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第七幕 崖の下の住人
先代の遺した物
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ネックの折れたべー太の修復はそれほど難しくなかった。
魚から作ったニカワは本当に強力だった。ばっきり折れた断端と断端をしっかり接着してくれた。添え木をして上から針金でぎゅーぎゅーに締め上げて1週間陰干しにしたらネックは完全に元通りだ。
むしろ問題は弦だった。傷んだ弦の代わりがなかなか見つからなかったが、俺とニコの身体をぐるぐる巻きにしてたハルさんのツタが残ってたので、これを適当な長さに切って使うことにした。
よしできた。
胴が無骨な箱形をしてる以外は立派なアコ-スティックべースだ。早速弾いてみよう。
『ブン、ブン、ブーン』
お! 柔らかい音だがしっかり低音が出てる。いいよこれ。ああ、ベース弾くの久しぶりだ。やっぱりこの太い音がいいよな。
気がついたらニコもナラさんも放ったままで小一時間弾きまくっていた。
「ふふ、ソウタ嬉しそう」
「いや、べー太も喜んどるわ。まさか直してもろて、誰かにまた弾いてもらえるとは思とらんかったやろからな」
「あっ、すいません。つい夢中になってました」
「ええでええで、ナンボでも弾いてくれ。それはお前のモンや。キョウがお前に遺したモンや。引き継ぎ物品や」
「えっ! もらっちゃっていいんですか?」
「そらそうや。元々ワシのもんでもないし、ワシは弾かれへんからな。キョウも、お前が弾いてくれるんやったらあの世で大喜びや。ああ、キョウがそいつをクールに弾いてた姿が目に浮かぶわ……」
そう言いながらナラさんは涙ぐんでいる。
「あの、キョウさんって、どんな人だったんですか?」
気になってたことを訊いてみた。
「キョウは……そやな……一言では言い表せへんなあ」
ナラさんは潤んだ目を彼方に向けた。
「ええヤツやった、すごいヤツやった、カッコええヤツやった……どんな風に言うても言い足らん感じや」
「あの、どのくらいの年齢の人だったんですか?」
「そうやな。若者っちゅう感じとはちゃうかったな。三十代半ばかなあ。初めて会うた時は薄汚れたオッサンっちゅう感じやったわ」
「どんな風に出会ったんですか?」
「ああ、あれはなあ、ワシがまだ中央森林でぶいぶい言わしとった頃のことや」
「ぶいぶい言わしてたんですか?」
「おおよ。ぶいぶい言わしとった」
ナラさんは懐かしそうな顔になって昔を語り出した。
「ワシはな、母親をエルフの狩人に殺られて孤児になっとったんを、レジスタンスキャンプの人間に拾われたんや。そやから人の言葉も習性も知っとる。簡単な歌術も使える。大人になってキャンプを出てからはな、それを武器に一人でエルフの連中と戦っとったんや。あいつらには『魔鹿』いうてビビられとったぐらいや」
そういえばあの白狼も似たような生い立ちじゃなかったっけ。いやでもエルフと戦うって穏やかじゃないな。
「エルフと敵同士ってことですか?」
「まあな。母の敵、永遠のライバル、いうところや」
俺の脳裏にはハルさんの尖った耳が浮かんでいた。ハルさんがここに来ることなんてないよな? 大丈夫だよな?
