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しおりを挟む資材を運び終え、生徒会室へと戻る。
力仕事をした肩をぐるりとまわしてほぐしつつソファに腰をおとした。
「結局どうすんだよ?文化祭もうすぐじゃねぇか」
茶菓子を頬張りつつ茶をぐいっと飲み干す書記の言葉に眉を寄せる。
だから悩んでんだろうが。
「僕は必死にがんばってるのにエリオットは文句ばっかいうし……」
「おい、ふざけんな。誰のせいだと思ってやがる?」
本人なりにがんばっているのは事実だが、元をただせば確実にコイツのせいだ。
「文句って?」
首を傾げる副会長に親指でセレナードを指した。
「コイツ、目を閉じると寝るから目を開けてようとすんだよ」
「半目も薄目もダメっていわれた」
「で、目を閉じるようになったら……数秒ごとにぱちりと目を開く」
「だって3秒以上目を閉じてたら寝るぞ?」
「…………なんかそんな人形ありますよね。動かすと目がぱちりと開くやつ」
「私、昔持ってましたわ」
「わたしもー。あれ改めてみるとちょっと怖いんですよね。小さい頃はお気にいりだったけど……」
「しかもコイツ見た目も人形っぽいしな」
怖さ倍増。
結局、生徒会の雑談でも解決方法は浮かばなかった。
「そういえばっ、先輩のドレス姿すごかったって噂に聞きましたよ!本番、今から楽しみなんですけど」
身を乗り出す弟子はちょっと鼻息が荒い。
……それにしてもなんで他学年にまで噂が出回ってんだよ?
「セレナード様を主役にしてよかったと皆さま仰ってましたわ」
ちょっと含みがある感じに残念令嬢が笑うのにエセ双子が首を傾げる。
「なんでも出演者を殿方限定にしたのは誰も主役をやりたがらなかったからだそうですから」
「あ?なんでだよ?」
「だってセレナード様がいらっしゃいますもの」
マドレーヌを2口で食べきる書記の問いに肩をすくめる姿は「気持ちはわかる」と言いたげだった。
「それなりに容色に自身のある令嬢ならなおさらやりたくないでしょう?どうしたって「セレナード様が主役だったら……」なんて比べられてしまいますもの」
その言葉にはめちゃくちゃ納得した。
男と比べられたうえ負けんのはそりゃ嫌だな。
「つかお前、なんで知ってんの?」
「令嬢の情報網を舐めないでくださいな」
残念な悪癖を持っていようと流石は貴族令嬢といったところか。
女の情報網こえぇ。
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