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世界について
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俺は、気を失って倒れた彼女を腕で抱き寄せた
「しかし、これどうしよう。さすがに、道端に放置ってのもかわいそうだしな」
俺がどうするか迷っていると、気を失っている彼女が目を覚ました。
「ん、私は、たしか、男性に声をかけられて。夢だったのかな」
「大丈夫ですか!?」
「ひゃっ、夢じゃなかった」
彼女は俺の声を聞くと夢じゃなかったと言っていた。
やっぱり、この世界は何かおかしいと思い。とりあえず、彼女にお詫びという名目で近くの喫茶店で話をすることにした。
喫茶店に入り、ウェイティングリストに名前を書き、店員に呼ばれるまで待つ。
少し待つと、スタッフに奥の方のテーブル席に案内された。やはり、ここの喫茶店にも男はいなかった。
まあ、何も注文しないのは店側に失礼と思いコーヒーを二杯注文することにした。
飲み物が来るまでの間、彼女と少し話すことにした。
「さっきはすまなかったね。まさか、声をかけただけで気を失うなんてさ。」
「い、いえ、まさか男性に声をかけられるとは思ってもいませんでしたので。」
俺が謝罪をすると、彼女は少し慌てた様子で弁明する。
「とりあえず、ほんの少しのお詫びとしてだけど、ここの会計は私に任せてもらってもいいかな?」
俺がそう言うと彼女は何か言いたげだったが、何かあきらめたように「お願いします」といった。
「とりあえず、お互い自己紹介をしようか」
「は、はい!名前は麗奈 美咲単語といいます!今年で25歳になりました!彼氏はまだいません!」
「私は松田 茂人っていうんだ。会社員をしていた者だよ。年齢は36。よろしく」
「よろしくお願いします!ところで、茂人さんは会社員をしていたのですか?」
「そうだよ、20歳の時に就職して16年間ずっと同じところで働いてきたよ」
それから、俺たちはいろいろなことを話した。
彼女の趣味や就職先、この世界の常識などを。
そして分かったことがある、俺が働いていた会社はないこと。この世界では男性が貴重で優遇されていること。働くのは女であること。しかも、世の中の男性のほとんどは非力なことを。
そんなことを話していると、彼女が気づいたように立ち上がった。
「すいません、茂人さん。私はこれから仕事があることを思い出しました。コーヒーありがとうございました!」
「ああ、どういたしまして。仕事、頑張ってね。」
「あと!これ私が勤めている会社と私の連絡先です!もし、どこかで働きたかったら連絡下さい!」
彼女はそう言って喫茶店から出て行った。
俺は会計を済ませ、一旦帰宅することにした。
自宅のマンションに着くと、俺の家の玄関前に知らないスーツ姿の女性が立っていた。
「しかし、これどうしよう。さすがに、道端に放置ってのもかわいそうだしな」
俺がどうするか迷っていると、気を失っている彼女が目を覚ました。
「ん、私は、たしか、男性に声をかけられて。夢だったのかな」
「大丈夫ですか!?」
「ひゃっ、夢じゃなかった」
彼女は俺の声を聞くと夢じゃなかったと言っていた。
やっぱり、この世界は何かおかしいと思い。とりあえず、彼女にお詫びという名目で近くの喫茶店で話をすることにした。
喫茶店に入り、ウェイティングリストに名前を書き、店員に呼ばれるまで待つ。
少し待つと、スタッフに奥の方のテーブル席に案内された。やはり、ここの喫茶店にも男はいなかった。
まあ、何も注文しないのは店側に失礼と思いコーヒーを二杯注文することにした。
飲み物が来るまでの間、彼女と少し話すことにした。
「さっきはすまなかったね。まさか、声をかけただけで気を失うなんてさ。」
「い、いえ、まさか男性に声をかけられるとは思ってもいませんでしたので。」
俺が謝罪をすると、彼女は少し慌てた様子で弁明する。
「とりあえず、ほんの少しのお詫びとしてだけど、ここの会計は私に任せてもらってもいいかな?」
俺がそう言うと彼女は何か言いたげだったが、何かあきらめたように「お願いします」といった。
「とりあえず、お互い自己紹介をしようか」
「は、はい!名前は麗奈 美咲単語といいます!今年で25歳になりました!彼氏はまだいません!」
「私は松田 茂人っていうんだ。会社員をしていた者だよ。年齢は36。よろしく」
「よろしくお願いします!ところで、茂人さんは会社員をしていたのですか?」
「そうだよ、20歳の時に就職して16年間ずっと同じところで働いてきたよ」
それから、俺たちはいろいろなことを話した。
彼女の趣味や就職先、この世界の常識などを。
そして分かったことがある、俺が働いていた会社はないこと。この世界では男性が貴重で優遇されていること。働くのは女であること。しかも、世の中の男性のほとんどは非力なことを。
そんなことを話していると、彼女が気づいたように立ち上がった。
「すいません、茂人さん。私はこれから仕事があることを思い出しました。コーヒーありがとうございました!」
「ああ、どういたしまして。仕事、頑張ってね。」
「あと!これ私が勤めている会社と私の連絡先です!もし、どこかで働きたかったら連絡下さい!」
彼女はそう言って喫茶店から出て行った。
俺は会計を済ませ、一旦帰宅することにした。
自宅のマンションに着くと、俺の家の玄関前に知らないスーツ姿の女性が立っていた。
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