姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

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1章 変わる日常

25話 養子になる(2)

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王城についた後も伯父様はすたすたと進んでいく。さすが宰相というところなのかな。
 そしてたどり着いたのは重厚な扉の前だった。その両脇には帯剣をしている騎士が構えていた。この服はおそらく近衛騎士かな。本で学んだことが目の前に現れるとついつい楽しくなってしまう……。

「どうぞ、お入りください」

 いつのまにか側にいた侍従が声をかけつつ、扉を開いていく。その中に入っていく伯父様に続いて、お姉様と一緒に中に入っていく。

 奥の一段高くなったところにある豪華な椅子に男性が一人座っている。あの方が国王陛下……?

「だた今参上いたしました、陛下」

 伯父様が王族への礼を取るのを見つつ、私もお姉様も礼を取る。今回は学んだあとだったから焦らずにできた。

「顔を上げていいぞ。
 よく来たな」

 言われて顔を上げると、こちらを優しく見ている陛下の姿があった。これが賢王と言われて、多くの国民に慕われている陛下……。

「本当にアリストリアにそっくりだな」

 その言葉にどこかで納得した。ああ、この方は私たちを通してお母様を見ているのだと。私もお姉様も何も言えないでいると、伯父様がそうですね、と返してくれた。

「さて、手続きを済ませてしまおうか」

 こちらへ、という陛下の前まで階段を上っていく。すると、側に控えていたものがすっと紙を二枚差し出してきた。

「ここに書かれている文を読みそれぞれに養子となる二人の名前、養父母となる名前と性を書き込んでくれ」

 差し出された紙に自分の名だけを書き込むと伯父様が伯母様のぶんも名前を書きこんでくれる。そして陛下はそれを受け取り、全体を見ると陛下の名を書きはんこを押してくれた。

「よし、これで正式な親子となった。
 おめでとう」

「ありがとうございます」

手続きが終わると陛下はすぐに紙をもう一度控えているものに渡した。そして、硬い表情でこちらに向き直った。

「すまないな、アゼリア」

 ぽつりとつぶやいた陛下の言葉に、お姉様は一瞬驚いた顔をしたがすぐにいいえ、と顔を横に振った。

「私に謝る必要などありませんわ。 
 これは私が望んだことでもあるのですから」

 そうか、というと陛下はそれきりで話を切り上げられた。一体なんの話だったのだろうか?

「では、お手数をおかけいたしました」

「ああ、気にするな。
 ウェルカ、だったか?
 励めよ」
 
 私に話かけられるとは一切思っていなかったから思いっきり動揺してしまったが、なんとかはい、と返す。それに陛下はうむ、とうなずいてくれた。

「失礼いたします」

 そういって私たちはその場を後にした。

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