いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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510:必然

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「それで?どうなったの?」
「彼はコットワッツに移住です。
そこで、オショウユの生産指導を行うことになりました。」
「お!やったね!ソヤ、ありがとうね。
隠匿、権利の方は?」
「もちろん、すべてソヤに。ただ、販売権はコットワッツに。
彼には売り上げの5%を。
これの契約は毎年更新していきます。」
「5%?え?少なくない?」
「いいえ。設備投資はコットワッツで持ちますし。
おそらく、売り出し、これは雨の日後となりますが、
初日で1000リングは行く計算です。その5%ですから50リング。
一日です。1000リングというのはこの瓶1本で1リング。
コットワッツの館で働いているものはみな買うでしょう。
それでも足りない計算です。
乳酪との組み合わせで茸を焼けばさらに。
ラルトルガも買うことになるでしょう。
それに加え、焼肉のソースも同時に開発。
そのためには大量購入しますので。その売り上げも。」
「なるほど。しかし、毎日使うものでもないよ?」
「ええ。焼肉のたれも開発します。
他領国にも売り出しますしね。ラルトルガもボルタオネも買うでしょう。
もちろん、王都も。買う相手はいくらでも。」
「ははは。そうだね。定期的に売れるだろうね。」
「ええ。後は冷蔵庫の販売を促進するのにも使います。
魚はこれでうまくなる。後はサシミですね。
生の物をどうするかです。冷凍から解凍ですか?
試していますが、やはり冷凍するとおいしくない。」
「あー、それね。話してなかったね。
氷水につける方法があるけど、
ビニールがないからね。
冷凍したものを冷蔵庫に入れるんよ。今で半日ぐらい?
そしたらいい具合に解凍できる。試してみ?」
「なるほど!」
「でも、刺身はよっぽど新鮮じゃないと危ないよ?
まずは半日干しの焼き魚からがいいとおもう。
それとすき焼きね。日本酒はまだないけど、近い味のお酒はあるでしょ?
それで。
子供向けは無くてもいいしね。お醤油とお砂糖で。
ラーメンもできるね。
ああ、お醤油ね。ソイソースっていう言い方もあるんだ。
だから、ソヤのソースだからソヤソースでいいかなって。
どう?ソヤ?」
「・・・・いやだ。」
「姉さん?オショウユではダメなんですか?」
「こだわりだね。お醤油は漢字で書く。カタカナではないというか。」
「?」
「ソヤが一から作たんだから。
わたしの知っている名前は使わないほうがいい。
マヨも王都のソースだしね。」
「そうですか?ソヤ?名前どうします?黒水?」
「・・・豆から作るから豆ソースで。」
「それだと何からできるかすぐにわかりますよ?」
「あはははは!わかってもできないよ。
たぶん、ソヤが使っている樽とかが関連してるんだ。
試しに、こっちで新しく買った樽でつっくってみ?
できないから。あの大きな樽も返すね。
あの樽に付いててる酵母が大事なんよ。持ってきた樽も大事にね。
そこから継ぎ足して作っていけばいい。
作れるけど、理屈が分からないんなら作ったことにならない。
その研究も必要だ。初日で1000本?
売り上げが軌道に乗るまでの生活は見てくれるよね?」
「もちろん。」
「ソヤ?ほかに何かなかった?」
「ううん。ドーガーはいろいろ聞いてくれたし。」
「そう。師匠とニックさんは?どうしてダメだったの?」
「師匠?ワイプってひと?話はしてないし、したとしても胡散臭い。」
「ソヤ!素晴らしいぞ!これをやろう。」
「やった!」
「・・・ツイミさん?」
「モウ様。申し訳ないですが、今のワイプ様は手がいっぱいなのです。
話をする前に辞退を。そのような時間はとれません。」
「なるほど。ニックさんも同じような感じだね?ガイライ?」
「ええ。そうなります。それに話を聞けば、ずっとその豆のソース?
それに掛かるというわけではないらしいので、
合間にドーガーたちと鍛錬をしていただければと。」
「コットワッツに行った時に一緒に見るよ。
まずは体を作らないとな。」
「それは?ソヤ?いいの?」
「ルビスにーちゃんが鍛えたほうがいいって。」
「ソヤ?なんでルビスはにーちゃんでわたしは呼び捨てなんだ?」
「え?ドーガーだから?」
「あはははは!ドーガーだもんね。」
「モウ様!!」
「うふふふ。ま、頑張れということだ。
じゃ、ガイライとニックさんは家に戻って
刈れるだけのブラスを刈ってください。
それと鉄板の撤去。井戸は仕方がないね。残してやろうか。
ツイミさんたちも仕事だね?
家は移動させるから。新しい場所はガイライに聞いて?
さ、お待たせしました。
師匠?お話しましょうか?」


マティスと戻って来た時から、師匠が睨みつけている。
殺意とか、恨みとかではなく、凝視。
わたしになにか変わったことがないかと。
ツイミさんが困っている。
ちょっと近寄りがたい感じだからだ。
それはご飯を食べているときから。
師匠は何も言わずに黙々と食べていた。

わたしは変わっていない。
王が廻りを変えたのだ。
この館内を。それは、意図しているわけではない。
そうなるんだ。
それが王の力だろう。
領主が領土を納る力。
王が、国を守る力。
それがどうして妖精の世話役なのかは知ってどうするという内容だ。
押さえなければ数が増えて、どうしようもないとか?
だからと言って全滅させるわけにはいかないとか?
うわ、いま、ぞわぞわってなった。
偶然はない必然だ。
王が酒を求めなくてもそれが必然。
手に入れてどう使うかも必然。
この世に偶然と奇跡はない。
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