それは、キラキラ光る宝箱

花町 シュガー

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親愛なる強がりに、めいっぱいの雨避けを。

8

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 それからの日常は、大きく変化した。

 まず、目覚めたら僕はもう副会長ではなくなっていた。
 熱を出してしまったらしく、腕のこともあって少し入院していて、その間に風紀が生徒会をリコールしたそうだ。

 役員たちはみんな総入れ替え。
 今は新しい生徒会が動いている。

 進学に響くかなと思ったけど、風紀委員長が全校生徒や先生方の前で全てを正直に話してくれたらしい。
「だから副会長を悪くいう奴はいないよ」と説明してくれた。

 ならば、副会長以外が交代すればいいのではないか?
 みんなそう思ったらしい。けど、風紀委員長が交代を命じた。
 何故なのか。

 それは──


「あ、の…委員長、仕事しづらくないですか……?」


「全然。寧ろ捗るよ」


 生徒会副会長から風紀役員への移動が命じられ、ただいま風紀室。
 この部屋で最も偉い委員長の膝の上に抱えられ、共に手元の資料を見ている。

「まだ生徒会が新しいからさ、仕事覚えるまではこっちで全部回すことになってるからてんてこまいだねぇ」

「それなら、僕も他の仕事を手伝いますが…」

「いや雨ちゃんはここ。俺が間違ってないか見てて?」

「は、はぁ……」

「一体なにが起こったんだ!?」という視線ではなく、「ようやくくっついたのか、良かったねぇ」という優しい視線をくださる委員の皆さん。
 それが居た堪れなくて、今にも立ち上がって出ていきたい。

 (委員長は僕のことを相談してたのか!?)

 あり得る、この人なら気軽に口に出してそう。
 秘密は黙っていても「聞いてよー今日雨ちゃんがさ」って話してそう。
 そんな場所に自ら来てしまうなんて……!

「雨ちゃん暴れないで。腕の傷に響くでしょう?」

「~~っ、ですが!」

 僕の怪我のことは、何故か全てバレていた。
 転入生は、保護者が出てきてそのまままた別の学校へ転校。
 生徒会長たちも、これまでのことを病院まで謝りに来てくれた。
 これで平和、平和なはず。なのに、


「言うこと聞けないならまたここで口塞ぐけどいい?」


「っ、」


 ニヤリと笑う風紀委員長。
 僕の大好きな人。

 一難去ってまた一難とはこのこと?
 いや、好きだからいいのか?

 いやいや、それとこれとはまた別問題な気が──


 チュッ


「っ!?」


「ははっ、雨ちゃんほんと可愛い」


「ほら、仕事進めるからね」と改めて座らされ、また静かに書類を作り上げていく。



 ふと見上げた窓の外は、さんさんと太陽の上るいい天気。
 前まではそれが寂しかったのに、今はもうそう思わない。

 そんな自分にふふふと笑いながら、

 包み込んでくれてる温かい体温と一緒に、その手が書く文字を見つめることへ集中した──
















 (大丈夫。貴方とならもう寂しくない)

 (だから、次の休みには一緒に何処かへ出かけてみよう)

 (──きっと雨が降ったって、虹が出るだろうから)



fin.




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