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2章 学園生活
187話 お散歩
しおりを挟む長期休暇を経て、お姉様のおなかはとうとうぱっと見てわかるほどに大きくなってきた。もう子が流れにくくなってきたこともあり、外に向けて正式に伝えようか、という話が進んでいた。国にとっては長く待ち望んだことだしね。
公表するとは言っても、そういう噂を流すというかたちだけれど。
ただ心配なのはお姉様の食欲があまりないこと。それに加え、体調自体もあまりよくない日が続いている。一応様子を見つつ、軽く治癒魔法をかけてみてはいるけれど……。
「お姉様、今日はお庭を散歩しませんか?
とてもきれいな花が咲いていますよ」
せめて少しは運動してもらわないと、とそう声をかけてみる。それにお姉様はうーん、と返す。最近は行く、とすぐに返してもらえることは少なくなってしまった。こ、ここは少し頑張ってみるか。
お姉様に近づいて、できるだけほかの人に聞かれないように小声で話す。
「あの、花を、彼とも見たいのです……」
これ、すごく恥ずかしい。もう顔が熱くなってきているし。でも、それを聞いた瞬間お姉様の目がきらめいた。いや、最近そんな顔を見ていなかったからうれしくはある。でもさ。
「ええ、そうですよね。
では庭に行きましょうか」
先ほどまでの反応の悪さはどこに、と言いたくなるほどの反応の違いに少しびっくりする。お姉様の言葉にベスが嬉しそうに支度を始める。いや、うんまあみんなうれしそうなので本望です。
「ヴァーレクト様にもお声がけしましょう!
ウェルカも、ほらローブなんて脱いで」
急にやる気を出したお姉様。いや、本当にそれほど効果があるとは思わなかったんだ。ひとまず、お姉様のやりたいようにと思ってローブを脱ぐ。今日は学園はなかったから中は普通にドレスだ。うーん、どうせローブを脱ぐのだったらもう少し考えて着ればよかった。
そうして半ば無理やりお姉様に連れられて庭へと出てきた。うん、やっぱりいい天気。こうしてのんびりと外を歩くのは気持ちいい。
「ほら、ヴァーレクト様も隣にいらして?」
「いえ、私は護衛ですので」
もう、とすねるお姉様。いや、これはヴァークが正しいよね。なぜか間に挟まれてしまいました。ああ、花がきれいだな。
ゆっくりと歩きながら、話を聞いているとやっと静かになってきた。どうやらヴァークは後ろにつくことで決まったようだ。
「あら、もうこの花が咲く季節だったのね……」
「最近こもりがちでしたからね。
たまにはこうして外を歩くのも悪くないですよね?」
そうね、とお姉様が微笑みを浮かべる。軽くおなかを支えながら歩くお姉様はとてもきれいだ。やっぱり散歩に誘えてよかった。
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