それは、キラキラ光る宝箱

花町 シュガー

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親愛なる強がりに、めいっぱいの雨避けを。

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 遠足、当日──


 (雨が…降って、ない……!)

 正確には雲がもくもくしてて太陽は出てない、けど雨は降ってない。
 晴れてもないけど降ってもなくて、少し涼しい気候だ。

 すごい…こんなのは初めて……
 晴れ男って予想以上にすごいのかもしれない。

「雨ちゃんおはよう。曇りだねぇ」

「あ、おはようございます委員長。曇りなんて初めてです…」

「俺も晴れてないの初めて。でも、きっとこれくらいのほうが山登りには最適なんじゃないかな。丁度いいよ」

「はいっ」

 生徒たちは全員登山の入り口に集まっている。
 これから各学年に分かれ、風紀の決めたポイントを通過しながら山頂を目指していく流れだ。
 特に時間とかも設けてないから、それぞれのペースでゆっくり登っていい。

 (ただ、山頂ではレクリエーションを行うからそれまでには登りきってほしいかな)

 主に僕が仕切って、他の生徒会メンバーには補助をお願いしている。
 もし彼らが動いてくれなかったら風紀が手伝ってくれるらしく、感謝してもしきれない。
 一応前もって会長たちには声をかけたから、大丈夫だとは思うけど……

 (とりあえずは頑張って登ろう!)

「じゃあ俺仕事あるし先登るけど、雨ちゃん本当にひとりで大丈夫? 一緒に登ろうか?」

「問題ありませんよ。ご自身の仕事を優先されてください」

「うんそっか、わかった。じゃあまた山頂でね」

 手を振りながら「1年は付いておいで~」と声をかけている委員長。

 今日が終わったらなにかお礼しないとな。
 まさか高3で行事に参加できるなんて、本当に思ってもみなかった。
 なにがいいだろう、喜んでもらえるものがいいな、ふふふ。

 ふわふわした気持ちのまま、僕も最後尾の3年の群へ歩いた。











「はぁ…は、はぁ……っ!」

 登山なんて初めて。
 当たり前だ、だって僕は雨男。登山の当日なんて雨で中止がいつものこと。
 だから人一倍ワクワクしていた。けど……

 (こんなにきついものなのか!?)

 生徒会室に引きこもりっぱなしなのがいけなかった?
 運動不足が原因!?

「少し、休憩……はぁ」

 次のポイントへ着く前に、道端へ腰を下ろす。
 他の3年たちは慣れてるようですいすい登っていって、気づけば僕が本当の最後尾になってしまった。
 まずいな、レクリエーションに1番間に合わないといけないのは僕なのに。
 でも登山に焦りは禁物って言うし……

「っ、わぁ……」

 水筒の水を飲み、息を吐いて改めて周りを見ると緑一色。
 こんなに綺麗な自然は初めてで、思わずほぉ…っと見惚れてしまう。
 太陽は出ていなくても生い茂る緑は輝いていて、風にサラサラと揺れて気持ちよさそう。
 僕も気持ちよくて、つい目を閉じそうになってしまう。

 (これがマイナスイオンってやつなのか……?)

 すごちな、帰ったら生徒会室にも植木とか置こうかな。
 いつも書類ばっかりで殺風景だから、少しは癒されるかも……


「ん、雨宮?」


「ぇ?」




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