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「えっ?」
思わず柏木が聞き返していた。確かによく考えると付き合っているのに未だに名字で呼ぶのはおかしいか。
「だ、だって三島くんは三島くんだし、その……急に呼び方を変えるのも変かなって……」
「お姉ちゃんはこういってるけど、お兄ちゃんはどうかな?」
「俺は全く気にしないよ。むしろ嬉しいかな」
「だって。それじゃあお姉ちゃんはもうお兄ちゃんのことを名前で呼ばないとダメだよね?」
「うぅ……、もう、真奈は……」
恥ずかしそうに顔を赤くしながら涙目で俺のことを見てくる。
さすがにそんな柏木を見ていたら悪い気がしてくる。
「その、あまり無理をしなくても……」
「い、いえ、いつまでも三島くんと呼んでいたらダメですもんね。わ、私、頑張ります!」
ぐっと気合いを入れる柏木。
そして、俺の顔をジッと見ながら小さな声でゆっくり言ってくる。
「た、卓人くん……」
名前で呼んでくれる柏木。
それを聞いた瞬間に俺もなんだか急に恥ずかしくなってくる。
ただ、真奈は満足そうに頷いていた。
「うんうん、やっぱり恋人同士はこうじゃないとダメだよね」
「もう、真奈はあっちに行ってて!」
真奈に対して柏木が頬を膨らませていた。
「えーっ、お兄ちゃんは私がいてもいいよね?」
膝元にいる真奈が上目遣いで聞いてくる。
そんな表情を見せられるとさすがに断ることはできなかった。
「ま、まぁ、そうだな。邪魔するわけじゃないならな……」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
再び真奈が飛びついてくる。
それを受け止めると柏木の表情が再び険しくなる。
「もう、真奈は……。卓人くんも真奈の手に乗らないで! わざとしてるんだから――」
「えー、わざとじゃないもん」
今度は真奈が頬を膨らませてくる。
「そ、それよりいい加減離れてくれるとうれしいかな」
さすがにこの態勢のままだと話が進みなさそうだったので提案してみる。
「お兄ちゃん、真奈のことが嫌いなの?」
「いや、そうじゃなくてな……」
「はいはい、真奈はそっち行っててね」
無表情で真奈を引き離す柏木。
こんな怖い表情を見せる柏木は初めて見たかもしれない。
ジタバタと動く真奈。
しかし、彼女を俺から引き離せた柏木は嬉しそうに微笑んでくる。
「そういえばケーキ、もってきてくれたんだな」
「うん、初めて作ったから上手くできているかわからないけど……」
「いや、柏木の作ってくれたものなら何でも上手いはずだ」
「――お兄ちゃんもお姉ちゃんのこと、名前で呼ばないの?」
「そういえばそうだったな。結衣……」
「あっ……」
柏木は嬉しそうに顔を染めていた。
「それとお姉ちゃん、このケーキを作るのに何回も失敗してたもんね。どうしてだろうって思ったけどお兄ちゃんに食べて貰うためだったんだね」
真奈のその言葉に結衣は思わず顔を赤く染めていた。
恥ずかしそうに下を俯く。
「そうか……」
全部俺のためにしてくれたんだと思うと嬉しく思うと同時にどこか恥ずかしく思えてくる。
「それじゃあ早速頂くな」
「はい……」
結衣からフォークを受け取るとケーキをゆっくり口に含む。
そして、じっくり味わって食べていく。
その間、結衣はジッと不安そうに俺の顔を見つめていた。
「うん、うまいよ」
俺が笑みを見せると結衣が安心したように微笑んでくれる。
「そう……。よかったよ……」
「うんうん、私が何度も味見をした甲斐があったね」
真奈も何度も頷いてどこか嬉しそうだった。
「もう、真奈は! 余計なことを言わないで!!」
「あははっ、それじゃあ私はこれ以上いるとお邪魔みたいだから自分の部屋に戻るね。お兄ちゃんはゆっくりしていってね」
真奈は笑いながら部屋を出て行った。
それを見た後、申し訳なさそうに結衣が言ってくる。
「ごめんなさい、真奈が余計なことを言って……」
「いや、俺は気にしてないよ。それに良い妹さんだね。きっと俺がどんなやつか見に来たんだね」
しっかりと甘えつつもさりげなくアドバイスを出していたように感じた。
それも全て結衣を思ってのことだろうな。
「いえ、そこまで考えていないよ、真奈は……」
口ではそう言いながらも結衣も助かったと思っているのだろう。
どこか優しい表情を見せていた。
