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薬師逃げ足だけは速いです
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あ~、居た居た。キャロライン嬢。
俺は東の緑豊かな草原に着地する。パーフェクトヒールはこの辺り一帯も完璧な状態に戻したらしい。一体何百年分後退したのか、この大地は。
おそらくあの西の森の奈落も、最初は小さな魔物が出て来る位だったのが、何百年も掛けて少しずつ大きく成り、微妙な頃合いの大きさに成った頃、大きな魔物が出ずらい穴から無理矢理出て来るようになり、その反動で崩れるのではなく広がり、やがては巨大化したのだろう。と、コレは俺の推測。
この推測は、現状をこの目で見て来た俺の見解だと、キャロライン嬢に告げた。
勿論、俺の話を聞く前に、彼女は真っ先にとても俺の事を心配してくれた。この辺りの様子を見れば、此処も絶対零度の範囲に入っていた筈で…… 。それに対して彼女は、
「わたくしはロブさんの指輪に護られている自信がありましたので、『氷結の美』を堪能させて頂きましたわ」
等とのたまい、俺はしみじみと彼女の胆力には感心させられた。指輪を持ってしても、辺りが凍っていく恐ろしさは拭えなかっただろうに。
「それに、凍ったかと思いましたら、あっと言う間に深緑の若葉が芽吹き、成長して行きましたのよ。そして、この一面の緑、やせ細った大地が緑で覆われる様はとても美しく有りましたわ。市民を代表して、御礼を言わせて頂きます。ありがとう御座いました」
彼女の始終強ばっていた表情に柔らかな微笑みが見える。そっかぁ、キャロライン嬢ってこんな顔出来たんだ。何か、ちょっとだけやって良かったかと思う。
俺はそんな彼女に安堵しつつ、右手をひょいっと上げて、軽く振った。
無詠唱の魔法。それは、俺のこの世界では生きにくい身体を生きていきやすいように縛る魔法。下手な歩き方をすれば大気圏外へ飛び出していきそうな身体を、そうならないよう重力を掛け、考えなくても極大魔法が飛び出そうな魔力の元となる魔素を薄くし、幾日も眠らなくてもどうってことない体力も下げる(嫌、コレは下げなくても良いか)。
そうやって、俺は初めてキャロライン嬢に握手が出来る。
「其方こそサポートサンキュ」
其処で俺達はお互いの健闘を称え握手を交わした。
「さて、このままブッチする為の手続き頼んで良いかな? キャロライン嬢」
「え……、このまま行ってしまうのですか?」
「うん、ある意味面が割れてしまったからね。早くとんずらしないと面倒くさい事になる」
「あー、確かにロブさんが重ねがけの魔術師だと言う事は知られてしまいましたもの…… 。貴方様の嫌う事になるやも知れませんわね。特に、ギルマス辺りが面倒な気が致しますわ」
眉をひそめるキャロライン嬢、流石良く解ってらっしゃる。こう言う時は逃げるが勝ちだ。
「ってな訳で、今回の付与魔法の値段に、凍りついた魔獣の価格の方はギルマスの言ってた価格で請求書を出すが魔獣の価格が解らん」
そう言う俺に、キャロライン嬢はすぐさま姿勢を正しギルド職員の顔になった。流石だね~。
「ギルドの規定価格でしたら、わたくしの采配で決済させて頂く事が可能ですが、如何なさいます? 」
「勿論、沢山有るから規定価格で良いよ。普通なら生きたまま冷凍されているのも居るだろうから上乗せして貰える筈だけど…… 」
俺はそう言うとニヤリと笑う。かなり迷惑を掛けられたんだ、ふふふふふ、良いよな。
「勿論、迷惑もしたからねぇ、一括で頼むよ。流石に300回払いなんて言わせないよ」
「ええ、えぇ、勿の論ですわぁ。だって、マスターからの依頼の報酬と、魔物の買い取りですから、ギルドは拒否出来ませんわ。新鮮な魔物ですもの。あぁ、買い取り不可と規定にある魔物は御座いませんね」
「あぁ、ゴブリンとかだろう。そんなのは自動ではじくようにしている。ほら、リスト」
俺はリストがあったのを思い出しぶ厚いリストを彼女に渡した。
「これはこれは…… 、凄いですねぇ。ロブさんが規定価格でいいとおっしゃった理由が納得できましたわ。ではお言葉に甘えまして…… 」
彼女はそう言うと小型端末を取り出し、あのぶ厚いリストを転送し、端末にサインをして俺に手渡した。
よく見ると、れいの端末だ。コレにまたサインするのかぁ。今朝の事なのに何か感慨深いなぁ。
「ロブさん? 如何されましたか? 」
「いや、何でも無いよ」
俺は微妙な顔で端末にサインをする。それを彼女に返すと、頷き送信した。その後はあの時と同じ。
