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1章 変わる日常
43話 お買い物(3)
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※流血表現注意
ーーーーーーーーーーーーー
「ウェルカ!」
セイットの声が聞こえる。だけど足を止めることはできなかった。何か、嫌な予感がする。
人だかりができている一画、おそらく悲鳴はそこから聞えたものだろう。人をすり抜けて前に行くと、そこには血を流しながら倒れる私と同じくらいの女の子、その子に必死に呼びかけているおそらく母親。
どうして、誰も見ているだけで動かないの……?
「ウェルカ!
もう帰りましょう」
茫然とする私の手をつかんだのはセイット。いつの間にかイルナも騎士様も追いついている。
そうだ、セイットなら。光魔法を使える彼なら救えるはず!
「セイット!
あの子を助けてください!
あなたならできるでしょう?」
お願い、と手をつかんで言うとセイットは浮かない顔のまま、うーんと言った。そうしている間にも女の子からは血が流れ続けている。もう意識はないようで青白い顔でぐったりとしているのだ。
「でも、誰か治療できる人を呼びに行っているでしょうし。
それで助かるも助からないもそれが彼女の運命でしょう」
「助け、ないのですか?」
「僕が助ける道理はないですよね?
まだ犯人が近くにいるかもしれません。
行きましょう」
「なら!
光魔法を使えるセイットがいる、それも彼女の運命でしょう?
私では助けられないのです」
もしかしたら私も助けられるのかもしれない。でも、どうしたら使えるのかわからないのだ。下げてしまった視線を再びセイットの方に向けると、彼は目を開いて固まっていた。
「そう、ですね。
その発想はありませんでした」
見ていると、そういって笑いだす。どうして笑っているのか全く分からないから怖い。
「少し待っていてください」
そういってセイットは女の子の方へと歩きだす。そして母親に何か伝えると、かがんで女の子の傷口に手を添えた。すると、すぐに明るい光が見える。光が収まると、セイットは立ち上がりこちらへとやってきた。
「さあ、これでいいでしょう?
これ以上何かに巻き込まれる前に帰りましょう」
ぎこちなくうなずくとすぐに腕をひかれた。イルナも私の背を押すようにしていたからきっとセイットと同じ考えなのだろう。
馬車は私たちが乗りこんだのを確認するとすぐに出発した。
「あの子の傷は治ったのですか?」
「ひとまず血は止めました。
あとはあの子次第でしょう」
血を止めた? 傷それ自体を治したわけではないのかな。でも、特に手加減していたわけではなさそう。彼女が助かりますように、そう祈りながら私は屋敷へと帰っていった。
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「ウェルカ!」
セイットの声が聞こえる。だけど足を止めることはできなかった。何か、嫌な予感がする。
人だかりができている一画、おそらく悲鳴はそこから聞えたものだろう。人をすり抜けて前に行くと、そこには血を流しながら倒れる私と同じくらいの女の子、その子に必死に呼びかけているおそらく母親。
どうして、誰も見ているだけで動かないの……?
「ウェルカ!
もう帰りましょう」
茫然とする私の手をつかんだのはセイット。いつの間にかイルナも騎士様も追いついている。
そうだ、セイットなら。光魔法を使える彼なら救えるはず!
「セイット!
あの子を助けてください!
あなたならできるでしょう?」
お願い、と手をつかんで言うとセイットは浮かない顔のまま、うーんと言った。そうしている間にも女の子からは血が流れ続けている。もう意識はないようで青白い顔でぐったりとしているのだ。
「でも、誰か治療できる人を呼びに行っているでしょうし。
それで助かるも助からないもそれが彼女の運命でしょう」
「助け、ないのですか?」
「僕が助ける道理はないですよね?
まだ犯人が近くにいるかもしれません。
行きましょう」
「なら!
光魔法を使えるセイットがいる、それも彼女の運命でしょう?
私では助けられないのです」
もしかしたら私も助けられるのかもしれない。でも、どうしたら使えるのかわからないのだ。下げてしまった視線を再びセイットの方に向けると、彼は目を開いて固まっていた。
「そう、ですね。
その発想はありませんでした」
見ていると、そういって笑いだす。どうして笑っているのか全く分からないから怖い。
「少し待っていてください」
そういってセイットは女の子の方へと歩きだす。そして母親に何か伝えると、かがんで女の子の傷口に手を添えた。すると、すぐに明るい光が見える。光が収まると、セイットは立ち上がりこちらへとやってきた。
「さあ、これでいいでしょう?
これ以上何かに巻き込まれる前に帰りましょう」
ぎこちなくうなずくとすぐに腕をひかれた。イルナも私の背を押すようにしていたからきっとセイットと同じ考えなのだろう。
馬車は私たちが乗りこんだのを確認するとすぐに出発した。
「あの子の傷は治ったのですか?」
「ひとまず血は止めました。
あとはあの子次第でしょう」
血を止めた? 傷それ自体を治したわけではないのかな。でも、特に手加減していたわけではなさそう。彼女が助かりますように、そう祈りながら私は屋敷へと帰っていった。
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