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親愛なる強がりに、めいっぱいの雨避けを。
1
しおりを挟む【泣いてもいいよ。
いっぱいの傘で隠してあげるから】
「ふ、ぅ…ぇ……っ」
(泣くな)
泣くな 泣くな、いつものことじゃん。
これくらい全然平気。
寧ろ今回のはまだマシなほうだったんじゃない?
……だから、
「っ、ひ」
──さっさと泣き止んでよ、僕。
高校3年生になり、学力と生活態度から生徒会入りを果たした。
任された役職は〝副会長〟。
その他の役職も見知った顔で埋まり、新生徒会が始動した。
……が、しかし
ポツリ
「この有様は、なんでしょうね」
シィ…ンと静まり返った生徒会室。
机の上には大量のプリント。
なのに、仕事をしてるのは僕だけ。
一体 なにがどうなってるのか……
(って、あいつのせいなんですけど)
あいつ
僕らが3年になって間もなく転入してきた、変な奴。
そいつと仲良くなった途端、会長たちは全然仕事をしに来なくなった。
今は、放課後ちょっと顔だしたと思ったら「これやっとけ」で去ってくし、みんなでワイワイ喋るだけ喋って帰ってくしで……
「ったく、馬鹿じゃないのか?」
ちょっとは手伝えってんだ!そもそもお前らの仕事だろ!? なんで僕が全部しなきゃいけないんだ!
意味がわからないんだが!?
「……っ、」
(ぁ、やば)
思いきり頭に血が上って、じんわり目頭が熱くなる。
それをグググッ!と眉間にしわを寄せて、指で目の端をびーんと伸ばしてなんとか耐えた。
見かけによらず涙脆くて、幼い頃から感情が高ぶるとすぐ泣いてしまっていて
それが嫌で嫌で、今は絶対に泣かない!と決めてる。
(大体、なにもかもあいつらが悪いんだ!)
そう、僕じゃない!!
それなのに何でこんなに1人で頑張ってるんだ?
理不尽の塊でしかなくないか……??
コンコンッ
「っ、どうぞ!」
ガチャッ
「こんにちは。やってる?」
馴染みのあるノック音からは、最近よく来る人。
「風紀委員長」
「やぁ雨ちゃん。またひとりか、ったく……」
学園では会長と同じくらい人気の風紀委員長。
他の委員たちを使えばいいのに、いつも書類とか連携するものがあるとその都度足を運んでくれる。
どうしてわざわざ委員長がって? それは──
「うん、今日もちょっとだけ泣いたね」
「!」
「涙は落としてなくても若干目が赤いかな。よしよし」
「うぅ……っ」
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