俺のギルドカードに、途方もない額が記入された。
俺は東の緑豊かな草原に着地する。パーフェクトヒールはこの辺り一帯も完璧な状態に戻したらしい。一体何百年分後退したのか、この大地は。
おそらくあの西の森の奈落も、最初は小さな魔物が出て来る位だったのが、何百年も掛けて少しずつ大きく成り、微妙な頃合いの大きさに成った頃、大きな魔物が出ずらい穴から無理矢理出て来るようになり、その反動で崩れるのではなく広がり、やがては巨大化したのだろう。と、コレは俺の推測。
この推測は、現状をこの目で見て来た俺の見解だと、キャロライン嬢に告げた。
勿論、俺の話を聞く前に、彼女は真っ先にとても俺の事を心配してくれた。この辺りの様子を見れば、此処も絶対零度の範囲に入っていた筈で…… 。それに対して彼女は、
「わたくしはロブさんの指輪に護られている自信がありましたので、『氷結の美』を堪能させて頂きましたわ」
等とのたまい、俺はしみじみと彼女の胆力には感心させられた。指輪を持ってしても、辺りが凍っていく恐ろしさは拭えなかっただろうに。
「それに、凍ったかと思いましたら、あっと言う間に深緑の若葉が芽吹き、成長して行きましたのよ。そして、この一面の緑、やせ細った大地が緑で覆われる様はとても美しく有りましたわ。市民を代表して、御礼を言わせて頂きます。ありがとう御座いました」
彼女の始終強ばっていた表情に柔らかな微笑みが見える。そっかぁ、キャロライン嬢ってこんな顔出来たんだ。何か、ちょっとだけやって良かったかと思う。
俺はそんな彼女に安堵しつつ、右手をひょいっと上げて、軽く振った。
無詠唱の魔法。それは、俺のこの世界では生きにくい身体を生きていきやすいように縛る魔法。下手な歩き方をすれば大気圏外へ飛び出していきそうな身体を、そうならないよう重力を掛け、考えなくても極大魔法が飛び出そうな魔力の元となる魔素を薄くし、幾日も眠らなくてもどうってことない体力も下げる(嫌、コレは下げなくても良いか)。
そうやって、俺は初めてキャロライン嬢に握手が出来る。
「其方こそサポートサンキュ」
其処で俺達はお互いの健闘を称え握手を交わした。
「さて、このままブッチする為の手続き頼んで良いかな? キャロライン嬢」
「え……、このまま行ってしまうのですか?」
「うん、ある意味面が割れてしまったからね。早くとんずらしないと面倒くさい事になる」
「あー、確かにロブさんが重ねがけの魔術師だと言う事は知られてしまいましたもの…… 。貴方様の嫌う事になるやも知れませんわね。特に、ギルマス辺りが面倒な気が致しますわ」
眉をひそめるキャロライン嬢、流石良く解ってらっしゃる。こう言う時は逃げるが勝ちだ。
「ってな訳で、今回の付与魔法の値段に、凍りついた魔獣の価格の方はギルマスの言ってた価格で請求書を出すが魔獣の価格が解らん」
そう言う俺に、キャロライン嬢はすぐさま姿勢を正しギルド職員の顔になった。流石だね~。
「ギルドの規定価格でしたら、わたくしの采配で決済させて頂く事が可能ですが、如何なさいます? 」
「勿論、沢山有るから規定価格で良いよ。普通なら生きたまま冷凍されているのも居るだろうから上乗せして貰える筈だけど…… 」
俺はそう言うとニヤリと笑う。かなり迷惑を掛けられたんだ、ふふふふふ、良いよな。
「勿論、迷惑もしたからねぇ、一括で頼むよ。流石に300回払いなんて言わせないよ」
「ええ、えぇ、勿の論ですわぁ。だって、マスターからの依頼の報酬と、魔物の買い取りですから、ギルドは拒否出来ませんわ。新鮮な魔物ですもの。あぁ、買い取り不可と規定にある魔物は御座いませんね」
「あぁ、ゴブリンとかだろう。そんなのは自動ではじくようにしている。ほら、リスト」
俺はリストがあったのを思い出しぶ厚いリストを彼女に渡した。
「これはこれは…… 、凄いですねぇ。ロブさんが規定価格でいいとおっしゃった理由が納得できましたわ。ではお言葉に甘えまして…… 」
彼女はそう言うと小型端末を取り出し、あのぶ厚いリストを転送し、端末にサインをして俺に手渡した。
よく見ると、れいの端末だ。コレにまたサインするのかぁ。今朝の事なのに何か感慨深いなぁ。
「ロブさん? 如何されましたか? 」
「いや、何でも無いよ」
俺は微妙な顔で端末にサインをする。それを彼女に返すと、頷き送信した。その後はあの時と同じ。
俺のギルドカードに、途方もない額が記入された。
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