「いつも森を見回ってな、エルフが仕掛けた罠があったら木切れを挟んだったり、狩人が獲物を狙っとったら遠くから邪魔したったりしとったんや。それがな、ある時、樹にかすみ網が仕掛けてあったんや。小鳥を捕るためのごっつ卑怯な方法や」
「そんなのがあるんですか」
「そや。ワシ、もう、かーっと頭に血が上ってな。何ちゅう卑怯なことさらすねん! この森でこんなこと許さんぞ! 思うて、角で網を破きまくったったんや。そしたらな、その足元に罠が仕掛けてあってん」
「えっ、それって……」
「そうや。明らかにワシを狙った罠や。ワシがそういう行動をとるやろうと読んで仕掛けた罠や」
「それもエルフの仕業ですか?」
「いや。エルフは気位の高い種族や。そういう下らんことはせん。あれは人間の仕業やな」
「何で人間が?」
「まあ、エルフだけやのうて、外部から森に入ってくる人間にもいろいろ悪さしまくったったからな。恨まれとったんやろな。しゃあないわ」
「あらあ……」
「ほんでな、まんまと罠にかかってしもたワシが弱っとるところにな、ヘンな格好したヒゲ面のオッサンが通りかかったんや。何じゃこいつは、思うたけど、そいつの髪がな、真っ黒やったんや」
「黒髪の……」
「そうや。黒髪は異世界人の目印やてレジスタンスの間でいつも話しとったからな。このオッサンが新しい歌い手か、思うて足痛いの忘れてぼーっと眺めとったんや」
「そしたら助けてくれたんですか?」
「そう思うやろ? それがな、そいつしばらくワシのことジロジロ見とったのに、そのまま行ってしまおとするんやで。あり得んやろ」
「ええっ、マジすか?」
「マジや。『おいこら、この罠を外して行ったらんかい!』て思わず言うたけどな、言葉が全然通じへんのや」
「ああ、こっちの世界に来てすぐだったんですね」
「それよ。結局身振り手振りでようやっと意思は通じて罠は外してくれよったけどな。何でワシのことジロジロ見てたんやって後で訊いたらな、『この鹿、食うたろかな、どうしよかな、不味そうやし止めよ』いうて考えとったらしい」
ハハハ、そういうオチか。
「キャハハハハハ!」
ニコはツボったのかお腹を抱えて大笑いしてる。ニコがこんなに笑うのは滅多にないが、見てると俺も楽しくなってくる。
「で、それのどこがカッコええ奴なんですか?」
「ああ、すまん。単なる出会いの話やからちっともカッコええことないわ」
ニコはそこでまた大ウケしてる。つられて俺まで大笑いしてしまった。
「その後な、キョウをレジスタンスキャンプに連れて行って、そこにしばらくおったんや。そやけど言葉を覚えるより先にあれこれ歌術を使えるようになりよるし、その歌術がまたものすごい威力やし、みなビビってしもてな。だんだん居辛くなってしもて、それでワシと2人でキャンプを出たんや」
「ああ、そこからずっとキョウさんと一緒だったんですね」
「そういうことやな」
「キョウさんは最初から黙呪王を倒そうと思ってたんですか?」
「ああ……それな」
ナラさんは急に真面目な顔になった。
「キョウはな、前の世界に奥さんと子供2人を残して来たんや。そやから『一刻も早く家に帰らないといけない』いうて必死やったんや。黙呪王を倒せば戻れるかもしれんっちゅうことが分かってからは、打倒・黙呪王で一切ブレへんかったわ」
そうか……すごい家族思いのお父さんだったんだな。妻子を置いて若手女優と不倫した挙げ句に失踪しやがったどこかのクソ親父とは全然違うな。べー太のどこかにキョウさんの爪の垢が残ってないだろうか。
「その熱意に心を動かされてな、ワシも付き合うことにしたんやけどな、結局、その願いを叶えてやることはできんかった。あいつは嫁さん子供の所に戻れへんまま死んでしもたんや」
急にしんみりした雰囲気になってしまった。
「あの……訊いてもいいですか? どんな最期だったんですか?」
