薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ

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ら、1本足の鳥に襲われた

黒い鳥と魔獣列車②

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 「ちょっと、其処の人」

 「あ? 何だあんた? 危ないから客室に入ってろ! 」

 イラッとするのはわからいでも無いが、そう言う態度は良くないと思うぞ。まだ本題にも入って無いんだから。
 あからさまに鬱陶しいと言う表情を隠そうとしない男に、聞くかどうかも解らない忠告をしてやろうと思う俺って、やっさし~。けど、コイツは忠告をどう取るかねぇ。

 「じゃあ、お言葉に甘えて、客室に戻る前に1つ忠告しておくよ。黒禽だけど、アレを殺す時は瞬殺で殺すんだよ。くれぐれも、絶対に、咆哮はさせないように。万が一、キズを負わせただけで終わってしまったり、少しでも咆哮させてしまったら…… 」

 其処まで言って俺は周りの男女を見回す。
 流石に他の連中も俺の話を聞く気になったのか、此方の方をじっと静かに見やり、意識を傾けた。

 「一族郎党総てを呼びつけて、差し違えてでも此処にいる全員を殺しに来るから。因みに列車に乗ってる総ての生き物全員だからね。呉々も注意を怠らずにね~」

 明るい声音で言う割に、乗せる言葉は結構酷い。解ってますけど、コレが事実です。
 ひらひらと手を振って、踵を返す俺の背中に待ったが掛かる。やっぱり知らなかったのか?リーダーらしき男はその場から離れようとする俺に「ちょっと待った!」の一声を掛けた。

 そりゃあ、知らなきゃ待ったを掛けるよね。意外と知られていないんだよ黒禽の性質。そのせいで全滅したパーティー数知れず。の、割に討伐方法が知られていない理由は、黒禽の数のせい。
 あいつら個体数が絶対的に少ないの。そして、家族愛が強い。だからちょっとでも攻撃を受けると一族郎党で襲って来る訳。

 俺は待ったを掛けた男にそう説明すると、

 「そう言う事だから、まぁ、頑張って」

 と言ってその場を後にしようと、今一度踵を返した。まぁ、男の最初の一言に若干イラッとしたのは確かだ。だからこういう態度で接してるんだけどね。
 あ~、大人気ないって?しょーがないじゃんか、あれは初対面の人にする態度じゃないし、仮にも、あいつ等はこの魔獣列車の社員な訳だし、俺は客だからね。
 加勢してやろうと言う人への態度じゃないと思わないか?だから俺はそのままこの場を立ち去ろうと思っている。途中下車するのは代金が勿体ないが、『命あってのものだね』なんて言う言葉が有るくらいだ、さっさとこの場を離れる事に限る。一緒に破滅する気はさらさら無いからね。

 俺は目前の扉の取っ手に手を掛ける。すると同時に俺の横から声が上がった。

 「お客様。当社の社員がご迷惑おかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。その上で大変申し上げにくい事をお伝え申します。どうか、どうか、お願いします、この列車には他にも多数のお客様が乗車しております。どうかお願い致します、この列車とお客様を助けて頂けませんでしょうか。この通りです」

 車掌が深々と頭を下げる。俺に向かってだ。
 俺はマジマジと車掌を見る。
 天井からは黒禽が攻撃つつく衝撃に、耳を劈くような鳴き声がしている。
 これでは、時間は限られているだろうな。

 何というか、コレが木造の船かと思ったら、とんでもない泥船な訳で……。俺はそんな物に乗り続けるつもりは毛頭無いんだよな。だから答は1つ。

 「俺は戦い方のアドバイスをするつもりで来ただけですよ。それも今言いましたしね。これでお役御免です」

 「そんな…… 」

 俺はお人好しでは無いよ。助けてやる義理は無いしね。冒険者ですから、ただ働きは致しません。そんなショックだ!なんて顔されても、ねぇ。
 今の俺は、酸いも甘いも煮え湯も、飲まされまくった後ですから、同情では動きません。

 そうだねぇ、強いて言えば『仕事じゃなければ黒禽退治はやりません』かな。

 「ちょっと待てよ、あんた、あいつを良く知ってるのか? あんたは、一般人じゃないのか? 」

 落ち込む車掌をよそに、リーダー格の男が俺に話掛けてきた。さっきとは違ってほんのちょっとだけだけど、冷静になったようだね。でもあんた呼ばわりはどうかねぇ。

 「あぁ、冒険者だよ。でもまぁ、しがない薬屋だけどね。あ、付与術師でもあるか」

 俺の返事と言えば場の空気が崩れるかと思う程あっけらかんとしていて、何処までも他人事でしかない。

男の表情が変わった。しかめるような、さげずむような、嫌そうな顔。
 何があったのか知らないが、俺はあんたにまだ何も・・・・していないぞ、失礼な奴だな。
 奴の態度がそんな感じなんだから、俺だってやな顔を隠さず出す事に、非難される覚えは無いからな。

 と、そんな周りの態度に俺は眉をしかめるのだった。
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