姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio

文字の大きさ
159 / 193
2章 学園生活

159話 魔法師団見習い(2)

しおりを挟む

 そしてすべてを誓い終えると、先生は私にローブを手渡してくれた。先生方は黒のローブだが、私のはそれよりも明るい紺色だ。

「この色が見習いの色です。
 さあ、着てみてください」

 少しどきどきとしながらローブを身に着ける。私のくるぶし丈のローブだ。自分の夢にちゃんと近づいているのを感じて、うれしくなる。

「ピッタリだったようでよかったです。
 よく似あっていますよ」

「そうだな。
 見習いでもこんなに小柄なのは見たことがねぇが、なかなかだな!」

「ありがとうございます」

 ふふふ、と思わず笑みがこぼれてしまう。でも、本当に見習いになったのだな。でも、ならば。

「先生、一ついいですか?」

「何ですか?
 それと、ここにいてそのローブを羽織っているかぎり私のことは副団長と呼ぶようにお願いします」

「は、はい、副団長。
 あの私は魔法書を読むことができますか?」

 ずっと、読んでみたいと思っていたのだ。でも一学生だと読めるものは限られている。でも、魔法師団の見習いなら読めるものがあるのではないだろうか。

「嬢ちゃんは本当に勉強屋だな」

「そうですね。
 もう少し待ってもらえると嬉しいですね」

 少し考えるようにしてそういわれると、はいとうなずくしかできない。でも前よりはずっと早く読める環境のはずだ!

 そこで一つノックが響く。副団長がどうぞ、と促すと一人の女性が入ってきた。深い青の腰まで届く髪がとても印象的な方。

「よく来たな、ララ。
 彼女がウェルカだ」

 先生に示されて私はあわてて頭を下げる。

「ウェルカ・ゼリベ・チェルビースと申します。
 よろしくお願いいたします」

「ご丁寧にありがとう。
 私はララ・ドゥ・アーベインよ。
魔法師団で、結界班の班長をしているの」

 結界班……。そんなものがあるなんて、というか、魔法師団に班があるなんて知らなかった。

「ララにはしばらく君の面倒を見てもらおうと思っているんです。
 とても面倒見がいいですから、安心して魔法師団のことを学ぶといいですよ」

「そうやって体よく面倒係を押し付けるつもりだろう。
 まあいいけれどね。
 というわけでよろしく、ウェルカ」

「よ、よろしくお願いします」

 この方、子爵家の方だよね?こんなに言葉が崩れていていいの? それも上司である先生に向かって、なんて。

「君はせっかくの全属性です。
 徐々にすべての班を回ってもらえたら、と思っているのですが何分魔法師団には光魔法の使い手が不足していてね」

 少し困ったように先生は言う。まあ、それだけでどうして私の世話係をララさんにしたのかはわかる。わかるけれど私が驚いているのはそこではない!

「では、よろしく頼む、ララ」

「はーい。
 じゃあ、行こうかウェルカ。
 向こうでいろいろ説明するよ」

 結局、先生、じゃなくて副団長には何も聞くことができないまま私はララさんに連れられて別室へと向かうことになった。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

【完】瓶底メガネの聖女様

らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。 傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。 実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。 そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!

白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、 《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。 しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、 義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった! バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、 前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??  異世界転生:恋愛 ※魔法無し  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。

buchi
恋愛
ポーシャは、平民の特待生として貴族の学園に入学したが、容貌もパッとしなければ魔力もなさそうと蔑視の対象に。それなのに、入学早々、第二王子のルーカス殿下はポーシャのことを婚約者と呼んで付きまとう。デロ甘・辛辣・溺愛・鈍感コメディ(?)。殿下の一方通行がかわいそう。ポジティブで金儲けに熱心なポーシャは、殿下を無視して自分の道を突き進む。がんばれ、殿下! がんばれ、ポーシャ? 

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

チョイス伯爵家のお嬢さま

cyaru
恋愛
チョイス伯爵家のご令嬢には迂闊に人に言えない加護があります。 ポンタ王国はその昔、精霊に愛されし加護の国と呼ばれておりましたがそれももう昔の話。 今では普通の王国ですが、伯爵家に生まれたご令嬢は数百年ぶりに加護持ちでした。 産まれた時は誰にも気が付かなかった【営んだ相手がタグとなって確認できる】トンデモナイ加護でした。 4歳で決まった侯爵令息との婚約は苦痛ばかり。 そんな時、令嬢の言葉が引き金になって令嬢の両親である伯爵夫妻は離婚。 婚約も解消となってしまいます。 元伯爵夫人は娘を連れて実家のある領地に引きこもりました。 5年後、王太子殿下の側近となった元婚約者の侯爵令息は視察に来た伯爵領でご令嬢とと再会します。 さて・・・どうなる? ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

処理中です...