続 深夜の常連客がまさかの推しだった

中島焔

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第十章 伴侶としての覚悟

6 R18

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 玄奘が先に上がった後、悟空は浴室に一人残り、後孔の準備をすませた。バスローブを纏った玄奘は悟空の部屋のベッドで待っていた。南向きのその部屋は午前中の煌々とした日が遠慮なく差し込んでいる。
 
 部屋に入った悟空はカーテンが開いていることに気づいた。行為中の玄奘が良く見えるのは悟空としては願ったり叶ったりであるので、特に言及しないでおく。下手に口にして閉められてしまうのは残念だ。

「お待たせしました」と悟空が声をかければ玄奘はびくんと肩を震わせた。これまでさんざんいちゃついてきたのに、まさか緊張しているのだろうか。

「初めてのときみたいにドキドキしてる……」

 玄奘がしっとりした声で言うと、悟空は片眉をぴくりとあげてから顔を耳元に寄せた。

「おれのこと、意識してます?」

 初めての行為を試みたときも悟空が玄奘の耳元で囁いた台詞である。悟空の低い声が火傷をさせたかのように玄奘ははっと耳を抑えて距離を取った。これだけのことではっきりとわかるほどに頬は赤くなっている。

「もう……悟空」

 悟空はくつくつと笑った。

「つきあってもうだいぶ経つのにまだ恥ずかしいんですか?」

「だってしばらくしてなかったし、その……久しぶりに悟空とキスをして、身体をさわりあって……そのときの悟空の顔が凛々しくて。やっぱりその、改めて悟空ってカッコいいなと思ったというか……夢中になっていれば平気なんだが、ちょっと離れて一人になる時間ができると……そこに悟空が、……タオルだけ巻いただけで、しかも髪の毛が濡れた状態の悟空が現れたら……そんなの、ドキドキしないわけがないだろう?」

 玄奘は弁解するように話したが、なぜか床を見つめたまま悟空の方を見ようとしない。

「顔あげてくださいよ」

 玄奘は顔を上げた。二人の目が合う。玄奘の目が潤んでいるのがわかる。この煌めきは星々をいくつ重ねても足らないだろう。

「悟空……カッコい」

 玄奘の声が珍しくかすれている。玄奘の目の中の星々を見つめながら悟空は口づけた。

 柔らかい。そして良い香りがする。悟空は少しだけ唇を離して「綺麗ですよ、玄奘」と囁けば、玄奘も頬を紅くし
て「悟空も……」とうっとりする声で応える。その言葉が空気に溶けないうちに二人は再び唇を合わせた。

 ちゅ、ちゅ、ちゅ、と音が繰り返すたびに口づけは深くなり、玄奘の喘ぎ声も混じっていく。

「あっ、……ん、ふ、ン……ァん」

「……ん」

「ァん、あ、……んはぁ、ん……ふぁ、ん、悟空」

「なんです?」

 玄奘は何も言わず悟空の首に手を回し、二人でベッドに倒れこんだ。それでもキスは続いている。

「ふふ……んぁ、ァっ…ン……」

「玄奘、痛くなかったです?」

「ん、だいじょうぶだよ、……もっと、ぁン、さわって……」

 悟空はキスを続けながら再び玄奘の胸の突起にふれた。

「ぁあっン……」

 先ほどから断続的にふれられているというのに玄奘の感覚は鈍ることはなく感度は増していく一方だ。自分の身体の下で頬を赤らめながら喘ぐ玄奘を見て、これ以上に尊い存在はいないと確信している。愛など生まれたときから知らないが、この圧倒的に深く大きな感情が玄奘だけに投入されることを愛と呼ぶ以外に何と言おう。

「ん……んぁあん、はぁあっ……」

 悟空は指先で胸をさわりながら、玄奘の身体に顔を寄せていく。腹、へそ、あばら骨のラインに沿って唇を這わせていく。

「ふふっ、ン……んはぁん」

 玄奘はくすぐったさと快感で身を捩りながら、悟空の髪の毛に指を絡ませた。玄奘からもおれに手を伸ばしてくれるだけで、求められている気がして嬉しい。悟空はわざと尋ねてみる。

