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2章 学園生活
163話 お守り作り(1)
しおりを挟む「あの、聞きたいことが」
あれからお守りを作ろうと決心したはいいが、何分どう作ったらいいのかはさっぱりだった。正直、よく思い出せたな、というくらい以前ちらっと話を聞いていたくらいなのだ。まあ、それでどうにかなるわけがありませんよね。
そして取った手段。それが魔法師団の先輩方に聞くというものだった。
「ウェルカが質問なんて珍しい。
どうしたの?」
「その、身を守るようなお守りを作りたいのだけれど……。
どういったものを作ればいいのか行き詰ってしまって」
お守り? とララさんは首をかしげる。どうしてそんなものを、と思っているのだろう。でも、なんというか理由を言うのは恥ずかしい、ような。
ヴァークのため、という言葉が口から出なくて、代わりに顔が熱くなっていくのを感じる。こ、これはやばい。
ちらりとララさんの方を見ると、なんだかニヤニヤしている気がするけど気にしない、気にしたら負けだ。
「なるほどね~。
でも、お守りね」
ララさんはうーん、と考えこむようにする。……そんなに難しいことなのかな。
不安になりながらもちらりとララさんの方を見ていると、ララさんは一つ大きくうなずく。そしてこちらに笑顔を向けてきた。
「よし、ちょうどいいかもね。
はじめから完成を目指すんじゃなくて、まずは練習してみましょう」
そっか、そうだよね。初めから完璧なものを、なんてうぬぼれもいいところか。
「はい、よろしくお願いいたします」
そこから、まずはどのような効果を持ったものを作るのか、どのような形のものを作るのか、など細かいところを詰めていく。ヴァークは騎士だから、身を守れるもの、そしてけがをしたときに治癒できるもの、がいいかな。あとは、何だろう。
「渡したい相手は騎士でしょう?
そうね、そのあたりが妥当でしょうね」
うん、わかっていた。ばれているよね、そりゃ。
「こう、たまにそういうのを依頼してくるお偉いさんがいるんだけれどね、攻撃系の効果を付与しろっていう人もいるのよね。
それって邪魔にしかならないのに」
ため息をついているところを見ると、どうやらこれは実体験らしい。ご苦労様です。
「さてさて、お守りを作りたいのなら、まずその効果を持った陣を組み立てないといけないわ。
起動条件も忘れずにね。
次に、その陣を受け止めるだけの器を持ったものにそれを込める。
それで完成よ!」
「陣、ですか?」
えっと、聞いたことはある気がする。でもまだ 詳しくはやっていないんだよね。また来年に、とか言われてしまって、そのままだ。最近ようやく魔法書を読む許可をもらうことができたので、少しずつ勉強はしているけれど……。
「そう、陣。
あとでちょうどよさそうな魔法書を持ってくるわ。
それを見て一度自分で組み立ててみて!
起動条件はさすがに難しいから、今回は私がやるわね」
「ありがとうございます」
うん、やっぱり相談してよかった。また頑張ってみよう。その日は結局起動条件を決めるだけで終わってしまった。
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