続 深夜の常連客がまさかの推しだった

中島焔

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第二章 金銀襲来

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 瞳に光を取り戻した玄奘を見て、悟空は口元を緩めた。

「ええ、おれと一緒に。風呂から出たら今日も少し身体を伸ばしてみましょうか」

「うん」

「その前にもう少しマッサージもしておきましょう」

 悟空は玄奘の膝から上に手を伸ばした。ゆっくりと脚の付け根に向かう。股関節に両手を置いてぐっと押すと、玄奘は「んっ……そんなところ……」と息を漏らした。

「ここにはリンパがあるんですよ」

「ぁん……うそ」

「ほんとですよ」と言いながら悟空は鼠径部から下腹部に手を移動させている。お湯の中で玄奘のそれ(・・)はまだ柔らかく揺れている。

「っあ……ん……やだ……」

「嫌ですか?」

 悟空の指先は玄奘の揺れる陰毛をなぞりながら、それの根元をゆるゆると揺らす。水の抵抗がもどかしい。

「んっはぁ……ン」

 悟空はわざとだろう。ひどく真面目な顔で「疲れをとるためにはリラックスした方がいいですよ」と言いながら、ゆるゆるとした刺激を続けている。それでもまだ握ってくれるでも、擦ってくれるわけでもなく、周囲を指圧されながら撫でられるだけだ。ぼんやりとした快感に物足りなさはつのっていく。

「はぁ……っんん」

 浴槽で温められていた身体の熱が急に頭の方まで昇ってきたようで、ぼおっとしてくる。熱に浮かされた瞳で悟空を見つめる。
 
 悟空は玄奘の欲に気づかないふりをして尋ねてくる。

「どうしました?」

「……ンっ、やだ……」

「じゃあ、やめましょうか」

「ちが……」

 玄奘は離れようとする悟空の手を抑えた。

「ん?」

 低い声で続きを促す悟空の視線は扇情的で、私の恋人はこれほどまでに色男なのかと玄奘はひそかに息を呑んだ。欲望を我慢できずに玄奘は口にする。

「ぁん……ここ、ちゃんと……っつ、さわって……」

「ここ?」

 悟空の唇が微笑むのを見た瞬間、玄奘は身体を預けて唇を合わせた。

「んっ……」

 悟空の唇も湯気と熱気で湿っている。玄奘はその潤いを食んだ唇で感じながら湿度の高い息を漏らした。

「んぁはあぁ……」

 悟空は玄奘の背中に腕を回して抱きしめながら、中心を握って待ち望んだ刺激を与え始める。既に高まる準備のできていたそこは急に張り詰めていく。

「ここですか?」

「ぁあっ、……ンん……ん、そう……悟空……」
 甘い声で悟空の名を呼んだ時、ふと思いついて玄奘は尋ねた。

「ん……ぁん……私も特別な呼び方をした方が……ん、いいかな……」

 キスの合間に唇を離して悟空は応える。
「……どうしてです?」

「ふっ、ンう……悟空だと、他に呼んでいる人もいるだろう?」
 悟空は少し考えたようだった。それでも手の刺激はやめないので、どんどん快感は高まっていく。玄奘の腰はうずいて前後に揺れてしまう。水音が激しくなっていく。

「特別な呼び名も悪くないですが……玄奘に悟空と呼ばれるの、おれは好きです」

 再び深いキスをする。水音はもう互いの口腔内の音か浴槽の音かわからなくなってくる。

「ンあ……、ふぅ……ご、ごく……、ごく、悟空……ぁあつ、ごく……」
 のぼせあがった玄奘の頭はもう何も考えられない。ただ、何度も愛しい恋人の名を呼んだ。
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