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第10話 冒険者ギルドと無能先輩
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次の日。
支度をして宿屋を後にする。
宿屋を出る時も、怪しい笑みを浮かべた女の子が俺達に手を振っていた。
…………最近の女の子って色々悟るのが早いのか?
少し気まずさもあり、シャリーとは必要最低限の会話だけで、冒険者ギルドにやってきた。
外観は絵にかいたような洋風建物で、扉を開けて中に入ると、吹き抜け作りとなっていて、1階にカウンターや掲示板、食事スペースがあって、2階からは下が見下ろせるようになっているが、面積的には1階の半分なので一定の者しか入れないとかありそうな雰囲気だ。
「アルマくん。こっち」
昨日は散々手を引いていたシャリーだったが、今日は俺との間に一人分のスペースを常に開けている。
そんな彼女が呼んだ方に向かうと、カウンターには大きな眼鏡をした緑髪を三つ編みにした女性が、優しい笑みを浮かべてこちらに一礼した。
「初めまして。冒険者ギルド、セラオル王国本部でございます。私は受付担当のミールと申します。以後お見知りおきを」
「どうも」
「ミールさん。この子を冒険者にしてほしいんだけど~」
「もちろん構いませんわ。見た感じ『魔物使い』の中でも相当上位の方だと思われますので。むしろ、今まで冒険者にならなかったのが不思議なくらいですわね」
ミールさんは俺の両肩に乗って大人しくしている妹弟を一目見てそう話す。
聞いた話では、なにやら才能と呼ばれている神から与えられた特別な力があるそうで、その才能で人生が大きく変わるという。
才能は15歳になった時、教会や冒険者ギルド、お城などにある『鑑定のクリスタル』を使う事で開花させる事ができるそうだ。
しかも、出て来た才能なら自ら選ぶことができるようで、選ばれしものはいくつも出てきて自由に選べるという。
「ではこちらの紙に記入してください。その情報は『理のクリスタル』に登録されますので」
『理のクリスタル』。
その実情は誰も知らない代物だが、どうやら世界を司ると言われている女神様が授けたモノだそうだ。
例えば、王都の入口で俺が手をかざしたクリスタルも『理のクリスタル』というモノで、世界の至る場所に設置されている。
これを一言で単純に言うなら――――前世でいう『身分証明機』というべきか。
一度『理のクリスタル』に登録した人物の情報は未来永劫記録される事となり、その人の記録がずっと更新され続けるという。
例えば、犯罪を犯した者で烙印が押された場合、罪人となるので『理のクリスタル』に手をかざす度に罪人だと知らされる。
さらに王国は技術を進歩させて、街中に強制的に『理のクリスタル』の光を照射させて、犯罪者が隠れて侵入してもすぐに見つけられるようにしたという。
おかげでセラオル王国の全ての街は治安が良いそうだ。
と、この世界の事をシャリーから散々聞いて、昨日の一日は殆ど消えてしまったのだから、シャリーには感謝しなくちゃな。
渡された少し分厚い紙に名前と年齢と色々書き進めていく。
「ええええ!? アルマくんって15歳なの!?」
「ん? どうしたの?」
「てっきり……成人してないと思ってた…………」
「成人? 何歳から成人になるんだ?」
「15歳からだよ? 才能の儀を行えるからね」
ふむふむ……才能の儀というのは、例のクリスタルで才能を得られるようになるあれか。
それにしても成人していると何かダメなのか? 冒険者になるなら成人していた方が便利な気がするが。
「わ、私……てっきり、まだ未成年だと思ったから……同じベッドで…………」
恥ずかしそうに話すシャリーにミールさんの目が光る。
「同じベッド? シャリーちゃん? 詳しく聞きたいな~」
「えっ!? な、な、なんでも、ないです!」
「本当に? 顔が真っ赤だよ?」
「違うんです!」
シャリーって感情が顔に出やすいタイプらしい。
とりあえず、書き終えたので提出する。
才能の欄には便宜上『魔物使い』と書いて出した。
「はい。少しだけ待ってね~Eランクだと銀貨1枚、Dランクの場合試験を受けて合格すればタダになるんだけど、どうする?」
「じゃあ、試験で」
「ふふっ。余程自信があるのね。すぐに準備するので待っていてね」
そう話すミールさんは紙を持って裏に消えていった。
もじもじしているシャリーが可愛い。
…………あっ! 美少女にこれ以上関わっては…………。
その時。
俺を囲う影が三つ。
「おいおい、初心者く~ん」
見た目だけで嫌らしいというか。
首に掲げられているのは冒険者プレートだが、全員が黄色だ。
少なくともCランク冒険者であるのは間違いないな。
「何か御用でしょうか?」
「あんたたち、何の用よ!」
すぐに俺の前に割り込むシャリー。
どうやら知り合いらしい。
「おいおいシャリーちゃ~ん。こんな弱そうなのと組むくらいなら、俺達と組んでくれよ~」
「何度も断ってるでしょう! いい加減にして」
「おいおい~それでいいのか? 後輩くんがどんな目に遭ってもいいのか?」
あれか。典型的な新人社員をいびり散らかす無能先輩のあれか。
前世でもいたな~こういうの。
しかし、この人達から伝わってくる強さは、アルキバガン森の魔物に比べるとずっと弱いのだが、大した自信だな。
もしかしたら実力を隠しているのか?
