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第七章 わすれられない
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総会で、無事?お披露目が済んでからは、ぼちぼち幽鬼退治のお仕事を頼まれるようになった。と言っても、秀に頼まれて、部長と部長のおうちの方達との共闘、というスタイルを取るようになっただけなんだけど。
私一人での戦闘を嫌がる秀の尽力で、部長が居ないときでも冴木家の誰かがヘルプに来てくれる。秀がそれで安心するならと、素直に受け入れた。ノーストレスは大事だよね。
今日だって、一戸建てサイズの幽鬼を一緒にボコボコにして、冴木家の面々と仲を深め合ったところだ。
「…まあ、秀の口利きもあんだろうが、どっちかってぇと、お前が総会で幽鬼をボコボコにしたのが、効いてんじゃねぇか?」
「…何で」
ドン引きされてたと思うんだけど。
「冴木の家は、血の気の多いのが揃ってるからな。お前の戦い方見て、共闘したいと思った奴らや、お前と闘ってみたいって奴らが結構居んだよ」
「…」
部長の言葉に周囲を見渡せば、先ほどまで幽鬼を仲良く一緒にボコボコしていた何人かが、同じタイミングで頷いた。
―マジか
ちなみに、冴木家の面々は皆、頭にフワフワ獣耳を被ってらっしゃるので、表情が見えづらい。余計に恐い。
そっと視線を反らして、封印されようとしている門に視線を向ける。大きい門に向かって両手を高く掲げているチサの姿が可愛い。隣で、秀が門を指差しながら何かを説明している。
これも新しい取り組みで、門の構造を秀がアドバイスすることで、私がボコボコにしなくても門を封印出来るのでは?というチャレンジらしい。秀とチサが張り切ってるので、黙って見守る。
「…そういや、お前、菖から何かちょっかいかけられてねぇか?」
「お姫様に?ううん、特に何も」
彼女とは総会以来、全く会うこともないし、何の接触もない。
「なら良いんだけどよ。俺の方にも何の連絡も無いんだよな。あの姫さんが大人しすぎるってのも不気味だろ?」
「…」
「あいつの秀に対する執着はすげぇからなぁ」
確かに、ホテルの部屋でもそんな感じだった。目を潤ませながら秀との仲を熱く語る彼女の瞳を思い出す。
あの後、彼女との関係について秀が何かを語ることはなかった。多分、聞けば教えてくれるだろうけど、私も特に尋ねたりはしなかった。聞くのが恐い、というわけではなく、それほど気にならなかったから。必要なことなら秀は話してくれるだろうし、彼女が言ったように「条件で選ばれた」とも思えない。彼の態度が、それを伝えてくれる。
門の封印を終えた秀が駆け寄ってくる。
「明莉ちゃん!お待たせ!お疲れ様」
「秀も、お疲れ様」
「はは。僕は見てただけだから」
その顔に、いつか見せた憂いはない。
「…ずっと、見てるのも大変だよね。門、ありがとう」
「…うん」
実際、異形を見続けるのは疲れる。チサはともかく、私は見続けるのが苦痛だから、今日みたいなサイズの時はよく見ずに殴ってるくらいだ。
門を凝視し続けるような作業は、秀にとっても間違いなく負担だっただろう。ありがたいな。
秀と二人、顔を見合わせて笑った。
「お前ら…。まあ、いいけどよ。で、佐藤はあそこで何ゴソゴソやってんだ?」
「『門の痕跡から幽界との繋がりを辿る』って言ってたんだけど」
「んなこと出来んのか?」
出来る、だろうな。チサなら。ちょうど、作業が終わったらしいチサが、こちらへと戻ってくる。
「チサもお疲れー。何かわかった?」
「データは取れた。今までと違って、門が原形を留めていたから。ただ、サンプルはもっと欲しい」
「オッケー!じゃ、もっと頑張っていっぱい倒すからね!」
「任せる」
チサの言葉に、大きく頷いて笑った。