どうしても気になるので恐る恐る訊いてみた。
「それが分からんのや。黙呪王のおる『王の間』に入れるんは歌い手本人だけや。『王の扉』が開いたとしても、他のモンが一緒に入ると、同じ所をぐるぐる回らされるだけで王の間にはたどり着けん」
「じゃあ、仲間はみな、扉の外で待ってるしかないんですね」
「そういうことや。ワシら、キョウやったら黙呪王を倒して戻ってくるやろと信じて外で待ってたんや。しやけどな、待って、待って、そのまま扉の前で1週間待ったんやけど、アカンかった。王の扉は二度と開かんかった。あいつは戻って来んかった」
「そうだったんですか……」
言葉がない。
「どんな風に戦うて、どんな風に死んだんかも分らんし、骨を拾たることもできん。唯一の希望はな、あの世に行ったら、いつかは家族と再会できる日が来るやろ? それだけや。せめてそれぐらい思とかんと、やってられんやろ? 救いがなさ過ぎるやろ?」
そう言ってナラさんは大きな目からぽろぽろと涙をこぼした。俺とニコも……思わずもらい泣きだ。
「お前も、向こうの世界にいろいろ残して来たんか?」
ちょっと落ち着いたところでナラさんが俺に尋ねた。
「ええ、まあ……家族も友達もいましたから」
「お前も、元の世界に戻りたいか?」
ナラさんは真正面から俺を見る。
ニコもこちらをジッと見つめてくる。いつかジゴさんからもハルさんからも同じことを訊かれた。俺は正直に答える。
「最初はホームシックになったこともありました。でもこの子が、ニコが、ずーっと一緒にいてくれたし、こっちの世界で家族や友達もできました。今の僕にはこちらの世界の方がずっと大事です。元の世界には戻りたくありません」
「ほう! よう言うた。はっきりしててええわ」
ナラさんは笑顔になった。ニコはホッと息を吐いた。
「それやったら話は早いな。昨夜も言うた通りや。黙呪王なんかと戦うな。ずっとここにおれ。ここで平和に暮らしとけ」
「ええ、お言葉に甘えさせていただきます」
「よっしゃ! 話が一段落したところで、今日もバンドやろか!」
ナラさんはまた鍋ぶたと太鼓のドラムセットを引っ張り出してきた。ニコも魔笛を構えてる。俺も改めてべー太のネックを握った。
俺の右の目尻がピクピクしてることに、さすがのニコも気付かなかったようだ。
本当に、これで、いいんだろうか。
魚から作ったニカワは本当に強力だった。ばっきり折れた断端と断端をしっかり接着してくれた。添え木をして上から針金でぎゅーぎゅーに締め上げて1週間陰干しにしたらネックは完全に元通りだ。
むしろ問題は弦だった。傷んだ弦の代わりがなかなか見つからなかったが、俺とニコの身体をぐるぐる巻きにしてたハルさんのツタが残ってたので、これを適当な長さに切って使うことにした。
よしできた。
胴が無骨な箱形をしてる以外は立派なアコ-スティックべースだ。早速弾いてみよう。
『ブン、ブン、ブーン』
お! 柔らかい音だがしっかり低音が出てる。いいよこれ。ああ、ベース弾くの久しぶりだ。やっぱりこの太い音がいいよな。
気がついたらニコもナラさんも放ったままで小一時間弾きまくっていた。
「ふふ、ソウタ嬉しそう」
「いや、べー太も喜んどるわ。まさか直してもろて、誰かにまた弾いてもらえるとは思とらんかったやろからな」
「あっ、すいません。つい夢中になってました」
「ええでええで、ナンボでも弾いてくれ。それはお前のモンや。キョウがお前に遺したモンや。引き継ぎ物品や」
「えっ! もらっちゃっていいんですか?」
「そらそうや。元々ワシのもんでもないし、ワシは弾かれへんからな。キョウも、お前が弾いてくれるんやったらあの世で大喜びや。ああ、キョウがそいつをクールに弾いてた姿が目に浮かぶわ……」
そう言いながらナラさんは涙ぐんでいる。
「あの、キョウさんって、どんな人だったんですか?」
