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2章 村での生活
32話 協力魔法?
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なんにしても、まずは料理しないことには始まらない。
生のまんまじゃ、全く食欲が湧かないしな。
なんせミドリサツマノイモは、その名の通り切り口から皮まで全部緑だしな……
「とりあえず、焼くだけ焼いてみるか。無事に出来てから詳細を見れば、危ないかどうかくらい分かるはずだし」
「分かりました! 私もお手伝いしますね」
「お手伝いというより、この焼き芋はラベンダーがメインだと思うぞ。ラベンダーのお陰でこんなに短時間で美味しく出来るわけだし」
事実、俺は洗ってかまどにセットして温度を調節するだけだし……
「そんなに褒められるとはずかしいです……」
「でも事実だよ。本当なら一回焼くのに五時間かかるからな……その間の火の管理とか、かなり大変なんだ」
「……そうなんですか?」
「ああ。だから自信を持っていいんだ。ラベンダーはすごいんだぞ」
「先生がそう言うなら……私、これからも頑張ります!」
俺がそっと頭を撫でながら褒めたら、何故か激しくやる気を出してしまった……
俺は頑張ったラベンダーを労っただけのつもりだったのだが。
何故かやる気に火をつけてしまったらしいな……
「頑張りすぎて体調崩さないようにな? 健康が一番大事なんだから──」
「分かりました! じゃあ早速焼き芋作っちゃいましょう! 今ならさっきの倍でも簡単にできそうな気がします!」
いや……絶対分かってないパターンだよな、これ……
手持ちのサツマノイモとミドリサツマノイモを全て洗い、かまどの中に敷いた石の上に等間隔で並べる。
そして薪で温度を調節したら準備は完了だ。
「ラベンダー、準備できたよ。お願いできるか?」
「はい! 任せてください!」
元気に返事をしたラベンダーは、早速魔法を使──
「そうだ! 先生、せっかくだから一緒に魔法を使いませんか?」
「え……一緒に魔法を……?」
そんなシステム聞いたことないぞ!?
《リョウさん、協力魔法について簡単にご説明しますか?》
(ブレン! お願い!)
《では……協力魔法は、基本的には魔法を使用する者の負担を分散するための技法です》
(負担を分散? MPのこと?)
《そうです。それと、魔法を使えない人に魔法を取得するきっかけを与えることも可能なんです》
(きっかけを与える? えっとつまり……協力魔法ってのをやれば、俺も魔法を使えるようになるかもしれない、と言うこと?)
《簡単に言えばそうです。ただ……予想がついてるかもしれませんが、これはかなり高度な技法です……本当に、ラベンダーさんは何者なんでしょうか……?》
(今度時間があるときにでも、ラベンダーと女将さんに聞いてみるしかないよな。予想しようがないしさ)
「……先生?」
あ……またやっちゃった……
「ごめん! 一緒に魔法っていうのを聞いたことがなかったから、つい考え込んでた……」
「先生って、よく考え込みますよね」
「ごめん……昔からの癖みたいなもので、なかなか直らないんだ」
「いえ! 責めてる訳じゃありませんので! えっと、どうします? むりにとは……」
「無理なんてことはないよ! ぜひやってみたい! ……ただ、一緒に魔法を使うというのはやり方が全くわからないから、教えてもらえるかな?」
……これ以上考え込んでラベンダーを不安にさせられないからな。
それに、せっかく好意で提案してくれたんだ。
ビビってもいられない! ……まあ、ちょっと怖いが……
「!! 任せてください! 今度ドライの魔法も一緒にやりましょうね!」
《リョウさんファイト! そして、ぜひ協力魔法の検証をさせてください!》
……俺は実験台か……?
「じゃあ早速始めますね!」
「よろしく頼むよ」
やる気十分な様子でかまどの前に立つラベンダーに、早速協力魔法というのを教えてもらうことになった。
「と言っても、実はそんなにむずかしくないんです。私が魔法を使うときに、私のどこかに触れていてくれればいいんですよ!」
「どこかと言われてもな……じゃあ肩とかでもいいかな?」
むしろ肩以外のどこに触れても、色々と危険な気がしてならないのだが……
「もちろん肩でも大丈夫ですよ! あと、最初だから両手の方がいいかもしれません」
「そうなんだ?」
「私も、お母さんと初めてやったときは両手で抱きついていたので!」
「……えっと、とりあえず肩をお借りするね」
さりげに抱きつけと言われたような気がしたが、命が惜しいのでスルーしておく。
ラベンダーが残念そうに見えるのは、きっと気のせいだ!
