続 深夜の常連客がまさかの推しだった

中島焔

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第六章 早朝ランニングと八戒の助言

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 再び金狩班と銀狩班に分かれて、ダンス練習が開始された。金狩班は和気あいあいと振りを確認していく。一方の銀狩班も金丹cookerのオンラインプレイのおかげか、銀狩の態度も軟化しているようだ。

「この肩のアイソレーションやけど、ステップと組み合わさってるからちょっとややこしいんよ。まずはステップなしでやってみよか」

 銀狩の隣で玄奘と悟浄が肩を動かす。

わるないよ。右肩上げてるときは、左を下げるようにしてみ」

「……こうですか」

「そうそう。動かす方ばっかりに意識向きがちやけど、動かさん部分への意識も大事やねん」

 銀狩の指導に、二人は真剣な表情で頷く。悟浄は積極的に質問をする。

「銀狩氏、左右の動きだけでなく肩を前後に動かすアイソレーションも振りにあったように見えたが」

 銀狩は嬉しそうに笑った。

「さすが金丹cookerギルド王の観察力は伊達じゃないなぁ。前後のときは肩甲骨と胸を意識すんねん。ちょっとやってみよか」 

 時々笑い声が起こる銀狩班の様子を見て、八戒は悟空に耳打ちする。

「なぁんか、あっちの三人うちとけてきたみたいじゃん?玄奘も表情明るくなってるし」

「……まぁな」

「玄奘に新しいお友達ができちゃったね。もう兄貴の過保護も必要ないのかもしれないねえ。で、ところで兄貴との仲は改善したのかな?まさか悪化してたりしてね?……玄奘、家出したらしいじゃん?」

「バッ……あれは、家出じゃねえっ」

 大声で叫びそうになり、悟空は必死に声を抑えた。

「玄奘が悟浄んちから帰ってこなくて『お願いだから帰ってきてくれ』って兄貴が泣いて頼んで連れ帰ったって聞いたよぉ。いいのぉ?最近悟浄の献身っぷりヤバいし、そろそろ乗り換えられちゃうんじゃないのぉ?」

 こういうときの八戒の煽りスキルは驚くほど高い。悟空はペットボトルの底で八戒の頭を小突いた。

「うるせぇ、放っとけ」

 いつもは話題に入れてほしがる金狩は珍しく距離をとったまま、獲物の隙を伺う野良猫のように悟空と八戒の様子をじっと見ていた。
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