あちらの世界とは違い、勇者ではなくなった私。だけど、一緒に戦う仲間も、支えてくれる人達もいる。そのことが、無性に嬉しかった。
総会で、無事?お披露目が済んでからは、ぼちぼち幽鬼退治のお仕事を頼まれるようになった。と言っても、秀に頼まれて、部長と部長のおうちの方達との共闘、というスタイルを取るようになっただけなんだけど。
私一人での戦闘を嫌がる秀の尽力で、部長が居ないときでも冴木家の誰かがヘルプに来てくれる。秀がそれで安心するならと、素直に受け入れた。ノーストレスは大事だよね。
今日だって、一戸建てサイズの幽鬼を一緒にボコボコにして、冴木家の面々と仲を深め合ったところだ。
「…まあ、秀の口利きもあんだろうが、どっちかってぇと、お前が総会で幽鬼をボコボコにしたのが、効いてんじゃねぇか?」
「…何で」
ドン引きされてたと思うんだけど。
「冴木の家は、血の気の多いのが揃ってるからな。お前の戦い方見て、共闘したいと思った奴らや、お前と闘ってみたいって奴らが結構居んだよ」
「…」
部長の言葉に周囲を見渡せば、先ほどまで幽鬼を仲良く一緒にボコボコしていた何人かが、同じタイミングで頷いた。
―マジか
ちなみに、冴木家の面々は皆、頭にフワフワ獣耳を被ってらっしゃるので、表情が見えづらい。余計に恐い。
そっと視線を反らして、封印されようとしている門に視線を向ける。大きい門に向かって両手を高く掲げているチサの姿が可愛い。隣で、秀が門を指差しながら何かを説明している。
これも新しい取り組みで、門の構造を秀がアドバイスすることで、私がボコボコにしなくても門を封印出来るのでは?というチャレンジらしい。秀とチサが張り切ってるので、黙って見守る。
「…そういや、お前、菖から何かちょっかいかけられてねぇか?」
「お姫様に?ううん、特に何も」
彼女とは総会以来、全く会うこともないし、何の接触もない。
「なら良いんだけどよ。俺の方にも何の連絡も無いんだよな。あの姫さんが大人しすぎるってのも不気味だろ?」
「…」
「あいつの秀に対する執着はすげぇからなぁ」
確かに、ホテルの部屋でもそんな感じだった。目を潤ませながら秀との仲を熱く語る彼女の瞳を思い出す。
あの後、彼女との関係について秀が何かを語ることはなかった。多分、聞けば教えてくれるだろうけど、私も特に尋ねたりはしなかった。聞くのが恐い、というわけではなく、それほど気にならなかったから。必要なことなら秀は話してくれるだろうし、彼女が言ったように「条件で選ばれた」とも思えない。彼の態度が、それを伝えてくれる。
門の封印を終えた秀が駆け寄ってくる。
「明莉ちゃん!お待たせ!お疲れ様」
「秀も、お疲れ様」
「はは。僕は見てただけだから」
その顔に、いつか見せた憂いはない。
「…ずっと、見てるのも大変だよね。門、ありがとう」
「…うん」
実際、異形を見続けるのは疲れる。チサはともかく、私は見続けるのが苦痛だから、今日みたいなサイズの時はよく見ずに殴ってるくらいだ。
門を凝視し続けるような作業は、秀にとっても間違いなく負担だっただろう。ありがたいな。
秀と二人、顔を見合わせて笑った。
「お前ら…。まあ、いいけどよ。で、佐藤はあそこで何ゴソゴソやってんだ?」
「『門の痕跡から幽界との繋がりを辿る』って言ってたんだけど」
「んなこと出来んのか?」
出来る、だろうな。チサなら。ちょうど、作業が終わったらしいチサが、こちらへと戻ってくる。
「チサもお疲れー。何かわかった?」
「データは取れた。今までと違って、門が原形を留めていたから。ただ、サンプルはもっと欲しい」
「オッケー!じゃ、もっと頑張っていっぱい倒すからね!」
「任せる」
チサの言葉に、大きく頷いて笑った。
あちらの世界とは違い、勇者ではなくなった私。だけど、一緒に戦う仲間も、支えてくれる人達もいる。そのことが、無性に嬉しかった。
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