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しおりを挟むそして……_________。
自覚してしまえば、枷はあっさりと払われた。
セレナードが愛しくて堪らなかった。
出来ることならずっとこの腕に抱いて、耳を塞いで、目を覆ってしまいたいぐらいに。
それを留めたのも同じくあの子への愛ゆえだった。
囲って、閉じ込めてさえしまいたいけれど……私が愛したあの子はどもまでも自由で無邪気なあの子で。
あの子を悲しませる者も、苦しませる者も必要ない。
それは私自身であろうと同じ。
だからあの子が私を見て、私を選んでくれるように。
自らの想いを自覚した私は必至になって動き始めた。
まず最初にしたことは……父上たちへの報告。
セレナードは私だけでなく公爵家の至宝そのもの。
私としても恩も尊敬もある両親に不義理はできないし、なによりセレナードを口説こうにもやたらハイスペックかつ “セレナード様・命” な使用人たちに邪魔されるのも困る。
血こそ繋がっていないとはいえ、仮にも弟を愛してしまったのだ。
両親……特に父上がセレナードを溺愛していることは知っているし、恩を仇で返す所業だ。
最悪罵られ、殴られることさえ覚悟していた。
「ようやく認めたのねぇ、ギルくんってば」
「は?」
頬に手を当て、少女のような笑みを浮かべながらのほほんと紡がれた母上の言葉に中途半端に顔をあげて固まった。
「気づいてないと思うのがどうかしている」
切れ長の目に呆れを滲ませ、父上がカップをソーサーへと戻す。
「お前のあの子に対する気持ちなど疾うに全員気づいているぞ?」
……全員?
全員って全員?
どこまで??
「むしろあれで特別な感情が一切ないとか言われたらそれはそれで心配だ。ただの兄弟へあれなのなら、特別な相手など拉致監禁まっしぐらだろう。我が家から犯罪者を出すわけにはいかない」
あんまりな言葉だが……反論の余地は浮かばなかった。
しかも使用人一同がうんうんとばかりに頷いているのを見てしまい…………必死に隠しているつもりだった私の気持ちなど全然隠れていなかったことを思い知った。
顔から火が出るほど恥ずかしくて両手で顔を覆った。
「あらあら」
楽し気な母上の声が拍車をかける。
改めて思い返せば……当然だった。
私のセレナードへの想いはとても兄弟愛などとよべる範疇でなく、きっとどす黒いまでの嫉妬や執着も筒抜けだったのだろう。
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