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Christmas Carol.
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しおりを挟む「ねぇ、本当に出るの?」
「うん。ここにいても危ないし、他のとこ行こう」
12月25日が終わった次の日。
日の出と共に、俺とチェニは学園を抜け出した。
俺のヨミ通り見事にチェニは俺の血に適合し、撃たれた傷もいじめていた時にできた痣も全て消えた。
人間とは違う感覚にまだフラフラしてるけど、そのうち慣れるだろう。
皮肉にも、俺はクリスマスの日に新たな吸血鬼を誕生させてしまったというわけだ。
あぁ、本当に皮肉。ごめんね神様。
──守ってくれなくて、いいから。
「修道院寄る? 問題起こして連絡が行くの嫌なんでしょ。先に説明したら?」
「いい。シスターたちが驚いちゃうだろうし、なによりあそこは子どもが多いから僕のことなんかすぐ忘れるよ」
「そう」
血のせいか、俺と同じプラチナブロンドへ色が変わった髪がふわふわ揺れている。
それが心なしかワクワクしているように、楽しそうに見えて。
「…クスッ。さぁ、どこ行こうかな」
もう俺を縛るものなんてない。
学園も出て、一族にも連絡をしない。
俺は、本当にこの世界で自由な存在になる。
「……エリオット、行き先決めてる間血飲んでていい?」
「いいよ」
「ありがと」
草陰に隠れて座り、抱っこするように小さな体を膝に乗せるとすぐに首元へ擦り寄ってくる。
昨日あんなに出血したからか、どうも俺の血が飲みたくて仕方がない様子。
後は……多分、すごく甘美な味だから。
「俺にも後で飲ませてね。交代」
「んっ」
コクコク頷きながら、生えたばかりの牙が俺の首を裂いた。
互いの血が美味しいというこの意味がどういうことなのかを、俺たちはまだ知らない。
愛する者として認識しているのか、それとも体の一部のような存在と思っているのか。
それが愛するということなのかもしれないが、そんなたった3文字では言い表せないほど深くまで繋がってしまったような感覚がする。
チェニは人間から吸血鬼になった。恐らく普通の人間よりかは長く生きるだろうが、吸血鬼からすると短い寿命なのかもしれない。
でも、目覚めたときにそれを話したら、嬉しそうに笑ってたんだ。
『どうせ僕も1人だったから悲しむ人はいないよ。
それに、実は前からこっそり思ってたんだ。
──〝君の秘密に、僕も入れたらいいのに〟って』
「チェニ」
「?」
「これから、ずっとふたりだね」
今まで生きてきた時間よりも長い時を、共にする。
「ふふっ。ふたりなら、きっと怖いものなんてないよ」
チェニの命が尽きるとき、俺も飢えて死ぬんだろう。
でも、別にそんな最後でもいいかなと思う。
登っている朝日に照らされた髪は、綺麗に光輝いてて
──あぁ、俺は今 自由になったんだなと、思った。
(例えこの先なにがあろうとも)
(ふたりならば、きっと楽しい)
fin.
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