俺はブレンを肩に乗せてラベンダーの隣に立つと、ラベンダーの肩にそうっと両手を置いた。
「ふふっ……そっと手を置かれると、なんだかくすぐったいですね!」
「ご、ごめん! 違うやり方がいいかな……?」
「ううん、このままで大丈夫です! じゃあ、先生からの魔力を感じたら魔法を使いますよ!」
「俺からの魔力? それは──」
質問をしかけた俺の視界に、唐突に文字が現れた。
『ラベンダーの魔法行使に協力しますか? クイックlv 消費MP10』
クイックlv? なんでレベルってついてるのに、数字はないんだろ……
(なあブレン、このクイックlvってやつ……なんで数字出てないのかな?)
《魔法の名前にlv……ですか? ……おかしいですね。そんな仕様ではなかったと思うのですが──》
そう言うとブレンはラベンダーの頭へ飛んでいき、ゆっくりと着地した。
「わっ!? ブレンちゃん!? もしかして、ブレンちゃんも一緒に魔法してくれるのかな?」
ラベンダーは集中していたのか、ブレンが飛んできたのにも気付いてなかったらしい。
なんだか、とても嬉しそうだな。
……と言うか、ブレンも魔法出来るの!?
《リョウさん……鳥の見た目とはいえ、身体があるのです。当然、私にだってステータスはあるのですよ?》
(すみません……)
《あと、これレベルじゃなくてラベンダー──lavenderの略ですね。つまり、ラベンダーさんのオリジナル魔法です》
(へぇ……そうなんだ。…………って、オリジナル魔法!? 未だに習得できたプレイヤーがほとんど居ないという噂の!?)
《リョウさん、驚くのは後にして先に協力すると念じてください。 リョウさんから魔力が来ないから、ラベンダーさんがそわそわしてますよ?》
「あっ……ごめん、ラベンダー。また考え込んでたよ……魔法に協力します!!」
ブレンに言われて焦った俺は、念じることなく口頭で言ってしまった。
(やべ、間違えた……とりあえず、今度こそ念で──)
念じようとした瞬間、俺の両手から熱が抜けたような感覚と共に、MPが減った。
どうやら念じるだけじゃなくて、口頭でもいいみたいだな……
生のまんまじゃ、全く食欲が湧かないしな。
なんせミドリサツマノイモは、その名の通り切り口から皮まで全部緑だしな……
「とりあえず、焼くだけ焼いてみるか。無事に出来てから詳細を見れば、危ないかどうかくらい分かるはずだし」
「分かりました! 私もお手伝いしますね」
「お手伝いというより、この焼き芋はラベンダーがメインだと思うぞ。ラベンダーのお陰でこんなに短時間で美味しく出来るわけだし」
事実、俺は洗ってかまどにセットして温度を調節するだけだし……
「そんなに褒められるとはずかしいです……」
「でも事実だよ。本当なら一回焼くのに五時間かかるからな……その間の火の管理とか、かなり大変なんだ」
「……そうなんですか?」
「ああ。だから自信を持っていいんだ。ラベンダーはすごいんだぞ」
「先生がそう言うなら……私、これからも頑張ります!」
俺がそっと頭を撫でながら褒めたら、何故か激しくやる気を出してしまった……
俺は頑張ったラベンダーを労っただけのつもりだったのだが。
何故かやる気に火をつけてしまったらしいな……
「頑張りすぎて体調崩さないようにな? 健康が一番大事なんだから──」
「分かりました! じゃあ早速焼き芋作っちゃいましょう! 今ならさっきの倍でも簡単にできそうな気がします!」
いや……絶対分かってないパターンだよな、これ……
手持ちのサツマノイモとミドリサツマノイモを全て洗い、かまどの中に敷いた石の上に等間隔で並べる。
そして薪で温度を調節したら準備は完了だ。
「ラベンダー、準備できたよ。お願いできるか?」
「はい! 任せてください!」
元気に返事をしたラベンダーは、早速魔法を使──
「そうだ! 先生、せっかくだから一緒に魔法を使いませんか?」
「え……一緒に魔法を……?」
そんなシステム聞いたことないぞ!?
《リョウさん、協力魔法について簡単にご説明しますか?》
(ブレン! お願い!)
《では……協力魔法は、基本的には魔法を使用する者の負担を分散するための技法です》
(負担を分散? MPのこと?)
