魔物に比べたら、まるで子供の三輪車とバイクの差みたいなものだ。目で追える程度の速さだし、全然怖くない。無秩序の森のウサギ型の魔物なんて、姿が消えたと思ったら次の瞬間には体に鋭い痛みが走る――攻撃を受けたことはないけど、そんな感じだ。

 久しぶりの狩りの時間じゃん♪ この系統のウサギの肉って本当に美味しいんだよね~。よし、戦闘モードに切り替え!

 気配探索の精度を上げて、肉体強化と俊敏性の上昇……といきたいところだけど、相手は低位の魔物だし素の状態でも十分対応可能だろう。力を抑えたままで問題なし。

 バシュッ! バシュッ! と草むらから3体のウサギ型の魔物が同時に飛び出してきた。鋭い角を突き立てる勢いで襲いかかってきたが、俺は動じることなく、その場から一歩も動かずに腕力だけで剣を振り回す。

 ザシュッ――! 魔物たちは次々に地面へ叩き落とされ、あっという間に動きを止めた。

「やっぱり、この程度なら楽勝かなぁ。」俺は軽く剣を振り、滴る血を払いながら、倒れた魔物たちを見下ろした。次は肉を捌く作業だ。美味しいご馳走になることを思うと、自然と笑みがこぼれる。

「わ、わわぁっ! すげえー! いっけぇー!!」後方からリーナの声が響いてきた。

 完全に観戦モードに入っているようだけど……リーナ、その位置は魔物の攻撃の間合いの射程範囲だぞ。

『残りは3体か。どうせまた連携して同時に仕掛けてくるんだろうな』と予想していると、案の定、バシュッ、バシュッと草むらから音が聞こえた。2体は俺の方へ向かう軌道、もう1体はリーナの方へ向かう軌道だ。

 リーナは観戦モードで完全に油断している。……その魔物の軌道は、俺の間合いに入ってるから問題ない。俺は剣を振り下ろし、魔物を叩き落とした。
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