男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru

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男性保護官

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俺の家の前にいる女性がこちらに気づき声をかけてくる。

「茂人様、どこに行っていたのですか?私はてっきりどこかの女性に連れ去られたのかと」
もちろん俺は、彼女との面識はない。どうやら話の内容を聞くに俺を心配していることを知った。
美人局か?と一瞬考えたが慌てていた彼女を見るとそうは思えなかった。

「茂人様?聞こえていますか?」
目の前の彼女は俺が話を聞いているのか聞いてくるが、俺はとりあえず寒い外よりも、家の中で話すことを提案してみた。

「とりあえず、家の中で話しませんか?」

「ほ、保護対象の男性の家の中に!?まさか私、誘われている…?」
彼女は意味不明なことを呟いていたが無視し、家の中に招き入れる。
俺の家に彼女は恐る恐る入ると、周りを見渡して深呼吸をしていた。深呼吸が終わると彼女の表情はとても満足したものとなっていた。
俺と彼女はリビングにある、テーブルに対面するようにして座った。

「今からお茶を沸かしますのでくつろいでいて下さい」

「いっ、いえ。何も男性にそこまでしていただかなくても」
彼女は俺がお茶を沸かすのに少し躊躇していたが、俺がやりたいと主張したらおとなしく引き下がってくれた。
コトリと、沸かしたお茶を彼女と俺の前のテーブルの上に置く。

「粗茶ですが」

「あ、ありがとうございます」
彼女はそう言うとお茶を啜る

「あ、おいしい」
彼女は不意にそんな言葉を呟く

「とりあえず、自己紹介しましょうか」

「あ、はい。男性保護省から派遣されてきました。男性保護官の斎藤 紗枝単語さいとう さえといいます。よろしくお願いします」
そういって彼女は深くお辞儀をする。

「私は松田茂人です、こちらこそよろしくお願いします」

「いえ、男性であるあなたがお辞儀をする必要はないのですよ!?」
俺も彼女にお辞儀をしたら止められそうになったが「礼儀として当たり前のことです。」といると、彼女はぐうの音も出なかった。

「とりあえず、男性保護省って何ですか?」
と俺が聞くと、斎藤さんは驚いた顔つきでこちらを見る

「まさか、男性保護省のことを忘れたのですか?」

「ええ、まあ」と俺が言うと斎藤さんは「分かりました」と言い男性保護省について話し始めた
要約すると
・世界の男性が少ないことから設立された省であること
・その目的は、男性の数を今の女性の数と同じにさせること
・また、その目的を達成させるために男性には特別な義務・報酬を課したこと
・国内のすべての男性には最低でも一人の保護官を配属させること
・国内にいる男性には医療費無償、公共料金無償、といった権利があること
の5つが主な内容だった。
男性に課せられた特別な義務とは子種の提供、つまり精液を提出することだ。
もちろん、精液を出したらその精液の質によってもらえる特別な報酬が変わってくるらしい。
精液の質は最低のE~Aまであるらしく。Aが今のところの最高ランクとなっているそうだ。
どうやら最近の男性は精液を出すことが困難になりつつあるらしく、精液が出ても、その質が悪かったりといった問題があるのだとか。

「それで、誠に言いにくいのですが明日茂人さまの精液検査と採取をしたいのですが」
と斎藤さんに明日来てくれないかと呼び出しを受け、俺は二つ返事でOKを出した。
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