姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

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2章 学園生活

144話 街遊び(1)

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 目が覚めると、もう日は登り切っていた。すっかり眠り込んでしまったようだ。途端におなかが空腹を訴えてきた。
 少しだけどうしようか迷った後、サイドボードに置いてあったベルを軽く鳴らす。すると、すぐにイルナとルナベレークがやってきた。

「おはようございます、ウェルカ様。
 昨夜はよく眠れましたか?」

「ええ、おかげで。
 何か食べられるものはあるかしら?」

 すぐにお持ちいたします、というとルナベレークは下がっていった。残ったイルナはさっそく着替えの準備をしてくれる。

「本日は、どうなさいますか?
 お疲れでありませんでしたら、旦那様から街を歩く許可もいただいておりますが」

 街……。確かに疲れてはいる。けれど、街を歩きたい気持ちはある。

「そう、ね。
 街へ行ってみたいわ」

 少し迷ったのち、そう答えるとイルナはかしこまりましたと答え、簡素なワンピースを取り出してくれる。それこそ、町娘が着てもおかしくないものだ。

「それでは、朝食をお召し上がりになったあと出かけましょう。
 私とルナベレークもともに参ります」

 お披露目が終わるまで、とずっと止められていたのだ。ようやく堂々と行けるようになると考えると、急に街が楽しみになった。


 ルナベレークが持ってきてくれた朝食を食べた後、二人ともが一度下がると、帰ってきたときには私と同じようなワンピースを身に着けていた。そして荷物を持つとさっそく街へ向かうことになった。荷物も持つといったのだが、さすがに許してはもらえなかった。

 屋敷から見て回るようなものがある場所までは少し離れているからと、玄関にはすでに馬車が用意されていた。乗り込むとさっそく動き出す。

「どのようなところを見たいでしょうか?」

 どのようなところ……。

「雑貨、とかかしら?
 でも、ひとまずどのようなところがあるか回ってみたいかしらね」

 正直、どんな店があるかわからないのだ。行ってみなければわからないというのが本音である。馬車は順調に進み、すぐに止まった。

 街は活気にあふれていた。いたるところで客を呼び込む声が聞こえてくる。自然と気分が高揚していった。

「ルナベレークはこのあたりに詳しいの?」

「そうですね。 
 ずっとここに住んでおりますから」

 そう、と言いながら歩を進めていく。なんだか遠巻きにこちらを見ている人がいっぱいいるけれど、話しかけてくることはない。目線も敵意がこもったものではないみたいなので、まあ気にしないことにしたけれど。何より二人が気にしていないからね。
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