異世界から帰ってきたら、大好きだった幼馴染みのことがそんなに好きではなくなっていた

リコピン

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第六章 元勇者とお姫様

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メールとか、電話とか、相手の顔が見えないというのは恐い。表情が見えない分、相手の気持ちをはかり損ねてしまうことがあるから。だから、

「で?明莉は結局、何が言いたいの?」

「うっ」

「花守に連絡した?」

「…してないっす」

人気の少ない―具体的には私とチサと部屋の隅の部長しか居ない―部室に、チサの深々としたため息が広がった。

「メールや電話が不安なら、直接会って話をすればいい」

「いやー、直接ってのも、なかなか勇気が…」

「…」

「!あ、いやいや!直接会うにもさ!結局、一度はメールとかで連絡しないと会えないわけでしょ!?だから、何かそれもちょっと。もし迷惑に思われてても、メールからそれを読み取る自信がないし」

「…」

あれ?チサ、恐い。大変だ。能面みたいになってるよ?能面が、グルリと背後を振り向いた。視線の先には、だらしなく寝そべって雑誌を広げる部長。

「部長、花守はどこ?」

「あ?秀?」

「会いに行く。どこ?」

チサの言葉に、モゾモゾと起き上がる部長。

「お前がか?」

「会いに行くのは、明莉」

―えっ!?

チサさんが恐くて口に出来ず、心の中で叫んだ。

「あー、そういうことか」

部長の視線が私をとらえ、迷うように宙を漂う。

「秀のやつ、最近忙しくしてるからな。俺もしばらく会ってねえわ」

「…」

その言葉にホッとしたような、ガッカリしたような。やっぱり、ガッカリ強めかな?ちょっと、顔に出ちゃったかもしれない。

「…橋架はしかけ、お前、今度うちの総会に来るか?」

「総会?」

「幽界や幽鬼に関わってる家、俺らは五家って呼んでるが、その五家が集まって、まあ、情報交換したり何なりする会があるんだよ」

それはつまり、『花守家』の人間である彼も―?

「秀も、来ます…?」

「来るぞ。あいつは花守の跡取りだからな。結構重要な会だから、面倒でも出なくちゃまずいんだよ」

「総会って、関係ない私が行ってもいいものなんですか?」

「お前の力のことは五家全体に周知してある。新戦力として、堂々と乗り込め。佐藤も、」

「行かない」

即答したチサに、部長も直ぐに肩をすくめて諦めた。

「じゃあ、橋架、お前だけでも来いよ」

「…わかりました、行きます!」

気合いを入れる。総会とやらがどんなものかはわからないけれど、やっぱり彼に、秀に会いたいと思ったから。




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