薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ

文字の大きさ
4 / 25
薬師パーティーを後にする

しおりを挟む
 「はい。登録完了しました。これでどちらも受付完了です。また新たなパーティーに加入となりましたら、申請をお願いしますね」

 受付嬢はそう言うと、丁寧なお辞儀をしてくれた。

 「この後は、何かクエストをお探しになりますか? 」

 そう聞いて来るので、

 「えぇ、そうですね。薬草採取と、ついでに何か魔石を盗伐で入手しようかと、考えているのですが何か有りますか? 」
 
 と、答えると受付嬢は微笑を浮かべ答えてくれた。

 「通常はあちらのクエストボードに貼り出しておりますが、ロブさんは只今此方におられますので、どのようなクエストをお探しか指定して頂ければ、此方で幾つか提示出来ますが如何致しますか? 」

 「あ、それなら紹介してもらえますか? 」

  「はい、喜んで。それでは、此方など如何でしようか? 」
 
 受付嬢はカウンターに2枚の紙を俺に向けて置いた。回復薬の薬草のうちメインとなるメディチ草、その採取と、ワイルドラット。
 
 ワイルドラットは割と討伐し易い魔獣で、かつ、繁殖力の高いネズミだ。依頼自体は常設扱いの討伐依頼で依頼主は冒険者ギルド。で、ラットはGランクでも討伐可能な魔獣だった。
 
 何故、薬草採取と魔石採取を薬師の俺が討伐依頼を受けてまでする必要があるのか。
 
 最初は何も解らなかった。この世界の仕組みも何もかも。だってねぇ、自分で取って使用するのに許可がいるか?っての。

 そう思ってこっちに来た頃、薬草採取してたらギルドに厳重注意を受けてしまった。

 な~ぜ~だ~。

 俺は此処に召喚された時、巻き込まれただけの奴ら・・には何の役にもたたない人間だった。(俗に言う巻き込まれ召喚って奴ね)

 奴らが欲しかったのは、勇者、魔法使い、僧侶、騎士、聖女となれる人間だったからね。
 
 俺はそのどれも奴らのお眼鏡に叶わなかったのか、少しのお金を持たされて召喚された城から放逐されてしまった。

 その後、召喚された5人の男女の事は俺には何も解らない。城から出されたし、連絡なんて取れなかったからね。

 それからは苦労したなぁ。今思い返しても俺を召喚した奴らにははらわたが煮えくり立つ。    
 幸い俺は小さな頃から読んでいた本の中に、勇者や勇者召喚の物語が有り、それが参考になった為にこの世界に順応するのは、割と早かったなと思う。
 
 でも、それでも細々としたお約束ごとには疎かった俺は、最初の頃勝手に薬草採取をして、ギルドに厳重注意を受けるようなヘマをしてしまった、って訳だった。
 
 話を戻すと、この世界で働く人は、全てギルドに所属しなければならない。商売をするなら商業ギルド、公共事業関連や採取を含めた仕事をするなら冒険者ギルド。大まかにはこの2つに分けられる。
 
 そしてギルド会員は、そう多くない規則を厳守しなければならなかった。
 
 俺は薬師だが、店を持たない為冒険者として登録している。その理由は帰る方法を探す為だ。
 
 今でこそこの街に居着いているが、機会があればこの街を出て、また帰る方法を探すつもりでいる。
 
 そんな思考をしていても、2枚の依頼書を全て読み終えていた俺は、それらにサインを入れて受付嬢に向けると、彼女に言った。

 「2つ共受けます。どちらも数に制限は有りますか? 」
 
 「ワイルドラットの方はありませんが、メディチ草は今回は、40束までの制限が御座います」
 
 「了解です。じゃあ今から行ってきますね」

 受付嬢は俺に説明しながら依頼書の受理をしていく。彼女は逸れを終わらせると、顔を上げにこりと笑い、手を振った。

 「ロブ様、お気おつけて行ってらっしゃいませ」

 「ありがと。行ってきます」

 俺もそう言って笑うと、きびすを返し冒険者ギルドを後にした。時間は昼前、左右どちらの道を行こうかと逡巡したが右の道を選び歩き出した。

 さぁて、どうこう言ってもこれで俺は自由の身だ。そうだな、家を解約してまた旅にでも出るかな。

 師匠義兄上姉上・・、俺は異世界で元気にやってます。いつか必ず帰って見せますから…… 。でも、探し出してくれると、とっても嬉しいですけどね。


 

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト=グリモワール=シルベスタは偉大な師匠(神様)とその脇侍の教えを胸に自領を治める為の経済学を学ぶ為に隣国に留学。逸れを終えて国(自領)に戻ろうとした所、異世界の『勇者召喚』に巻き込まれ、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。 『異世界勇者巻き込まれ召喚』から数年、帰る事違わず、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居るようだが、倒されているのかいないのか、解らずとも世界はあいも変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様とその脇侍に薬師の業と、魔術とその他諸々とを仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話のパート2、ここに開幕! 【ご注意】 ・このお話はロベルトの一人称で進行していきますので、セリフよりト書きと言う名のロベルトの呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしりなので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。 なるべく読みやすいようには致しますが。 ・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。 勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。 ・所々挿し絵画像が入ります。 大丈夫でしたらそのままお進みください。

【完結】料理人は冒険者ギルドの裏で無双します

vllam40591
ファンタジー
東京の超一流レストランで命を削り、ついには過労死してしまった天才料理人・椎名栄作(29歳)。目を開けば、そこは魔法と魔物が存在する異世界「アストラル大陸」だった。 偶然にも毒蜘蛛に噛まれた少年を救ったことで、栄作は自分に特殊能力「味覚分析」が宿っていることを知る。触れるだけで食材の全てを理解し、その潜在能力を引き出せるこの力は、異世界の食材にも通用した。 石造りの町アーケイディアで冒険者ギルドの料理人として雇われた栄作は、やがて「料理魔法師」という稀有な存在だと判明する。「魔物肉」や「魔法植物」を調理することで冒険者たちの能力を飛躍的に高める彼の料理は評判となり、ギルドの裏で静かに"伝説"が生まれ始めていた。 「この料理、何か体が熱くなる…力が溢れてくる!」 「あのシェフのおかげで、SS級の討伐クエストを達成できたんだ」 戦うことなく、ただ料理の力だけで冒険者たちを支える栄作。 しかし古き予言の主人公「料理で世界を救う者」として、彼は「死食のカルト」という邪悪な組織と対峙することになる。 鍋と包丁を武器に、料理精霊を味方につけた栄作は、最高の一皿で世界の危機に立ち向かう。 現代で認められなかった料理人が、異世界で真価を発揮し「グランドシェフ」として成長していく姿を描いた、笑いと感動と食欲をそそる異世界美食ファンタジー。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。

くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。 しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた! しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!? よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?! 「これ…スローライフ目指せるのか?」 この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

処理中です...