《そうです。それと、魔法を使えない人に魔法を取得するきっかけを与えることも可能なんです》
(きっかけを与える? えっとつまり……協力魔法ってのをやれば、俺も魔法を使えるようになるかもしれない、と言うこと?)
《簡単に言えばそうです。ただ……予想がついてるかもしれませんが、これはかなり高度な技法です……本当に、ラベンダーさんは何者なんでしょうか……?》
(今度時間があるときにでも、ラベンダーと女将さんに聞いてみるしかないよな。予想しようがないしさ)
「……先生?」
あ……またやっちゃった……
「ごめん! 一緒に魔法っていうのを聞いたことがなかったから、つい考え込んでた……」
「先生って、よく考え込みますよね」
「ごめん……昔からの癖みたいなもので、なかなか直らないんだ」
「いえ! 責めてる訳じゃありませんので! えっと、どうします? むりにとは……」
「無理なんてことはないよ! ぜひやってみたい! ……ただ、一緒に魔法を使うというのはやり方が全くわからないから、教えてもらえるかな?」
……これ以上考え込んでラベンダーを不安にさせられないからな。
それに、せっかく好意で提案してくれたんだ。
ビビってもいられない! ……まあ、ちょっと怖いが……
「!! 任せてください! 今度ドライの魔法も一緒にやりましょうね!」
《リョウさんファイト! そして、ぜひ協力魔法の検証をさせてください!》
……俺は実験台か……?
「じゃあ早速始めますね!」
「よろしく頼むよ」
やる気十分な様子でかまどの前に立つラベンダーに、早速協力魔法というのを教えてもらうことになった。
「と言っても、実はそんなにむずかしくないんです。私が魔法を使うときに、私のどこかに触れていてくれればいいんですよ!」
「どこかと言われてもな……じゃあ肩とかでもいいかな?」
むしろ肩以外のどこに触れても、色々と危険な気がしてならないのだが……
「もちろん肩でも大丈夫ですよ! あと、最初だから両手の方がいいかもしれません」
「そうなんだ?」
「私も、お母さんと初めてやったときは両手で抱きついていたので!」
「……えっと、とりあえず肩をお借りするね」
さりげに抱きつけと言われたような気がしたが、命が惜しいのでスルーしておく。
ラベンダーが残念そうに見えるのは、きっと気のせいだ!
俺はブレンを肩に乗せてラベンダーの隣に立つと、ラベンダーの肩にそうっと両手を置いた。
「ふふっ……そっと手を置かれると、なんだかくすぐったいですね!」
「ご、ごめん! 違うやり方がいいかな……?」
「ううん、このままで大丈夫です! じゃあ、先生からの魔力を感じたら魔法を使いますよ!」
「俺からの魔力? それは──」
質問をしかけた俺の視界に、唐突に文字が現れた。
『ラベンダーの魔法行使に協力しますか? クイックlv 消費MP10』
クイックlv? なんでレベルってついてるのに、数字はないんだろ……
(なあブレン、このクイックlvってやつ……なんで数字出てないのかな?)
《魔法の名前にlv……ですか? ……おかしいですね。そんな仕様ではなかったと思うのですが──》
そう言うとブレンはラベンダーの頭へ飛んでいき、ゆっくりと着地した。
「わっ!? ブレンちゃん!? もしかして、ブレンちゃんも一緒に魔法してくれるのかな?」
ラベンダーは集中していたのか、ブレンが飛んできたのにも気付いてなかったらしい。
なんだか、とても嬉しそうだな。
……と言うか、ブレンも魔法出来るの!?
《リョウさん……鳥の見た目とはいえ、身体があるのです。当然、私にだってステータスはあるのですよ?》
(すみません……)
《あと、これレベルじゃなくてラベンダー──lavenderの略ですね。つまり、ラベンダーさんのオリジナル魔法です》
(へぇ……そうなんだ。…………って、オリジナル魔法!? 未だに習得できたプレイヤーがほとんど居ないという噂の!?)
《リョウさん、驚くのは後にして先に協力すると念じてください。 リョウさんから魔力が来ないから、ラベンダーさんがそわそわしてますよ?》
「あっ……ごめん、ラベンダー。また考え込んでたよ……魔法に協力します!!」
ブレンに言われて焦った俺は、念じることなく口頭で言ってしまった。
(やべ、間違えた……とりあえず、今度こそ念で──)
念じようとした瞬間、俺の両手から熱が抜けたような感覚と共に、MPが減った。
どうやら念じるだけじゃなくて、口頭でもいいみたいだな……
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