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71 勘違いする人達②
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すまない。もう少し私スマトラに、話をさせてくれ。
◆
私はユリナ様との再会を楽しみに、オルシマの街に帰った。
「スモールシルバー」の拠点は、我が家の離れとした。
私の配下4人も、ユリナ様の信者だ。
彼らはそろって、冒険者ギルド副ギルマス、ジェフリーも「スモールシルバー」に誘うべきと強調する。
ユリナ様の動向を聞くためにもジェフリーを拠点に招くと、私並のユリナ信徒だった。
ユリナ様は、オルシマの街を初めて訪れた日。ジェフリーの妻マーサを治療していた。
治療したのは、頭と左足。だか、大怪我は頭のみ。
左足は、怪我どころか、最初からなかった。
2年前、マーサは、ジェフリーと林の中を散歩していた。
その時に、ポアゾンスネークに噛まれ足首から先を切断。義足で過ごしていた。
ユリナ様から見て、足首がねじれていたのは、義足が外れていただけ。
なのにユリナ様の治療で、左足が生えた。
大きな対価を用意したが、請求は1000ゴールドのみ。恩に報いるため機会を探している。
私より1か月前に「奇跡」を受けたジェフリーは、ユリナ様を守るため、情報を集めていた。
「スモールシルバー」のメンバーを集め、ジェフリーに話を聞くことになった。
ここから、友人の指の欠損を治してもらった魔法使いオルガも加わった。
すでにユリナ様に身寄りはなく、さらに魔力ゼロ。
カナワの街で同じ「劣等人」と呼ばれた3人と、身を寄せあって生きていた。
高位冒険者6人組に騙され、仲間は死んだ。
ユリナ様自身は謎のスキルを発現し、ダルク特級ダンジョン10階から生還した。
生還後は冒険者活動を再開。仲間を助けられなかったことを悔いていた。
ある冒険者と恋仲になった。
しかし、数ヵ月で泣きながら別れた。
ギルド内、多くの人の前で、瀕死の恋人を助けた。
それが原因で欲深いカスガ男爵家、カナワの領主から逃げた。
そして姿を消した。
「壮絶ですねジェフリーさん」
「だけどなぜ、ユリナさんは姿を隠していたのに、突然現れたのでしょうか」
「再び姿を現すにしても、回復スキルを使う必要もなかったですよね」
「ルナ、なぜそう思う」
「私をオークの巣から救ってくれたとき、ユリナ様は自己回復をしながら戦い、オークの巣を潰しました」
「そんな力があるのか・・。確かに、回復スキルを隠して普通の冒険者として過ごしても、問題ないよな」
「そうだ。無茶苦茶な戦い方でも、すごく強いよな・・」
「あの・・」
「何か思い当たることがあるのですか、オルガ」
「ユリナ様をみんなが冒険者、そう見るから分からなくなるのでは」
「どういうことですか?」
「きっと助けを求める人間を放っておけない。ただ、そういう人なんですよ」
「!」
「あ・・」
「・・そうか」
「ダンジョン内を強行して進む。かと思えばセーフティーゾーンで丸2日も、何かを待たれている」
「僕らが救われたのは、必然?」
「そう。きっと、あの方は、私達の助けを求める声が聞こえているのです。たまたま、身分証明のため、冒険者になっただけ」
「・・なるほど」
「ダンジョン最下層でスマトラさんの病気を治し、疲れた体でルナさんの救出に向かっておられます」
「私、どんだけ感謝すればいいんだろ・・」
「そして数日後には、わざわざ混んだ食堂に現れ、私の仲間の、指の欠損を治していただきました」
「オルガさんは怪我はなかったのよね」
「仲間の指の欠損は、私のミスが原因。ずっと後悔しておりました」
「オルガさんは、ユリナ様に私は心を救っていただいたのですね」
「詮索してはいけないのですが、あの奇跡の技は何だろうか」
「私は知りました」
「本当か、オルガさん」
「ユリナ様と2日ほど過ごし、スキルを得た経緯を聞きました」
「経緯?」
「ご自分も死と隣り合わせの極限状況の中、先に瀕死となった仲間を助けるため、神にスキルを望んだようです」
「スキル・・。そういえば、魔力ゼロで使えるスキルなんて聞いたことがないよね・・」
