姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

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2章 学園生活

97話 校外学習(14)

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「何を、って……。 
 この部屋の方に治癒魔法をかけようとしたのです」

 急なことにおどろいて集中させていた魔法は霧散してしまった。そして、突然のセイットの登場に私はわけもわからずきょとんとしたままだ。

「この部屋の方にって……」

 それだけ言うとセイットはぐるりと周りを見渡す。そして深くため息を吐いた。

「君は、この国にいたいんですよね?」

 確認するように聞いてくるセイットに私はわけもわからずこくこくとうなずく。すると、セイットは私と向かい合うとなら、と言葉をつづけた。

「ここでその魔法を使わないでください。
 というよりも、今この場では私の指示外で魔法を使わないでください」

「なぜ、ですか?」

「理由は今回のことが落ち着いたらお話ししましょう。
 とりあえず、いいですね?」

 有無を言わさない様子のセイットに私はおずおずとうなずくことしかできなかった。


「何か大きな魔力の気配を感じましたが、大丈夫ですかな?」

 慌てたように戻ってきたカラスベル様に、セイットと向かい合ったままだった私はあわててセイットから離れる。何もない。何もなかったんだけど、なんだか恥ずかしい。

「はい、大丈夫です」

 そんな私に首をかしげながらもカラスベル様は元の部屋へと戻っていく。いつの間にか協会の振動は止まっていた。

「そういえば、体調はもう大丈夫なのですか?」

 ふと、先ほどまでぐったりとしていたことを思い出す。私はあまり魔法を使ってないから疲れてはいないけれど、セイットは違う。思えばまだ顔色は悪そうだ。

「もう少し、休ませていただきます。
 おそらく、夜まで休めばまた魔法が使えるはずです」

「無理はしないでください」

 そういうとセイットははい、と答えて休憩室に戻っていく。魔法を使うことを禁止された以上、けがの処置方法を習っていない私がここにいてもできることはない。なら、今は休んだほうがいいだろう。
 休憩室から何人かの女性が出てきたのを見つつ、私は入れ違うように休憩室に入っていった。

 部屋に入るとセイットはすでに横になっていてすーすーと穏やかな寝息を立てて寝ていた。それを見ていると私の瞼もだんだんと重くなっていく。ずっと緊張状態が続いていたからかもしれない。うん、もう限界……。何とか近くにあった椅子に座ると私はそのまま眠気に身を任せた。
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