シャリーと無能先輩達が睨み合っている中、ミールさんがとあるおっさんと共に現れた。
支度をして宿屋を後にする。
宿屋を出る時も、怪しい笑みを浮かべた女の子が俺達に手を振っていた。
…………最近の女の子って色々悟るのが早いのか?
少し気まずさもあり、シャリーとは必要最低限の会話だけで、冒険者ギルドにやってきた。
外観は絵にかいたような洋風建物で、扉を開けて中に入ると、吹き抜け作りとなっていて、1階にカウンターや掲示板、食事スペースがあって、2階からは下が見下ろせるようになっているが、面積的には1階の半分なので一定の者しか入れないとかありそうな雰囲気だ。
「アルマくん。こっち」
昨日は散々手を引いていたシャリーだったが、今日は俺との間に一人分のスペースを常に開けている。
そんな彼女が呼んだ方に向かうと、カウンターには大きな眼鏡をした緑髪を三つ編みにした女性が、優しい笑みを浮かべてこちらに一礼した。
「初めまして。冒険者ギルド、セラオル王国本部でございます。私は受付担当のミールと申します。以後お見知りおきを」
「どうも」
「ミールさん。この子を冒険者にしてほしいんだけど~」
「もちろん構いませんわ。見た感じ『魔物使い』の中でも相当上位の方だと思われますので。むしろ、今まで冒険者にならなかったのが不思議なくらいですわね」
ミールさんは俺の両肩に乗って大人しくしている妹弟を一目見てそう話す。
聞いた話では、なにやら才能と呼ばれている神から与えられた特別な力があるそうで、その才能で人生が大きく変わるという。
才能は15歳になった時、教会や冒険者ギルド、お城などにある『鑑定のクリスタル』を使う事で開花させる事ができるそうだ。
しかも、出て来た才能なら自ら選ぶことができるようで、選ばれしものはいくつも出てきて自由に選べるという。
「ではこちらの紙に記入してください。その情報は『理のクリスタル』に登録されますので」
『理のクリスタル』。
その実情は誰も知らない代物だが、どうやら世界を司ると言われている女神様が授けたモノだそうだ。
例えば、王都の入口で俺が手をかざしたクリスタルも『理のクリスタル』というモノで、世界の至る場所に設置されている。
これを一言で単純に言うなら――――前世でいう『身分証明機』というべきか。
一度『理のクリスタル』に登録した人物の情報は未来永劫記録される事となり、その人の記録がずっと更新され続けるという。
例えば、犯罪を犯した者で烙印が押された場合、罪人となるので『理のクリスタル』に手をかざす度に罪人だと知らされる。
さらに王国は技術を進歩させて、街中に強制的に『理のクリスタル』の光を照射させて、犯罪者が隠れて侵入してもすぐに見つけられるようにしたという。
おかげでセラオル王国の全ての街は治安が良いそうだ。
と、この世界の事をシャリーから散々聞いて、昨日の一日は殆ど消えてしまったのだから、シャリーには感謝しなくちゃな。
渡された少し分厚い紙に名前と年齢と色々書き進めていく。
「ええええ!? アルマくんって15歳なの!?」
「ん? どうしたの?」
「てっきり……成人してないと思ってた…………」
「成人? 何歳から成人になるんだ?」
「15歳からだよ? 才能の儀を行えるからね」
ふむふむ……才能の儀というのは、例のクリスタルで才能を得られるようになるあれか。
それにしても成人していると何かダメなのか? 冒険者になるなら成人していた方が便利な気がするが。
「わ、私……てっきり、まだ未成年だと思ったから……同じベッドで…………」
恥ずかしそうに話すシャリーにミールさんの目が光る。
「同じベッド? シャリーちゃん? 詳しく聞きたいな~」
「えっ!? な、な、なんでも、ないです!」
「本当に? 顔が真っ赤だよ?」
「違うんです!」
シャリーって感情が顔に出やすいタイプらしい。
とりあえず、書き終えたので提出する。
才能の欄には便宜上『魔物使い』と書いて出した。
「はい。少しだけ待ってね~Eランクだと銀貨1枚、Dランクの場合試験を受けて合格すればタダになるんだけど、どうする?」
「じゃあ、試験で」
「ふふっ。余程自信があるのね。すぐに準備するので待っていてね」
そう話すミールさんは紙を持って裏に消えていった。
もじもじしているシャリーが可愛い。
…………あっ! 美少女にこれ以上関わっては…………。
その時。
俺を囲う影が三つ。
「おいおい、初心者く~ん」
見た目だけで嫌らしいというか。
首に掲げられているのは冒険者プレートだが、全員が黄色だ。
少なくともCランク冒険者であるのは間違いないな。
「何か御用でしょうか?」
「あんたたち、何の用よ!」
すぐに俺の前に割り込むシャリー。
どうやら知り合いらしい。
「おいおいシャリーちゃ~ん。こんな弱そうなのと組むくらいなら、俺達と組んでくれよ~」
「何度も断ってるでしょう! いい加減にして」
「おいおい~それでいいのか? 後輩くんがどんな目に遭ってもいいのか?」
あれか。典型的な新人社員をいびり散らかす無能先輩のあれか。
前世でもいたな~こういうの。
しかし、この人達から伝わってくる強さは、アルキバガン森の魔物に比べるとずっと弱いのだが、大した自信だな。
もしかしたら実力を隠しているのか?
シャリーと無能先輩達が睨み合っている中、ミールさんがとあるおっさんと共に現れた。
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