「はい。だからユリナ様は魔力ではないものをお使いになり、スキルを強引に発動させています」
「何なの、オルガさん」
「スキル使用後のユリナ様を見て分かりました。聞く覚悟がある方だけにお伝えします」
みんなが息をのんだ。全員がオルガの言葉を聞かずにはいられない。
ユリナ様が他人の体を修復するために使う対価とは・・
「それは間違いなくユリナ様ご自身の、お体です」
「え」
「うそ」
「スマトラさん、ユリナ様の身長は?」
「確か、150センチくらいでかなり小柄だったような・・」
「違いますよ。155センチ」
「いや、150センチを切っている」
「どういうこと?」
「本当のユリナ様の身長は160センチ。しかし私の仲間の欠損した指を回復した直後は157センチ」
オルガの風魔法を利用した感知術で何度も確認している。
魔力ゼロ。発動しないスキル。自分の為でなく他人のため。
身を削って、人の体を治す。
「まさに究極の自己犠牲ではないか・・」
オルガがユリナ様を見ていると、時間か経てば体は元に戻っていた。
しかし、3人を続けて治したとき、スキル様の体は段階的に小さくなっていたという。
「連続使用。それは、ユリナ様自身の、消滅の危機に繋がると思います」
悪い貴族につかまれば文字通り、使い潰され、ユリナ様は死ぬだろう。
改めて確信した。
神は私スマトラをユリナ様を守るために生かしたのだ。
私は小銀貨1枚しか受け取ってくれないユリナ様に、せめて住居を提供する方法をみんなに問うた。
だが、ジェフリーから悲報をもたらされた。
「残念ながら、ユリナ様はオルシマの街を選ぶ気はないようです。スマトラさん」
「え?ジェフリーさんどうして」
「領主の娘アイリーンが、ユリナ様の奇跡を知っています」
戦って負けても懲りない、あの女。ユリナ様を奴隷にして使役する気でいる。
ユリナ様もそれを知り、この街に近づかないそうだ。
部家の空気が一気に冷えた。
4つのヒトガタをした影から、地面が震えるような、低い声がした。
「・・なんだそれは」
「あの方を・・」
「ユリナ様を奴隷だと・・」
「・・許すまじ」
私の4人の護衛が、純然なる怒りを示している。
「スモールシルバー」最初のミッションが決まった。
◆
私はユリナ様との再会を楽しみに、オルシマの街に帰った。
「スモールシルバー」の拠点は、我が家の離れとした。
私の配下4人も、ユリナ様の信者だ。
彼らはそろって、冒険者ギルド副ギルマス、ジェフリーも「スモールシルバー」に誘うべきと強調する。
ユリナ様の動向を聞くためにもジェフリーを拠点に招くと、私並のユリナ信徒だった。
ユリナ様は、オルシマの街を初めて訪れた日。ジェフリーの妻マーサを治療していた。
治療したのは、頭と左足。だか、大怪我は頭のみ。
左足は、怪我どころか、最初からなかった。
2年前、マーサは、ジェフリーと林の中を散歩していた。
その時に、ポアゾンスネークに噛まれ足首から先を切断。義足で過ごしていた。
ユリナ様から見て、足首がねじれていたのは、義足が外れていただけ。
なのにユリナ様の治療で、左足が生えた。
大きな対価を用意したが、請求は1000ゴールドのみ。恩に報いるため機会を探している。
私より1か月前に「奇跡」を受けたジェフリーは、ユリナ様を守るため、情報を集めていた。
「スモールシルバー」のメンバーを集め、ジェフリーに話を聞くことになった。
ここから、友人の指の欠損を治してもらった魔法使いオルガも加わった。
すでにユリナ様に身寄りはなく、さらに魔力ゼロ。
カナワの街で同じ「劣等人」と呼ばれた3人と、身を寄せあって生きていた。
高位冒険者6人組に騙され、仲間は死んだ。
ユリナ様自身は謎のスキルを発現し、ダルク特級ダンジョン10階から生還した。
生還後は冒険者活動を再開。仲間を助けられなかったことを悔いていた。
ある冒険者と恋仲になった。
しかし、数ヵ月で泣きながら別れた。
ギルド内、多くの人の前で、瀕死の恋人を助けた。
それが原因で欲深いカスガ男爵家、カナワの領主から逃げた。
そして姿を消した。
「壮絶ですねジェフリーさん」
「だけどなぜ、ユリナさんは姿を隠していたのに、突然現れたのでしょうか」
