それは、キラキラ光る宝箱

花町 シュガー

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この世で最も幸せな、3分間の出来事

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 見つめた先。
 いつも楽しそうに笑ってる顔が、クシャリと歪んだ。

「あの日の講師の言葉がさ、忘れられねぇんだよ」

 寂しそうに笑った、俺たちよりも背の低い幼い顔をした人。
 今までのどの講師よりも…重いなにかを残していった人。

「あの授業の後から、俺ずっとぐるぐるしてて……お前のことが、頭から離れねぇんだ」

「っ、潤矢、それは俺がアイスだからで──」


「俺、お前の隣に誰かがいんのが……嫌なんだよっ!」


「………ぇ?」


「それは俺の場所だ」と、「勝手に雫に話しかけてんじゃねぇよ」と、言ってしまいそうなる。

「今までも何度か、あったんだ。俺には彼女がいんのに何故かお前のこと独占したくなって…それで結局彼女とも上手くいかなくてお前のとこ帰ってきて、それになんかホッとして。
……正直、その繰り返しだった」

 雫のとこで落ち着いて、そしてまた次の恋に行って、また戻ってきて。
 いつだってしっくりくる恋の形はどこにもなくて、もう恋そのものが……分からなくなってしまって。

「そういうのも、全部ただ幼馴染の腐れ縁から来てるもんだと思ってたんだ。仲良い奴を他の奴に取られたくないっていう独占欲みてぇな。
でも、あの日の話聞いて……考え直した」

 『運命の相手に男も女も関係ありません』という言葉。
 それに、ドキリと心臓が跳ねた。

「真っ先にお前が浮かんだんだ。それで、今までのこと思い返してみた……」


 ──待って。


「…思い返してみて、どうだったの?」


 (嫌だ)

 ドクドク 忙しなく動く心臓。

 嫌だ、聞きたくない。
 でも……聞きたい。

 その先の 想いを。


「っ、どれだけ彼女作っても、結局お前の隣以上に楽しい場所はなかったし、居心地も良くなかった。今だってそうだ。
それに、アイスとかジュースとか考えれば考えるほどっ、俺は、お前を他の奴なんかに溶かされたくねぇと…思っちまって……!

俺、可笑しいんだ。あんなにジュースになりたくねぇって考えてたのに…俺が、お前のジュースだったらなぁとか…変なこと、考えて…て……」


 ポタリ と、苦しそうに笑ってる目の前の瞳から涙が零れ落ちた。

 それは止まることを知らなくて、どんどん どんどん溢れてきて。


 (──っ、嗚呼……)


「俺…お、れ……は……っ!」

「言って」

「………え?」


「──教えてよ。潤矢の気持ち」


 脳で考えるより先に、スルリと出た言葉。

 ふわりと笑うと、もっとクシャリと歪んだ。


 嫌でも惹かれ合う運命。
 もう……歯止めなんか、効かない。


 効かなくて いいんだ。


「ぁ…、~~~~っ!!
なぁ雫! 俺が、お前の運命の相手なんだろ!? そうじゃなきゃ絶対ぇ許さねぇ…俺以外の奴に溶かされるなんざ、絶対 絶対……っ!

それくらいに、俺は…多分、もうずっと……自分が気づかないぐれぇ前から…ずっとずっと……っ!


──お前のことが、好きだったんだ!!」





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