「もっと舐めてほしいところ、あります?」

「ん……、わかるだろ?」

「わからないですよ……ここ、か、それとも、ここ?」

 悟空は玄奘の髪、そして耳にふれるだけのキスをしながら再び尋ねる。そのたびに玄奘が目を閉じて受け入れてくれることに安堵を感じる。

「んふぅ……ン、そこも……だけど、ぁん、今悟空が指でさわってる胸の……」

「ふふ、ここですか?」

 悟空はわざと乳首を避けて乳輪の縁を中指でするするとなぞっていく。

「ァん……、ん、っあ……はぁ、ン、そこ……ん、そこもイイん、だけど」

 玄奘が熱い息を吐くと、ぴんと尖った乳首がびくんと震えた。悟空はたまらない気持ちになる。

 恥ずかしがる玄奘に「乳首」という単語を言わせたい気持ちも多分にありつつ、それでも悟空はそれを諦めて玄奘の欲を叶えることにした。彼は前世から過保護で「一を聞けば十まで面倒を見る」性質の男である。

「ここ、ですよね」

「ぁアっんっ……んん」

 玄奘が高い声を上げた。待ち望んでいた通り、悟空が玄奘の乳首を口に含んだのだ。ころころと舌で震わせられるようにされたかと思うと、きゅっと吸われる。待ち望んだその甘やかな刺激に玄奘は背を反らした。

「はぁっん……ァん、ごく……」

「硬くなってますね。こんなにぴんと立って……前よりも少し大きくなってませんか」

「ん……はぁン……わ、わからな……」 

「特別開発してるわけでもないんですけどね。玄奘、甘噛みされるの好きだからですかね」

 悟空は軽く歯を立てて突起を挟んだ。

「ひゃああっ、ん……んふぅ……ん、ァん……ん、イイ……」

 玄奘の下腹部のそれも既に硬く立ち上がっている。既に先端からは透明な液が出ている。液を全体になすりつけるようにしながら悟空は再び唇を合わせる。

「もう一度抜いてもいいですけど……」

 ずっと刺激ばかりされて一番欲しいものを手に入れられていない玄奘のそこが疼く。玄奘は悟空の舌を吸いながら
「ぁん悟……ご、悟空。もう挿れて。早く。早く。もう、ずっと我慢してるんだ」と強請った。キスの合間に言えば悟空にしか聞こえないのだ。悟空が何も答えないでいると、玄奘は彼の腰に両脚を巻き付け、腰をすりつけてくる。

 こんなにエッチに成長したのはおれとの行為の賜物です、と思いながら悟空は玄奘の髪を撫でる。デビュー時よりも伸びているやわらかい髪質は自分にはないもので、こんな些細な事でさえ可愛い。もう玄奘のことなら何だって可愛いのである。

「いいですよ。お望みどおりに」

 顔が見たいという玄奘の希望で正常位のまま、悟空は玄奘のそこに自分を突き立て、ゆっくりと奥へ進める。じゅぷじゅぷと音を立てて呑み込んでいくのが非常に煽情的だ。事前に風呂で大量のローションを使用して解した成果である。

「んっ、くっ……」

 久しぶりに挿入したからか、玄奘は少しだけ眉をしかめた。悟空はもちろんそのたびに挿入を停止する。

「痛いです?」  

「痛くはないが、はぁん……ん、圧迫感が、ぁあ……久しぶり、ン……ぁあっひゃあ……ン、気持ちいいよ」

 悟空も挿入するだけでまわりがぴったりと吸いついてくるような感覚に、達しそうになるのをこらえる。先の行為のように早漏してしまうことは避けたい。

 すべてを挿れおわるとそれだけで言いようもない達成感に見舞われ、悟空の目には涙があふれそうになる。目敏い玄奘はすぐに気づき、両腕を伸ばして悟空を抱きしめた。

「悟空……大好きだ」

「玄奘……おれも、おれも大好きです」

 すべて包まれている、すべて許されている。どんなにエッチなことをしたって汚されることのない玄奘の純粋さは美しくて尊いのだ、と悟空は確信する。
 
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