「再び姿を現すにしても、回復スキルを使う必要もなかったですよね」
「ルナ、なぜそう思う」
「私をオークの巣から救ってくれたとき、ユリナ様は自己回復をしながら戦い、オークの巣を潰しました」
「そんな力があるのか・・。確かに、回復スキルを隠して普通の冒険者として過ごしても、問題ないよな」
「そうだ。無茶苦茶な戦い方でも、すごく強いよな・・」
「あの・・」
「何か思い当たることがあるのですか、オルガ」
「ユリナ様をみんなが冒険者、そう見るから分からなくなるのでは」
「どういうことですか?」
「きっと助けを求める人間を放っておけない。ただ、そういう人なんですよ」
「!」
「あ・・」
「・・そうか」
「ダンジョン内を強行して進む。かと思えばセーフティーゾーンで丸2日も、何かを待たれている」
「僕らが救われたのは、必然?」
「そう。きっと、あの方は、私達の助けを求める声が聞こえているのです。たまたま、身分証明のため、冒険者になっただけ」
「・・なるほど」
「ダンジョン最下層でスマトラさんの病気を治し、疲れた体でルナさんの救出に向かっておられます」
「私、どんだけ感謝すればいいんだろ・・」
「そして数日後には、わざわざ混んだ食堂に現れ、私の仲間の、指の欠損を治していただきました」
「オルガさんは怪我はなかったのよね」
「仲間の指の欠損は、私のミスが原因。ずっと後悔しておりました」
「オルガさんは、ユリナ様に私は心を救っていただいたのですね」
「詮索してはいけないのですが、あの奇跡の技は何だろうか」
「私は知りました」
「本当か、オルガさん」
「ユリナ様と2日ほど過ごし、スキルを得た経緯を聞きました」
「経緯?」
「ご自分も死と隣り合わせの極限状況の中、先に瀕死となった仲間を助けるため、神にスキルを望んだようです」
「スキル・・。そういえば、魔力ゼロで使えるスキルなんて聞いたことがないよね・・」
「はい。だからユリナ様は魔力ではないものをお使いになり、スキルを強引に発動させています」
「何なの、オルガさん」
「スキル使用後のユリナ様を見て分かりました。聞く覚悟がある方だけにお伝えします」
みんなが息をのんだ。全員がオルガの言葉を聞かずにはいられない。
ユリナ様が他人の体を修復するために使う対価とは・・
「それは間違いなくユリナ様ご自身の、お体です」
「え」
「うそ」
「スマトラさん、ユリナ様の身長は?」
「確か、150センチくらいでかなり小柄だったような・・」
「違いますよ。155センチ」
「いや、150センチを切っている」
「どういうこと?」
「本当のユリナ様の身長は160センチ。しかし私の仲間の欠損した指を回復した直後は157センチ」
オルガの風魔法を利用した感知術で何度も確認している。
魔力ゼロ。発動しないスキル。自分の為でなく他人のため。
身を削って、人の体を治す。
「まさに究極の自己犠牲ではないか・・」
オルガがユリナ様を見ていると、時間か経てば体は元に戻っていた。
しかし、3人を続けて治したとき、スキル様の体は段階的に小さくなっていたという。
「連続使用。それは、ユリナ様自身の、消滅の危機に繋がると思います」
悪い貴族につかまれば文字通り、使い潰され、ユリナ様は死ぬだろう。
改めて確信した。
神は私スマトラをユリナ様を守るために生かしたのだ。
私は小銀貨1枚しか受け取ってくれないユリナ様に、せめて住居を提供する方法をみんなに問うた。
だが、ジェフリーから悲報をもたらされた。
「残念ながら、ユリナ様はオルシマの街を選ぶ気はないようです。スマトラさん」
「え?ジェフリーさんどうして」
「領主の娘アイリーンが、ユリナ様の奇跡を知っています」
戦って負けても懲りない、あの女。ユリナ様を奴隷にして使役する気でいる。
ユリナ様もそれを知り、この街に近づかないそうだ。
部家の空気が一気に冷えた。
4つのヒトガタをした影から、地面が震えるような、低い声がした。
「・・なんだそれは」
「あの方を・・」
「ユリナ様を奴隷だと・・」
「・・許すまじ」
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