思わず柏木が聞き返していた。確かによく考えると付き合っているのに未だに名字で呼ぶのはおかしいか。
「だ、だって三島くんは三島くんだし、その……急に呼び方を変えるのも変かなって……」
「お姉ちゃんはこういってるけど、お兄ちゃんはどうかな?」
「俺は全く気にしないよ。むしろ嬉しいかな」
「だって。それじゃあお姉ちゃんはもうお兄ちゃんのことを名前で呼ばないとダメだよね?」
「うぅ……、もう、真奈は……」
恥ずかしそうに顔を赤くしながら涙目で俺のことを見てくる。
さすがにそんな柏木を見ていたら悪い気がしてくる。
「その、あまり無理をしなくても……」
「い、いえ、いつまでも三島くんと呼んでいたらダメですもんね。わ、私、頑張ります!」
ぐっと気合いを入れる柏木。
そして、俺の顔をジッと見ながら小さな声でゆっくり言ってくる。
「た、卓人くん……」
名前で呼んでくれる柏木。
それを聞いた瞬間に俺もなんだか急に恥ずかしくなってくる。
ただ、真奈は満足そうに頷いていた。
「うんうん、やっぱり恋人同士はこうじゃないとダメだよね」
「もう、真奈はあっちに行ってて!」
真奈に対して柏木が頬を膨らませていた。
「えーっ、お兄ちゃんは私がいてもいいよね?」
膝元にいる真奈が上目遣いで聞いてくる。
そんな表情を見せられるとさすがに断ることはできなかった。
「ま、まぁ、そうだな。邪魔するわけじゃないならな……」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
再び真奈が飛びついてくる。
それを受け止めると柏木の表情が再び険しくなる。
「もう、真奈は……。卓人くんも真奈の手に乗らないで! わざとしてるんだから――」
「えー、わざとじゃないもん」
今度は真奈が頬を膨らませてくる。
「そ、それよりいい加減離れてくれるとうれしいかな」
さすがにこの態勢のままだと話が進みなさそうだったので提案してみる。
「お兄ちゃん、真奈のことが嫌いなの?」
「いや、そうじゃなくてな……」
「はいはい、真奈はそっち行っててね」
無表情で真奈を引き離す柏木。
こんな怖い表情を見せる柏木は初めて見たかもしれない。
ジタバタと動く真奈。
しかし、彼女を俺から引き離せた柏木は嬉しそうに微笑んでくる。
「そういえばケーキ、もってきてくれたんだな」
「うん、初めて作ったから上手くできているかわからないけど……」
「いや、柏木の作ってくれたものなら何でも上手いはずだ」
「――お兄ちゃんもお姉ちゃんのこと、名前で呼ばないの?」
「そういえばそうだったな。結衣……」
「あっ……」
柏木は嬉しそうに顔を染めていた。
「それとお姉ちゃん、このケーキを作るのに何回も失敗してたもんね。どうしてだろうって思ったけどお兄ちゃんに食べて貰うためだったんだね」
真奈のその言葉に結衣は思わず顔を赤く染めていた。
恥ずかしそうに下を俯く。
「そうか……」
全部俺のためにしてくれたんだと思うと嬉しく思うと同時にどこか恥ずかしく思えてくる。
「それじゃあ早速頂くな」
「はい……」
結衣からフォークを受け取るとケーキをゆっくり口に含む。
そして、じっくり味わって食べていく。
その間、結衣はジッと不安そうに俺の顔を見つめていた。
「うん、うまいよ」
俺が笑みを見せると結衣が安心したように微笑んでくれる。
「そう……。よかったよ……」
「うんうん、私が何度も味見をした甲斐があったね」
真奈も何度も頷いてどこか嬉しそうだった。
「もう、真奈は! 余計なことを言わないで!!」
「あははっ、それじゃあ私はこれ以上いるとお邪魔みたいだから自分の部屋に戻るね。お兄ちゃんはゆっくりしていってね」
真奈は笑いながら部屋を出て行った。
それを見た後、申し訳なさそうに結衣が言ってくる。
「ごめんなさい、真奈が余計なことを言って……」
「いや、俺は気にしてないよ。それに良い妹さんだね。きっと俺がどんなやつか見に来たんだね」
しっかりと甘えつつもさりげなくアドバイスを出していたように感じた。
それも全て結衣を思ってのことだろうな。
「いえ、そこまで考えていないよ、真奈は……」
口ではそう言いながらも結衣も助かったと思っているのだろう。
どこか優しい表情を見せていた。
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