それは、キラキラ光る宝箱

花町 シュガー

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親愛なる強がりに、めいっぱいの雨避けを。

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 知ってる大声にハッとすると、会長たちや転入生が降りてきていた。

「お前も参加してたのか!雨降ってないのすごいな!」

「本当だ副会長だ~、こんなところでどうしたの~~?」

「つか、れた……?」

「えぇ、まぁ少し休憩をと座っているのですが……

──皆さん、なぜ下山を?」


 これから山頂ではレクリエーション。
 僕ら生徒会が主体となって動かないといけない。なのに、


「あぁ、こいつが『飽きた』っつってさ、降りるかって」


「………は?」


 今、なんて?

「俺もう飽きたんだよ!頂上までとか疲れるし汗かくし!だからもう降りようぜって言ったんだ」

「それに賛成~ってなったから、みんなで下山してるんだよ~~?」

「そう、だ…副会長も、降りる……?」

「そうだな、お前が1番最後だし登り切る頃にはもうレクリエーションも始まってんだろ。
どうせ間に合わねぇんだし、降りたほうがいいんじゃねぇか?」

「いい考えだな!
そうだ、折角今日は雨宮も外いるのに雨降ってないんだし、みんなで前行ってた飯食いにいかね!?」

「いいな、もうこの後は解散なんだし今から行っても問題はねぇだろ」

「うわ~そうしよう~~!副会長、立てるっ?」

「手、貸す」


「……お断り、します」


「え」

 差し伸べられた書記の手を振り払い、立ち上がる。

「な、おい友だちになにすんだ!」

「申し訳ありませんが、僕は生徒会副会長です。
職務を全うするほかありません」

 もう分かってる。この人たちにはなにを言っても通じない。
 だから、降りるなら勝手にすればいい。
 だが僕を巻き込んでくれるな。僕は、この行事をとても楽しみにしていたんだ。

「ちょ、ちょっと副会長~今から登ってもギリギリだって~~」

「うるさいです」

 ギリギリ間に合うのなら、まだ兆しはある。
 後はもう少し登るスピードを上げればいいだけの話だ。

 (もうこれ以上、風紀委員長に迷惑をかけたくない)

 生徒会のことで、もう手を差し伸べられたくない。
 あの人を、困らせたくない。

 晴田委員長を、もう──


「っ、なんだよ……雨が降ってないからって調子に乗るなよ!?」


「ぇ、わっ」


 グイッ!と勢いよくリュックを引っ張られ、慌てて振り向く。

「折角俺たちが誘ってやってんのになにしてんだよ!」

「ちょ、離してくださいっ!」

「嫌だ!お前も一緒に降りろ!!」

「だから……!」

 離れない転入生に身体がぐらついて、慌てて近くの大きな看板へ手をやる

 ──と


「このっ!!」


「え?」


 強い力で押されて、ズルリと地面から抜ける看板。
 自分の身体も一緒にバランスが崩れて

 そのまま


「ぁ、────っ!」


 歩道脇の谷底へ、落ちていった──




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