気になってたことを訊いてみた。
「キョウは……そやな……一言では言い表せへんなあ」
ナラさんは潤んだ目を彼方に向けた。
「ええヤツやった、すごいヤツやった、カッコええヤツやった……どんな風に言うても言い足らん感じや」
「あの、どのくらいの年齢の人だったんですか?」
「そうやな。若者っちゅう感じとはちゃうかったな。三十代半ばかなあ。初めて会うた時は薄汚れたオッサンっちゅう感じやったわ」
「どんな風に出会ったんですか?」
「ああ、あれはなあ、ワシがまだ中央森林でぶいぶい言わしとった頃のことや」
「ぶいぶい言わしてたんですか?」
「おおよ。ぶいぶい言わしとった」
ナラさんは懐かしそうな顔になって昔を語り出した。
「ワシはな、母親をエルフの狩人に殺られて孤児になっとったんを、レジスタンスキャンプの人間に拾われたんや。そやから人の言葉も習性も知っとる。簡単な歌術も使える。大人になってキャンプを出てからはな、それを武器に一人でエルフの連中と戦っとったんや。あいつらには『魔鹿』いうてビビられとったぐらいや」
そういえばあの白狼も似たような生い立ちじゃなかったっけ。いやでもエルフと戦うって穏やかじゃないな。
「エルフと敵同士ってことですか?」
「まあな。母の敵、永遠のライバル、いうところや」
俺の脳裏にはハルさんの尖った耳が浮かんでいた。ハルさんがここに来ることなんてないよな? 大丈夫だよな?
「いつも森を見回ってな、エルフが仕掛けた罠があったら木切れを挟んだったり、狩人が獲物を狙っとったら遠くから邪魔したったりしとったんや。それがな、ある時、樹にかすみ網が仕掛けてあったんや。小鳥を捕るためのごっつ卑怯な方法や」
「そんなのがあるんですか」
「そや。ワシ、もう、かーっと頭に血が上ってな。何ちゅう卑怯なことさらすねん! この森でこんなこと許さんぞ! 思うて、角で網を破きまくったったんや。そしたらな、その足元に罠が仕掛けてあってん」
「えっ、それって……」
「そうや。明らかにワシを狙った罠や。ワシがそういう行動をとるやろうと読んで仕掛けた罠や」
「それもエルフの仕業ですか?」
「いや。エルフは気位の高い種族や。そういう下らんことはせん。あれは人間の仕業やな」
「何で人間が?」
「まあ、エルフだけやのうて、外部から森に入ってくる人間にもいろいろ悪さしまくったったからな。恨まれとったんやろな。しゃあないわ」
「あらあ……」
「ほんでな、まんまと罠にかかってしもたワシが弱っとるところにな、ヘンな格好したヒゲ面のオッサンが通りかかったんや。何じゃこいつは、思うたけど、そいつの髪がな、真っ黒やったんや」
「黒髪の……」
「そうや。黒髪は異世界人の目印やてレジスタンスの間でいつも話しとったからな。このオッサンが新しい歌い手か、思うて足痛いの忘れてぼーっと眺めとったんや」
「そしたら助けてくれたんですか?」
「そう思うやろ? それがな、そいつしばらくワシのことジロジロ見とったのに、そのまま行ってしまおとするんやで。あり得んやろ」
「ええっ、マジすか?」
「マジや。『おいこら、この罠を外して行ったらんかい!』て思わず言うたけどな、言葉が全然通じへんのや」
「ああ、こっちの世界に来てすぐだったんですね」
「それよ。結局身振り手振りでようやっと意思は通じて罠は外してくれよったけどな。何でワシのことジロジロ見てたんやって後で訊いたらな、『この鹿、食うたろかな、どうしよかな、不味そうやし止めよ』いうて考えとったらしい」
ハハハ、そういうオチか。
「キャハハハハハ!」
ニコはツボったのかお腹を抱えて大笑いしてる。ニコがこんなに笑うのは滅多にないが、見てると俺も楽しくなってくる。
「で、それのどこがカッコええ奴なんですか?」
「ああ、すまん。単なる出会いの話やからちっともカッコええことないわ」
ニコはそこでまた大ウケしてる。つられて俺まで大笑いしてしまった。
「その後な、キョウをレジスタンスキャンプに連れて行って、そこにしばらくおったんや。そやけど言葉を覚えるより先にあれこれ歌術を使えるようになりよるし、その歌術がまたものすごい威力やし、みなビビってしもてな。だんだん居辛くなってしもて、それでワシと2人でキャンプを出たんや」
「ああ、そこからずっとキョウさんと一緒だったんですね」
「そういうことやな」
「キョウさんは最初から黙呪王を倒そうと思ってたんですか?」
「ああ……それな」
ナラさんは急に真面目な顔になった。
「キョウはな、前の世界に奥さんと子供2人を残して来たんや。そやから『一刻も早く家に帰らないといけない』いうて必死やったんや。黙呪王を倒せば戻れるかもしれんっちゅうことが分かってからは、打倒・黙呪王で一切ブレへんかったわ」
そうか……すごい家族思いのお父さんだったんだな。妻子を置いて若手女優と不倫した挙げ句に失踪しやがったどこかのクソ親父とは全然違うな。べー太のどこかにキョウさんの爪の垢が残ってないだろうか。
「その熱意に心を動かされてな、ワシも付き合うことにしたんやけどな、結局、その願いを叶えてやることはできんかった。あいつは嫁さん子供の所に戻れへんまま死んでしもたんや」
急にしんみりした雰囲気になってしまった。
「あの……訊いてもいいですか? どんな最期だったんですか?」
どうしても気になるので恐る恐る訊いてみた。
「それが分からんのや。黙呪王のおる『王の間』に入れるんは歌い手本人だけや。『王の扉』が開いたとしても、他のモンが一緒に入ると、同じ所をぐるぐる回らされるだけで王の間にはたどり着けん」
「じゃあ、仲間はみな、扉の外で待ってるしかないんですね」
「そういうことや。ワシら、キョウやったら黙呪王を倒して戻ってくるやろと信じて外で待ってたんや。しやけどな、待って、待って、そのまま扉の前で1週間待ったんやけど、アカンかった。王の扉は二度と開かんかった。あいつは戻って来んかった」
「そうだったんですか……」
言葉がない。
「どんな風に戦うて、どんな風に死んだんかも分らんし、骨を拾たることもできん。唯一の希望はな、あの世に行ったら、いつかは家族と再会できる日が来るやろ? それだけや。せめてそれぐらい思とかんと、やってられんやろ? 救いがなさ過ぎるやろ?」
そう言ってナラさんは大きな目からぽろぽろと涙をこぼした。俺とニコも……思わずもらい泣きだ。
「お前も、向こうの世界にいろいろ残して来たんか?」
ちょっと落ち着いたところでナラさんが俺に尋ねた。
「ええ、まあ……家族も友達もいましたから」
「お前も、元の世界に戻りたいか?」
ナラさんは真正面から俺を見る。
ニコもこちらをジッと見つめてくる。いつかジゴさんからもハルさんからも同じことを訊かれた。俺は正直に答える。
「最初はホームシックになったこともありました。でもこの子が、ニコが、ずーっと一緒にいてくれたし、こっちの世界で家族や友達もできました。今の僕にはこちらの世界の方がずっと大事です。元の世界には戻りたくありません」
「ほう! よう言うた。はっきりしててええわ」
ナラさんは笑顔になった。ニコはホッと息を吐いた。
「それやったら話は早いな。昨夜も言うた通りや。黙呪王なんかと戦うな。ずっとここにおれ。ここで平和に暮らしとけ」
「ええ、お言葉に甘えさせていただきます」
「よっしゃ! 話が一段落したところで、今日もバンドやろか!」
ナラさんはまた鍋ぶたと太鼓のドラムセットを引っ張り出してきた。ニコも魔笛を構えてる。俺も改めてべー太のネックを握った。
俺の右の目尻がピクピクしてることに、さすがのニコも気付かなかったようだ。
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